このアルバム
1曲目の「I’m Not in Love」はボーカルを抑えれば、そのままチルアウト、ラウンジの両方に通じる曲です。
もっとも、どちらかというとチルアウトに近いですが…。
このアルバムはオリジナルの日本版企画。目玉は1曲目の”I’m Not in Love”を再録した点です。
実はオリジナルを聞いたことがないので、比較しようがないのですが、このアルバムに収録されているのは、柔らかい打ち込みによるデジタル・リワークといった感じです。
他の曲でも同様の処理がされていたり、別の処理が施されていたりします。
オリジナルの完成度に満足していれば、リワークとはならなかったはずですから、それなりの不満があったのでしょうか。
オリジナルの発表時点から考えると、様々な楽器や録音機器が登場しています。ミュージシャンだったら、こうした新しい機器で再録してみたいという気が起きてもおかしくありません。
結果的にはこの試みはよかったのではないかと思います。オリジナル曲の発表年代を考えると、音に雑味やノイズが入り込んでいただろうと思うからです。そうした雑味やノイズが全くないクリアなアルバムに仕上がっています。
ノイズや雑味があった方が味わい深いという思う人もいるでしょうが、私個人はクリアな音が好きなので、こちらでよかったと思っています。
10cc(テン・シーシー)プロフィール
イギリスのマンチェスター出身のグループです。
ポップでありながらひねりのある実験的な独自のサウンドで、解散した今も根強い人気を誇ります。
1972年、UKレーベルからのデビュー・シングル”ドナ”をスマッシュ・ヒットさせます。
1973年に1stアルバム「10cc」、1974年、2ndアルバム「シート・ミュージック」を発表し、1975年の3rdアルバム「オリジナル・サウンドトラック」発表後、メンバー間の方向性の違いが次第に顕著になりました。
1976年の「びっくり電話」を最後にゴドレイ&クリームが脱退します。
以後はグールドマンとスチュワートが中心となってよりポップな音楽を展開していきますが、1983年に正式解散します。
1992年にオリジナル・メンバーが集まって、「MEANWHILE」を発表、1995年にはグールドマンとスチュワートにより「ミラー、ミラー」を10cc名義で発表します。
1972年-1976年・オリジナルメンバー
- グレアム・グールドマン(Graham Gouldman):ベース、ギター、ボーカル
- エリック・スチュワート(Eric Stewart):ボーカル、ギター、キーボード
- ロル・クリーム(ロル・クレーム)(Lol Creme):ボーカル、ギター、キーボード
- ケヴィン・ゴドリー(ケヴィン・ゴドレイ)(Kevin Godley):ボーカル、ドラム
1976年以降、ケヴィン・ゴドリーとロル・クリームが脱退しゴドリー&クリーム(ゴドレイ&クレーム)を結成。
以後、10ccはリック・スチュワートとグレアム・グールドマンを中心に活動を続ける。
1983年、正式に解散。
1992年、期間限定の再結成を果たし「ミーンホワイル」をリリース。これにはゴドレイ&クレームもゲスト参加しました。翌1993年に来日コンサートを行ないます。
1995年、スチュワートとグールドマンにより「ミラー・ミラー」を「10cc」名義でリリース。同年、来日コンサートを行ないました。
曲目
10cc
“Mirror Mirror”
1995
Avex Critique/BMG
1 I’m Not in Love [Rework of Art Mix]
2 Peace in Our Time
3 Ready to Go Home
4 Monkey and the Onion
5 Why Did I Break Your Heart
6 Code of Silence
7 Take This Woman
8 Grow Old With Me
9 Age of Consent
10 Everything Is Not Enough
1995年の他のアルバム