題名の「Charade」はなぞなぞを意味します。フランス語では、謎解き、謎言葉という意味になるようです。
どんでん返しアリのミステリーとラブロマンスが一緒になった映画です。
後半展開は見事ですが、なんというか、プロットは面白いのですが、演出が悪いために今一つの印象になってしまいます。
いや、演出だけでなく、脚本がいまひとつなのかもしれません。
コメント
衣装
この映画は、衣装で話題になりました。
「MISS HEPBURN CLOTHES BY GIVENCHY」とあるように、ジバンシィが提供した衣装をヘップバーンが着ています。
スタイリッシュな映画になっているのは、ジバンシィの衣装のおかげであるのは間違いありません。
巴里のアメリカ人
セーヌ川でのシーン。
オードリー・ヘップバーンがケイリー・グラントに、ここで歌っていたのよね、と「巴里のアメリカ人」の場面を指したセリフがあります。
「巴里のアメリカ人」はミュージカル映画です。合わせてみると一層楽しめます。
著作権
本作は著作権表記が無かったため、公開当時の米国の法律(方式主義)により権利放棄とみなされ、パブリックドメインとなっています。
あらすじ/ストーリー
列車
急行列車が走る。
その列車からある男が放り出された。
男は死んでいた…。
スイスのスキー場
スイスのスキーリゾート地。
レジーナ・ランパートはシルヴィーに夫・チャールズとの離婚を決意したことを話した。旅行にはシルヴィーとジャン・ルイと来ていた。
このスキー場でレジーナはある男と知り合った。
旅行からパリの自宅に戻ると、様子がおかしい。家財道具一切が部屋から持ち出されていたのだ。夫の姿も見えない。
夫の死と謎
レジーナは司法警察のグランピエール警部から夫チャールズの死を告げられた。
チャールズは家財道具のすべてを競売にかけ、落札代金25万ドルを持ってパリ脱出のために列車に乗ったのだという。
遺品はごくわずか。小さなバッグに入っているものがすべてだった。
4つのパスポート、手帳、櫛、万年筆、レジーナ宛ての切手が貼られた未投函の手紙だった。
残された手帳にはシャンゼリゼ公園木曜午後5時と書かれていた。
レジーナは混乱していた。夫のチャールズはなぜ4つもパスポートを持っていたのか。そもそも彼のことを知らなすぎる…。
ピーターとの再会
レジーナは自宅に帰ったものの、家財はなく電気も止められている。途方に暮れていた。
そこへ、スキー場で知り合ったピーター・ジョシュアが現れた。
レジーナはこれで元に戻っただけだといった。元の通訳の仕事に戻るだけだと。
葬儀に現れた3人
チャールズの葬儀は寂しいものだった。
出席者はレジーナとスキー旅行に同行したシルヴィだった。後ろのほうには警察のグランピエール警部が座っていた。
ドアが開いた。眼鏡をかけた小柄な男がやってきた。男は棺桶をのぞき込むと、くしゃみをした。そして去った。
再びドアが開いた。背の高い男がやってきた。男も棺桶をのぞき込むと、レジーナにお悔やみを述べて去った。
三度ドアが開いた。右手をコートに突っ込んだ男がやってきた。棺桶をのぞき込んで、立ち去った。
一体男たちは何者なのだ…。
バーソロミュー
レジーナはアメリカ大使館に呼び出された。
バーソロミューはレジーナにチャールズの正体を教えた。本名はボス。第二次世界大戦中、OSS(CIAの前身)で対ドイツ戦に従事していた。
そして、写真を見せた。写真には若い頃の夫・チャールズ(ボス)と、葬儀に現れた3人(ギデオン、テックス、スコビー)が写っていた。
彼らは25万ドル相当の金塊の輸送任務にあった。だが、金塊は盗まれたことにして地中に埋めて終戦後に山分けすることにしたのだった。
しかしチャールズが金塊を掘り返して持ち去ったのだという。
バーソロミューは、3人が25万ドルのありかをレジーナが知っているものだと思っているから、気をつけろと忠告した。
そして、何かあったら連絡するように、と連絡先のメモを渡した。
脅迫
ピーターはレジーナを励ますためにディナーショーに連れ出した。
だが、ディナーショーの中でギデオン、テックスが次々と現れ、レジーナに金を渡せと脅しをかける。
ホテル住まいになったレジーナがホテルに帰ると、スコビーが目の前に現れて、25万ドルの行方を聞いてきた。
恐ろしくなってきたレジーナはピーターに助けを求める。
最後に現れたスコビーの後を追ってピーターは窓から出て別の部屋へ入っていった。
そこにはギデオン、テックス、スコビーの3人がいる。3人は結託してレジーナを脅迫していたのだ。
そしてピーターも仲間のようだった。ピーターを信用させて25万ドルのありかを聞き出す作戦だった。
だが、この作戦に乗り気でないのがスコビーだった。
スコビーがレジーナに電話して、ピーターが仲間であることを教えた。ピーターのことをダイルと呼び、彼を信用するなといったのだ。
レジーナはピーターにも疑いの目を向けるようになる。
ダイル
レジーナはバーソロミューに相談した。すると、バーソロミューはピーターこそ真犯人ではないかと言った。
本物のダイルは死んでいる。
バーソロミューはレジーナにダイルと呼ばれた男の正体を探るよう依頼した。
レジーナはピーターを問いつめた。すると、ピーターはダイルの弟だといった。
屋上での対決
スコビーがダイルに銃を突きつけて、ホテルの屋上に連れ出した。
ダイルが金のありかを知っていると思ったのだ。
ダイルが反撃し、もみ合いの結果、スコビーは屋根を滑り落ちた。だが、かろうじて鉤爪で落下を免れた。
ダイルは背中に怪我をしていた。レジーナがダイルの怪我を手当てする。
二人が良いムードになっていると、テックスから電話が入った。三人がジャン・ルイを人質にしたというのだ。
殺人事件
ダイルは仲間のうち誰かが、チャールズを殺して金を奪ったのではないかと疑いだした。
業を煮やした4人は、それぞれに部屋を含め、所有物に25万ドルにつながるヒントがないかを家探しした。
その中、スコビーが溺死体で発見された。いったい何者が殺したのだ…?
謎の男
バーソロミューからダイルに兄弟はいなかったという情報が入った。
レジーナに問いつめられたダイルは、本名はアダム・キャンフィールドだと言い出す。
次に、夜中に起こされたギデオンがエレベーターの中で殺された。
残っているのはテックスとアダム・キャンフィールドだった。
チャールズの遺品
アダムはチャールズの遺品をもう一度調べた。ここにしか手掛かりがないはずだからだ。だが、手がかりは見つからなかった。
手帳に書かれていたシャンゼリゼ公園木曜5時を思い出した二人は公園に急いだ。だが、手がかりはなかった。
公園にはテックスがいた。彼も同じように手掛かりを探していた。
公園では切手の市が開かれていた。
テックスが何かに気が付いた。そして、アダムも同じことに気づいた。
切手
手紙に貼られた切手が切り取られていた。
レジーナに貰った切手が珍しかったのでジャン・ルイが切手市に来たのだった。
真相に気づいたレジーナはジャン・ルイを捜す。
ジャン・ルイは切手3枚を包み一杯の切手と交換していた。
レジーナは業者をたずね、切手を戻してもらった。3枚の切手は貴重な切手で、合わせて25万ドル相当のものだった。
真実
レジーナがホテルに戻るとテックスが殺されていた。絨毯にダイルのダイイングメッセージがあった。
アダムが犯人だ。レジーナはすぐさまバーソロミューに連絡を取った。そして、コロネード広場で落ち合うことにした。
だが、レジーナはアダムに追われていた。必死に逃げるレジーナ。
地下鉄の駅の電話ボックスからバーソロミューへ電話の言付けを頼んだ。
レジーナはバーソロミューの待つコロネード広場にたどり着いた。
アダムが叫んだ。その男がカーソン・ダイルだ。
レジーナは訳が分からなくなってしまった。どっちを信じればいいのか。
やがて、バーソロミューが本性を現した。彼がダイルだった。
ダイルは生き延びてドイツ軍収容所から帰還し、復讐のため4人を殺したのだ。
劇場
レジーナは無人の劇場に逃げ込んだ。ダイルもアダムも追いかけて入ってきた。
レジーナは舞台の下に隠れたがダイルに見つかってしまう。
一方、アダムは舞台下にいた。奈落を操作し、ダイルが真上に来たときに奈落に落とした。
大使館
レジーナはアダムを連れて大使館に25万ドルを返還しに行った。
担当者は財務省のクルックシャンクだという。
レジーナがクルックシャンクの部屋に入ると、そこに座っていたのはアダムだった。
彼の本当の姿は大使館員ブライアン・クルックシャンクだった。
ダイルは昼休みを狙ってオフィスに入り込みバーソロミューを装っていたのだった。
映画情報(題名・監督・俳優など)
シャレード
(1963年)
監督 / スタンリー・ドーネン
製作 / スタンリー・ドーネン
原案 / ピーター・ストーン、マルク・ベーム
脚本 / ピーター・ストーン
撮影 / チャールズ・ラング・Jr
編集 / ジム・クラーク
作詞 / ジョニー・マーサー
音楽 / ヘンリー・マンシーニ
出演
レジーナ・ランパート / オードリー・ヘプバーン
ピーター・ジョシュア / ケイリー・グラント
ハミルトン・バーソロミュー / ウォルター・マッソー
テックス / ジェームズ・コバーン
スコビー / ジョージ・ケネディ
ギデオン / ネッド・グラス
シルヴィー / ドミニク・ミノット
グランピエール警部 / ジャック・マラン
ミスター・フェリックス / ポール・ボニファ
ジャン・ルイ / トーマス・チェリムスキー