(映画)スター・ウォーズ5 帝国の逆襲(1980年)の感想とあらすじは?

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英雄譚が「旅立ち(セパレーション)」「通過儀礼(イニシエーション)」「帰還(リターン)」の構造を踏むのだとすると、本作は「通過儀礼(イニシエーション)」に相当します。

それは、修行の時代に相当すると言っていいのかもしれないですし、飛躍への準備期間と言ってもいいのでしょう。

迷い、悩み、壁にぶつかり、絶望にさいなまれます。

ですが、こうした期間を経て、次の飛躍があるのです。成長過程によくある期間です。

そして、本作は「スター・ウォーズ」全9作の、ちょうど真ん中になります。

折り返しの物語です。それは、衰退していくジェダイが息を吹き返していく折り返しの物語でもあります。

Disney+(ディズニー・プラス)の会員になれば、常時見ることができます。

スター・ウォーズヒストリー(時系列)

スター・ウォーズ(=スカイウォーカー・サーガ)は正史(カノン)の順番通りに見るのがおススメです。

千の顔をもつ英雄」で分析されましたように、サーガは3段階を経ます。

ミクロの視点での初代アナキン・スカイウォーカーの3段階、2代目ルークとレイアの3段階、3代目レイとカイロ・レンの3段階、そして、マクロの視点ではスカイウォーカー一族としての3段階です。

映画「スター・ウォーズ」シリーズ
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感想/コメント

ジェダイの力量

エピソード1からエピソード3までと、このエピソード4からエピソード6までを比べると、同じジェダイといっても、明らかに強さの差が歴然としています。

ジェダイの力の弱まりが如実に現れているのです。

エピソード1からエピソード3までの間にジェダイが殺されつくし、生き残ったのがオビ=ワン・ケノービとヨーダだけになったためです。

二人とも年を取り、力が弱くなっています。

そして、前作でオビ=ワン・ケノービは死んでフォースと一体になってしまいました。

幸いというべきか、シスの側にしても、皇帝は年を取り、アナキンは瀕死の状態からダース・ベイダーとなることで力が弱まっています。

こちらも後継がいません。

ジェダイの生き残り

考えてみれば、本作の時点でジェダイとシス(=ダーク・ジェダイ)は、そもそも生き残りがほとんどいない状態です。

ジェダイはヨーダと、修行を始めたばかりのルーク。かつて、共和国の守護神といわれたジェダイは、ほとんど伝説の存在です。

シスも皇帝とダース・ベイダーだけです。

フォースを使いこなすものが、これだけになってしまっています。

いや、フォースそのものが伝説になろうとしているのです。

こうした中で、ルークにとって師はいないも同然でした。

それにもかかわらず、ルークはジェダイの再生を担うことになります。

一度衰退したものを、蘇らせることの難しさはいかばかりでしょう。

フォースとの一体化

ルークにとって唯一幸いだったのは、フォースと一体化したベン・ケノービ(オビ=ワン・ケノービ)の霊体がいることです。

ベンがルークを導いてくれるのです。

オビ=ワン・ケノービがフォースと一体化しつつも自我を保つことができたのは、彼の師・クワイ=ガン・ジンの影響が大きいです。

クワイ=ガン・ジンがその技術を会得したということをヨーダが教えてくれました。

そして、隠遁生活の中で修行と研究を続けて、ついにこの技術を会得したのです。

オビ=ワン・ケノービは霊体としてルークを導きました。

そして、生身の肉体でルークを導くのが、銀河唯一の存在であるグランド・マスターの称号を持ち、生ける伝説と称されるヨーダです。

銀河系最強の剣士です。

このヨーダの存在がなによりも大きいです。

雑談

さて、これが上映された当時は、カンフーアクションを取り入れるという発想もなかったですし、また、剣術の殺陣を取り入れてアクションを派手にしようという発想もなかったのでしょう。

その後、アクションがだんだんと派手になって、それをエピソード1からエピソード3で派手なカンフーアクションを取り入れたために、エピソード4からエピソード6までのアクションとの間に大きな溝ができてしまいました。

この作品は1997年にCG技術などを使ってシーンの差し替えなどが施され、「スター・ウォーズ/帝国の逆襲 特別篇」として公開されました。

その後、DVD化するにあたり、さらに変更が加えられています。

ダース・ベイダーの有名なセリフで、「Luke, I am your father.」というのがあるが、実は「No, I am your father.」が正解なのだそうです。

確かにLukeとNoは、くぐもった声で言われれば区別できないかもしれません。

そのダース・ベイダーがルークの父親であるということ秘密事項として撮影中は厳重に隠されていました。

セリフを発していたデイヴィッド・プラウズにも知らされておらず、プレミア上映前に本当のセリフを知っていたのは、ジョージ・ルーカス、マーク・ハミル、ジェームズ・アール・ジョーンズの三人だけだったそうです。

さてさて、霊体として登場するオビ=ワン・ケノービがヨーダの弟子だったと回術する場面がありますが、うん?エピソード1でのマスターはクワイ=ガン・ジンだったような?

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あらすじ/ストーリー/ネタバレ

オープニング・クロール

遠い昔、遥か彼方の銀河系…

同盟軍にとって試練のときだった。デス・スターを破壊したが、帝国軍が銀河中を追い、秘密基地からの撤退を余儀なくされていた。

恐ろしい帝国宇宙艦隊から逃げ、ルーク・スカイウォーカーら自由の戦士達は、辺境の氷の惑星ホスに新たな秘密基地を作っていた。

若いスカイウォーカーを見つけることに執念を燃やしていたダース・ベイダーは、銀河全域に無数の探査ドロイドをくまなく放っていた…。

氷の惑星ホス

ヤヴィンの戦いから三年。

ホスにも一体のドロイドが着地した。

ホスではルークとハン・ソロが定期パトロールを行っていた。

ルークは落ちてきた隕石を発見、ソロは先にエコー基地に帰る。ルークは隕石を調査するため移動しようとしたところを雪獣ワンパに襲われる。

ルーク救出

一方、基地に戻ったソロは反乱軍を離れ、ジャバ・ザ・ハットに金を返したいと告げた。彼の首にはジャバ・ザ・ハットから多額の懸賞金が掛けられていたのだ。

ミレニアム・ファルコンでタトゥイーンに向かおうとするソロ。レイアが慰留した。それは個人としての慰留だった。二人は互いに好意を抱いていたが、多大にそれを相手には伝えることはなかった。

ソロがルークの消息不明を知ったのはファルコンの修理を行っていたときだった。夜を迎えるとホスの気温は急激に低下し、ルークが生きて帰って来る確率も非常に低くなる。ソロはトーントーンでルークの救出に向かった。

ソロはわずかな生命反応を手がかりにルークの捜索を進めていた。基地でもハンからの連絡が途絶え、ついに防寒扉を閉じた。

ルークはワンパの洞窟で、両足を氷の天井に貼り付けられていた。意識を取り戻した彼はフォースでライトセイバーを引き寄せた。

ワンパの攻撃を撃退して洞窟から逃げた。だが、外は吹雪。倒れたルークの前に現れたのはフォースと一体となったオビ=ワン・ケノービだった。オビ=ワンは惑星ダゴバへ行けという。そこにはジェダイ・マスター・ヨーダがいる。

ソロに救出され、ルークは治療を受けた。

ダース・ベイダーに見つかる

偵察機から不審な物体を発見したとの通報を受けた。それは帝国軍の放ったドロイドだとわかった。

帝国軍に基地の場所が察知されたことを悟り、基地の全軍に撤退命令を出した。

ベイダーは、フォースの直感でホスに反乱軍の秘密基地があることを確信する。

ベイダー率いる銀河帝国軍の死の小艦隊がホス近辺に到着するが、同盟軍は攻撃に備えて強力な防御シールドを作動させており、帝国軍は軌道からの砲撃を封じられてしまう。

ベイダーはAT- AT部隊による地上攻撃を命じた。同盟軍は貴重な物資を積んだ貨物船が脱出する時間を稼ぐため、イオン・キャノンで地上から援護射撃を行いながら、必死に応戦を試みる。

ついにエネルギー基地が破壊されると、ベイダー自ら地上やってきて、ルークを探し始めた。

ホスからの脱出

ファルコンを修理していたソロとチューバッカは逃げ遅れたレイアとC-3POを乗せ基地から脱出した。

ソロ達を乗せたファルコンは執拗な帝国軍の追撃を受け、ハイパードライブの起動を試みるが、修理が不十分であったため失敗する

ソロはホスの付近にある小惑星帯に逃げ込み、何とか追っ手を振り切った。

ヨーダとの出会い

ホスを脱出したルークは、Xウイングに乗りR2-D2を伴って、オビ=ワンの言葉に従い惑星ダゴバへ向かう。

沼の惑星ダゴバは無人の惑星で、偉大なジェダイ・マスターが住んでいるような場所ではなかった。

ルークを見つけたのは小柄な老人だった。老人は馴れ馴れしい態度で彼を困らせる。ヨーダのところへ案内すると言い、ルークを自分の家へ招く。

勝手気ままな老人の振る舞いに、ルークは我慢の限界に達して、ついに怒り出した。そこにオビ=ワンの声がする。この老人こそがマスター・ヨーダだった。

ヨーダはルークが現実を見ず、未来ばかりを見ていることに懸念を示したが、若きジェダイを弟子とした。

ベイダーをパルパティーン皇帝が呼び出した。皇帝はデス・スターを破壊したスカイウォーカーの息子がフォースに乱れを起こしていると告げた。ルークをダーク・サイドに引き込むか、抹殺するしかない。

ベイダーは銀河中から腕利きの賞金稼ぎたちを招集した。ミレニアム・ファルコンを探させるのだ。その中にはボバ・フェットもいた。

逃げるソロ達

ミレニアム・ファルコンの外にはパワー・ケーブルを切断するマイノックが飛んでいた。

ソロはあることに気づいて、すぐに脱出することにした。ここは洞窟ではない。スペース・スラッグの体内だったのだ。間一髪逃れた一行。

だが、スター・デストロイヤーに見つかる。ハイパードライブはまだ直っていない。一か八かの賭けに出た。艦橋の裏側にミレニアム・ファルコンを張り付かせてレーダーから姿を消した。

ソロは船を修理するため惑星ベスピンへと向かう。ランド・カルリジアンの統治する採鉱都市、クラウド・シティがある。

帝国軍がハイパードライブで飛ぶとき、大きなごみを出すことを知っていたソロは、タイミングを計ってうまく帝国軍から逃げた。

だが、一行を追う機体が一機あった。ボバ・フェットだ。

修行するルーク

ルークは試練として洞窟の中へ入るよう命じられる。そこはダーク・サイドが強い。

洞窟の奥へと進むとのベイダーが現れた。ルークはライトセイバーでベイダー切りかかる。そして、ベイダーを切りつけた。仮面の下から現れたのは、ルーク自身だった。

沼に沈んだXウィングをフォースで持ち上げるのは不可能だとあきらめるルーク。ヨーダはXウィングをフォースで持ち上げてみせ、フォースを力を見せたのだった。

ルークは瞑想の中で、苦しむソロやレイアの姿を見た。仲間を助けに行かなければならないと考え、ヨーダとオビ=ワンの制止を振り切って助けに出かける。

オビ=ワンはヨーダに、彼が最後の希望だといったが、ヨーダは、いやもう一人いるとつぶやいた。

裏切られたソロ

クラウド・シティではソロたちはランドの歓迎を受けていた。ランドは執政官になっていた。そしてティバナ・ガスの採鉱事業を手がける実業家になっていた。

C-3POが行方不明になった。そして、バラバラになった姿をチューバッカが発見した。

ランドがソロを裏切った。ボバ・フェットが先に着ており、ベイダーら帝国軍が先に到着していたのだ。

ベイダーはルークを捕らえるための囮として彼らを利用しようと考えていた。

ソロは実験台としてカーボナイト冷凍にかけられ、フェットに引き渡されてしまう。

ランドは、レイアとチューイーを解放してソロの救出へと急ぐ。ボバ・フェットの船がまだ出ていないはずだ。だが、あと一歩及ばなかった。

ルークvsベイダー

ベイダーとルークは互いのライトセイバーを手に、激しくぶつかり合っていた。

ルークはベイダーのフォースに押され、右手を失う。

ベイダーはルークに父のことを知っているかと聞く。ルークは父はお前に殺されたと応えた。ベイダーは言う。違う、私がお前の父だ。

ルークはそれを否定したかったが、フォースはそれが事実だと告げていた。

ルークは手を話、底へと落ちていった。クラウド・シティの底の外に落ち、絶体絶命のルークはレイアに呼びかけた。

レイアが何かを感じ、ランドに戻るようにお願いして、ぶら下がっているルークを見つけて救出した。

だが、依然として帝国軍にはつかまりそうなミレニアム・ファルコン。R2-D2がハイパードライブの回線を接続したことで、逃げ切ることができた。

本隊に合流し、ルークは右手の治療をし、ランドとチューバッカはソロを救出するためにタトゥイーンへ向かっていった。

映画情報(題名・監督・俳優など)

スター・ウォーズ5/帝国の逆襲
(1980年)

監督: アーヴィン・カーシュナー
製作総指揮: ジョージ・ルーカス
脚本: リー・ブラケット、ローレンス・カスダン
音楽: ジョン・ウィリアムズ

出演:
ルーク・スカイウォーカー / マーク・ハミル
ハン・ソロ / ハリソン・フォード
レイア / キャリー・フィッシャー
オビ=ワン・ケノービ / アレック・ギネス
C-3PO / アンソニー・ダニエルズ
R2-D2 / ケニー・ベイカー
チューバッカ / ピーター・メイヒュー
ダース・ベイダー / デヴィッド・プラウズ
ランド・カルリシアン男爵 / ビリー・ディー・ウィリアムズ
ヨーダ / フランク・オズ
ボバ・フェット / ジェレミー・ブロック
声の出演:
ダース・ベイダー / ジェームズ・アール・ジョーンズ
皇帝 / クライヴ・レヴィル

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