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(映画)ユージュアル・サスペクツ(1995年)の考察と感想とあらすじは?

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ミステリー映画の傑作のひとつだと思います。

最後5分のネタバラシとドンデン返し。これほど鮮やかなシナリオはそうそうありません。

回想によって物語が展開していき、さまざまな伏線が張られ、緻密に積み上げられていくシナリオ。

真犯人は早い段階で「そうだろう」という当たりがつきます。真犯人がわかっていながらも、最後の5分の展開はスゴイです。

そして、有名な、印象的なラストシーン。初めて観たときは衝撃でした。

警察署から出てきたヴァーバルが左足を引きずりながら歩きます。足取りだけが映っている場面です。やがて、足取りは、徐々に普通になっていくのです。

ユージュアル・サスペクツとは「いつもの容疑者たち」という意味です。邦題はこちらのほうがよかったかもしれません。

なぜなら、過去の経歴からだけで、いつものように集められた容疑者たちが引き起こしていく事件だからです。

そして、いつもの容疑者たちは、「いつも」であるがゆえに、真にワルにはなりえません。ワルらしいワルは、真のワルではないのです。

そうした意図がわかる邦題のほうがよかったと思います。

本作はアガサ・クリスティの「アクロイド殺し」との共通点があります。「信頼できない語り手」による作品という点です。

「アクロイド殺し」はクリスティ6作目の長編。推理小説史上に残る名著です。エルキュール・ポアロ・シリーズの3作目です。

「語り手=犯人」というトリックが効果的に使われており、「信頼できない語り手」の叙述トリックがフェアかどうかという「フェア・アンフェア論争」を引き起こした作品でした。

この年に公開された映画やドラマを下に方に載せておりますので、ご参考になさってください。

あらすじ/ストーリー/ネタバレ

カリフォルニア州のサン・ペドロ埠頭で船が爆発した。
27人が死亡し、9,100万ドルが消えた。
コカイン取引現場からコカインを強奪しようとした一味と組織の争いと思われた。

生き残ったのは2人で、1人は重傷。
関税特別捜査官のクイヤンはもう一人のヴァーバル・キントを尋問する。

・・・
6週間前。
N.Y.市警察と合衆国関税局は、5人の容疑者を連行した。
銃を大量に積んだトラック強奪に関わったと見られるからだ。

元警官でレストランの経営者キートン、爆薬の専門家ホックニー、マクナス&フェンスターの犯罪コンビ、詐欺師で足に障害を持つヴァーバル。

5人の犯罪者は釈放後、汚職警官パトカーを襲撃。
大量のエメラルド原石強奪に成功する。
エメラルドをさばくため、L.A.に向かってレッドフッドと取り引きする。
そして、新たにテキサスの宝石商襲撃を持ちかけられる。

襲撃を実行する。
だが、レッドフットの説明とは違って、麻薬だった。

レッドフッドを問い詰めると、カイザー・ソゼの右腕と名乗るコバヤシから頼まれたことを知る。

5人の前にコバヤシが現れた。
拘置所で5人が出会うように仕組んだのは実はソゼだというのだ。
そして、5人は知らずにソゼから何らかの物を盗んだ過去があるとつげた。

コバヤシは命じる。
アルゼンチン・ギャングがサン・トロペ沖の船で大量のコカイン取引を予定している。
船と積み荷を破壊しろ。

・・・

重傷のの生存者・アーコシュ・コバッシュに聞き取りをするため、FBI捜査官のジャック・ベアは病院へ来ていた。
コバッシュの口から「カイザー・ソゼ」の名が出た。

カイザー・ソゼ。
顔どころか声さえも知る者がいない。
ただ伝説的な噂のみが独り歩きする。

・・・
クイヤンはヴァーバルの尋問を再開する。

FBIのジャック・ベアはソゼの顔を見たという重傷の乗組員からの聞き描きで似顔絵の作成の取りかかった。

ヴァーバルはついに「キートンが仕組んだこと」と白状して、取調室を後にした。
ヴァーバルの釈放後、なぜか腑に落ちなかったクイヤンは、部屋のホワイトボードに目をやって愕然とした。
飲んでいたコーヒーカップを取り落とすクイヤン。
カップの底には「コバヤシ陶器」、壁にはヴァーバルが話した登場人物の名前であふれている。

ファックスが届いた。
ソゼの似顔絵はヴァーバルそっくりだった・・・。

映画情報(題名・監督・俳優など)

監督:ブライアン・シンガー
脚本:クリストファー・マッカリー
音楽:ジョン・オットマン

出演:
マグナマス/スティーヴン・ボールドウィン
キートン/ガブリエル・バーン
クイヤン/チャズ・パルミンテリ
ホックニー/ケヴィン・ポラック
コバヤシ/ピート・ポスルスウェイト
ヴァーバル/ケヴィン・スペイシー

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