感想/コメント
バンドのメンバー17名全員が4ヵ月にわたる猛特訓の末に、劇中で演奏される楽曲すべてを吹替えなしでこなしたそうです。
それぞれのパートごと、もしくは一人に一人ずつの先生をつけて特訓したのでしょうが、それにしても、おみごとです!
ですから、徐々に上手になっていくのは正にリアルです。
何とか音が出せて、何とかメロディラインを追いかけていけるようになっていった前半部分。
それと対比して、最後のシーンでの演奏は格段の進歩。
短期間でよくできました♪
楽器をさわったことのないメンバーがいたとしたら、相当大変だっただろうと思います。
演奏曲は、「A列車で行こう」「ムーンライトセレナーデ」「シング・シング・シング」など往年のスタンダードジャズナンバー。
映画の中では他に、ルイ・アームストロングやナット・キング・コールなど大御所たちを挿入曲として使用しています。
こうした超一流の「プロ」の演奏と比較してしまうのはかわいそうですが、短期間での猛特訓の成果としてはすばらしいです。
サボりの口実としてビックバンドを始めたのが、いつのまにか本気になってしまう。
高校生の頃は、何かハマレルものがあれば、突っ走れるだけの気力と体力があります。
それがスポーツである、というのが、従来から映画やドラマで取り上げられてきたテーマでした。
ですが、こうした音楽、しかもジャズにはまる女子高生という予想外な設定もいいものです。
いい味を出していたのが、ドラムの田中直美役・豊島由佳梨でした。
仏頂面なのか、ポーカーフェイスなのか分からないですが、とにかくマイペース。
どちらかというと、とろそうな印象を受けるのですが、ドラムを叩くと、しっかりとリズムを刻み始めます。
こうなると、仏頂面が職人の顔に見えてくるから、面白いです。
バンド形態の場合、リズムを刻むパートがそれなりに演奏できていれば、メロディラインを奏でるパートがよほど酷くないかぎり聴けるものです。
ですから、この映画の場合、一番大変だったのが、ドラムとベース、ギターの3人だったろうと思います。ちなみに、この映画でのギターはリズムギターです。
同じ筋立てで、素人の集団から始まって、最後には観客を魅了する映画にフラガール(2006年)がある。
あらすじ/ストーリー/ネタバレ
東北地方の田舎町の山川高校。
夏休みのある日、13人の落ちこぼれ女子生徒たちは教室で数学の補習を受けていた。
高校野球予選の応援に行くため、ブラスバンド部員が次々とバスに乗り込んでいる。補習を受けている一人・鈴木友子が教室の窓から羨ましげに眺めていた。
さっきまでバスが停まっていた場所に、なぜかお弁当屋がやってくる。鈴木友子は高校野球予選の応援に行ったブラスバンド部の仕出し弁当が遅れて届いたことに気づき、弁当運びを口実に13人はまんまと補習を抜け出すことに成功する。
だが道中、弁当は長い時間炎天下に晒されてしまい、それを口にしたブラスバンドの生徒たちは、次々と腹痛を起こして入院する事態となった。
騒動はあったものの、野球部はなんとか次の試合へ勝ち進む。
だが、試合を盛り上げるブラスバンド部員たちは依然として回復せず。ただ一人、お弁当をつまみ食いされたために難を逃れた中村拓雄は、食あたりで倒れた吹奏楽部の代わりに、即席ブラスバンドを結成しようと試みる。
だが、編成に必要な25人は集まらず、参加したメンバーといえば、またもや補習をサボるために集まった13人と、リコーダーとギターとベースしか出来ない3人の計16人の女子高生。
意気消沈した拓雄だったが、ジャズレコードのジャケットをきっかけに、ビッグバンドジャズだったら17人でも演奏可能なことに気付く。
ブラスバンド部のトランペットやサックスなどの楽器が即席メンバーに貸し出され、猛特訓がはじまった。
最初は音を出すのも一苦労だった女子たちも、徐々にメロディーを奏ではじめ、どうにか「A列車で行こう」を演奏できるようになった。
だが、試合を明日に控え、やっと演奏の楽しさを知った矢先、吹奏楽部が復活。
17人の夏休みは、不完全燃焼のまま終わっていくのだった。
2学期。いつもと同じ、普通の生活に戻った彼女たちだったが、一度知ったスウィングの楽しさは忘れられるものではない。
途中、脱落者は出たものの、大奮闘の末に楽器をゲットした彼らは、隠れジャズマニアだった数学の小澤先生の指導の下、演奏も徐々に様になっていく…。
映画情報(題名・監督・俳優など)

スウィングガールズ
(2004年)
監督:矢口史靖
製作:亀山千広、島谷能成、森隆一
脚本:矢口史靖
音楽:ミッキー吉野、岸本ひろし
出演:
鈴木友子・テナーサックス/上野樹里
斉藤良江・トランペット/貫地谷しほり
関口香織・トロンボーン/本仮屋ユイカ
田中直美・ドラム/豊島由佳梨
中村拓雄・ピアノ/平岡祐太
山本由香・ベース/水田芙美子
渡辺弘美・ギター/関根香菜
小澤忠彦(数学教師)/竹中直人
伊丹弥生(音楽教師)/白石美帆
鈴木泰三(友子の父)/小日向文世
鈴木早苗(友子の母)/渡辺えり子
森下(音楽の先生)/谷啓
高志(自動車工場の工員)/眞島秀和
雄介(自動車工場の工員)/三上真史
同年に公開された映画
2004年に公開された主な映画は次の通りです。2003年末公開を含みます。日本国内映画興行収入の上位50位まで。
- ラスト サムライ 137億円 公開日2003/12/6
- ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 135億円 公開日2004/6/26
- ファインディング・ニモ 110億円 公開日2003/12/6
- ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 103.2億円 公開日2004/2/14
- 世界の中心で、愛をさけぶ 85億円 公開日2004/5/8
- スパイダーマン2 67億円 公開日2004/7/10
- デイ・アフター・トゥモロー 52億円 公開日2004/6/5
- いま、会いにゆきます 48億円 公開日2004/10/30
- 劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 裂空の訪問者デオキシス 43.8億円 公開日2004/7/17
- トロイ 42億円 公開日2004/5/22
- アイ,ロボット 37.5億円 公開日2004/9/18
- ホーンテッドマンション 34億円 公開日2004/4/24
- 映画ドラえもん のび太のワンニャン時空伝/Pa-Pa-Paザ☆ムービーパーマン タコDEポン!アシHAポン! 30.5億円 公開日2004/3/6
- ヴァン・ヘルシング 28億円 公開日2004/9/4
- 名探偵コナン 銀翼の奇術師(マジシャン) 28億円 公開日2004/4/17
- バイオハザードII アポカリプス 27億円 公開日2004/9/11
- シュレック2 25億円 公開日2004/7/24
- LOVERS 22.5億円 公開日2004/8/28
- クイール 22.2億円 公開日2004/3/13
- コラテラル 22億円 公開日2004/10/30
- スウィングガールズ 21.5億円 公開日2004/9/11 本作
- キング・アーサー 21億円 公開日2004/7/24
- NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE 19.3億円 公開日2004/8/28
- 半落ち 19億円 公開日2004/1/10
- ワンピース THE MOVIE 呪われた聖剣 18億円 公開日2004/3/6
- 華氏911 17.4億円 公開日2004/8/14
- 海猿 ウミザル 17.4億円 公開日2004/6/12
- ヴィレッジ 17億円 公開日2004/9/11
- ブラザー・ベア 16億円 公開日2004/3/13
- ラブ・アクチュアリー 15.5億円 公開日2004/2/7
- CASSHERN 15.3億円 公開日2004/4/24
- ブラザーフッド 15億円 公開日2004/6/26
- 着信アリ 15億円 公開日2004/1/17
- 劇場版 NARUTO-ナルト- 大活劇!雪姫忍法帖だってばよ!!/劇場版 NARUTO-ナルト- 木の葉の里の大うん動会 13.7億円 公開日2004/8/21
- リディック 13.6億円 公開日2004/8/7
- シービスケット 13.6億円 公開日2004/1/24
- パッション 13.4億円 公開日2004/5/1
- タイムライン 13億円 公開日2004/1/17
- ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS/劇場版とっとこハム太郎 ハムハムグランプリン オーロラ谷の奇跡 リボンちゃん危機一髪! 13億円 公開日2003/12/13
- 映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ 12.8億円 公開日2004/4/17
- スチームボーイ STEAMBOY 11.6億円 公開日2004/7/17
- キル・ビルVol.2 11億円 公開日2004/4/24
- ディープ・ブルー 11億円 公開日2004/7/17
- 解夏 10.9億円 公開日2004/1/17
- ポーラー・エクスプレス 10.5億円 公開日2004/11/27
- マスター・アンド・コマンダー 10.1億円 公開日2004/2/28
- ミスティック・リバー 10億円 公開日2004/1/10
- 恋愛適齢期 10億円 公開日2004/3/27
- サンダーバード 10億円 公開日2004/8/7
- イノセンス 10億円 公開日2004/3/6