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(映画)波止場(1954年)の感想とあらすじは?

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物語としては面白いですが、映画は脚本と役者と撮影と音楽がうまく絡まないといけないことを教えてくる映画でもあります。

この映画は音楽がいまいちです。いまいちというのは全然印象に残らないということです。

音楽担当はレナード・バーンスタイン。言わずと知れたクラシック界の巨匠です。指揮者として有名で、20世紀のクラシック界をけん引しました。作曲家としても知られ、有名なのは「ウェスト・サイド・ストーリー」です。ですが、この映画の音楽はいまひとつです。

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コメント

原罪

最後の場面、ぼこぼこにされたテリーがバリー神父に、一人で歩いて行け、一人で立ち向かっていけと言われて、倉庫へ向かっていく場面。

波止場に巣食う悪をテリーが一人で背負い、ぼこぼこにされ、倒れそうになりながらも前に進んでいく姿は、まるでキリストがゴルゴタの丘へ十字架を背負って歩いた姿を描いているのではないかと思ってしまいました。

そうした意図があるとしか思えないような場面です。

マーロン・ブランド

マーロン・ブランドは私にとってはゴッドファーザーのドン・ヴィトー・コルレオーネの印象が強いです。

本作を見ると、年齢が違うとはいえ、同じ役者かと思うくらい、演技が違います。マーロン・ブランドは癖のある役者だったそうですが、存在感はすごいです。いい役者だと思います。

鳩レース

この時代、鳩レースが盛んだったのでしょうか。今ではまず見かけることのない屋上の鳩舎が登場します。

映画のように大がかりな鳩舎があった時代があることは聞いたことはありますが、今もそうした鳩舎は存在しているのでしょうか。

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あらすじ/ストーリー

ジョーイの死

テリーは元プロボクサー。ボクサーを引退してニューヨークの波止場で働いている。

ある夜、テリーはマフィアのジョニーの命令で友人のジョーイを屋上へおびき出した。ジョーイのハトが迷子になったので届けに来たという触れ込みだった。

だが屋上へ呼び出されたジョーイは突き落とされて殺された。ジョーイは公聴会でジョニーの不正行為を証言する予定だったので消されたのだ。

何も殺さなくても・・・テリーはやるせない気持ちだったが、ジョニーには逆らえない。

ジョーイの妹イディ

波止場は組合が仕切っている。その組合を牛耳っているのはマフィアのジョニーだ。組合は波止場の仕事の権利を握り、労働者たちから賃金をかすめ取っていた。テリーの兄チャーリーはジョニーの右腕だった。

教師を目指しているジョーイの妹のイディが短大から帰省してきていた。イディは兄・ジョーイが殺されたことに納得できなかった。

イディはバリー神父にジョーイは殺されたのだと訴えた。

テリーのところへ警察がやってきた。警察は公聴会で証言するよう伝えるが、テリーは無視した。

バリー神父

バリー神父は波止場の労働者たちにジョニーの不正に立ち向かうように説得した。バリー神父の呼びかけに応じて教会に集まった波止場の労働者たち。

教会の周りを、ジョニーの手下が囲み、中にいるバリー神父たちを脅し、暴力をふるった。この騒ぎの中、テリーはイディを連れて逃げた。

バリー神父の説得に応じて、デューガンが勇気を出して警察に全てを話した。だが、公聴会での証言前日、デューガンは船からのウィスキーの運び出しの仕事の中で事故に見せかけ殺されてしまった。

祈りをささげに来たバリー神父はデューガンの亡骸の前で演説した。

テリーはバリー神父の演説を聞き、バリー神父に全てを話す決意をした。そして、バリー神父はテリーに真実をイディに話すように忠告した。

テリーから真実を聞いたイディは、ショックを受けて、その場から立ち去った。

兄チャーリー

テリーの動きが怪しいことにジョニーは不安を覚え、兄のチャーリーにテリーを説得するように命じた。チャーリーはは何とかテリーに翻意するように忠告するが、テリーは翻意しなかった。

チャーリーはテリーを殺すことができず、テリーと別れた。

テリーがイディのもとへ行くと、チャーリーが会いたがっているという伝言が外から聞こえた。不安に駆られたテリーは急いでチャーリーを探しに行くが、見つけたのは、路地裏に吊るされたチャーリーの死体だった。

テリーは銃を持って兄チャーリーの復讐へと向かったが、いつもの酒場にジョニーの姿はなかった。その酒場にバリー神父がやってきて、テリーに公聴会で証言するように説得された。

公聴会

テリーは公聴会でジョニーのジョーイ殺しを証言した。だが、波止場の仲間はそんなテリーを避けるようになった。テリーだけが仕事をもらえない。

テリーはジョニーたちのいる事務所へ乗り込んだ。ジョニーを罵倒するが、反撃にあい、袋叩きにされた。そんなテリーの姿を見て、波止場の仲間はテリーに着いた。そして、ジョニーの言葉にだれも耳を貸さなくなった。

映画情報(題名・監督・俳優など)

波止場
(1954年)

監督:エリア・カザン
製作:サム・スピーゲル
原作:バッド・シュールバーグ
脚本:バッド・シュールバーグ
撮影:ボリス・カウフマン
音楽:レナード・バーンスタイン

出演:
テリー/マーロン・ブランド
イディ/エヴァ・マリー・セイント
ジョニー/リー・J・コッブ
チャーリー/ロッド・スタイガー
バリー/カール・マルデン
ヂューガン/パット・ヘニング

映画賞など

アカデミー賞

  1. 作品賞
  2. 監督賞
  3. 主演男優賞
  4. 助演女優賞
  5. 脚本賞
  6. 撮影賞 (白黒部門)
  7. 美術監督賞 (白黒部門)
  8. 編集賞

英国アカデミー賞

  1. 最優秀外国男優賞

ゴールデングローブ賞

  1. 作品賞 (ドラマ部門)
  2. 監督賞:エリア・カザン
  3. 主演男優賞 (ドラマ部門)
  4. 撮影賞 (白黒部門)

ニューヨーク映画批評家協会賞

  1. 作品賞
  2. 監督賞
  3. 主演男優賞

映画100選

  1. 米Yahoo! 死ぬ前に見たい映画100 2009年版
  2. AFI選 偉大なアメリカ映画ベスト100 2007年版
  3. AFI選 偉大なアメリカ映画ベスト100 1998年版

AFI選 映画スターベスト

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