記事内に広告が含まれています

(映画)ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(2012年)の考察と感想とあらすじは?

この記事は約3分で読めます。

あなたは、どちらの話を信じますか?

ブッカー賞に輝いたヤン・マーテルの世界的ベストセラー小説を映画化。

映画は第85回アカデミー賞で11部門ノミネートし、監督賞、作曲賞、撮影賞、視覚効果賞の最多4部門を受賞しました。

前半は冒険譚ですが、最後の数十分ですべてがメタファーだったのかも?という疑念にとらわれ、走馬灯のように話のあらすじを思い出すことになります。

小説のネタを探していたカナダ人作家は、パイ・パテルというインド人男性を訪ね、彼の語る驚愕の冒険譚を聞きます。

インドのボンディシェリで動物園を営む一家が、パイが16歳となったとき、インドからカナダへ移住するところからは冒険は始まります。

大海原で嵐に巻き込まれ、家族を失った一人の少年。

小さな救命ボートに乗り合わせたのは、オランウータン、ハイエナ、シマウマ、ベンガルトラ。ベンガルトラの「リチャード・パーカー」は少年・パイが昔から知っているトラです。

漂流の中でパイはリチャード・パーカーと折り合いをつけていく方法を探っていきます。

そして、漂流生活の中では、数々の不思議な出来事に遭遇します。

きれいに光る海。ザトウクジラのジャンプ。そして、ミーアキャットがたくさんいる不思議な島…。

いずれも映像は美しいです。

ですが、漂流生活も長くなり、パイもリチャード・パーカーも衰弱していきます。

そして、ようやく砂浜にたどり着き、漂流生活から解放された二人。

ここまでは、単なる冒険譚です。

ですが、そのあと、パイが語るもう一つの物語を聞くと、すべての解釈ががらりと変わっていきます。

オランウータン、ハイエナ、シマウマ、ベンガルトラ…。それらはすべてメタファーだったとしたら。

オランウータンがパイの母、ハイエナはコック、シマウマは船員、そしてベンガルトラはパイ。

全てを置き換えて見直してみると、残酷な物語が小舟の上で繰り広げられたことになるということです。

となると、漂流から解放された瞬間、何の別れもせずに去って行ったリチャード・パーカーは、心の中の猛獣が去って行ったということなのでしょうか。

解釈、ということでいえば、漂流の中で見せた数々の出来事にも意味があるということになります。

光る海、ザトウクジラのジャンプ、そして、人食い島。

ミーアキャットの大群と人食い島はいったい何のメタファーなのでしょうか。

いや、そもそも、そのように小難しく考えなくてもよいのかもしれません。

パイも言っているではないでうか。あなたは、どっちの話を信じますか?

もちろん、私は最初の話を信じます。

なぜなら、後の話は、あまりにも悲しくて、絶望的だからです。

この年に公開された映画やドラマを下に方に載せておりますので、ご参考になさってください。

映画情報(題名・監督・俳優など)

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
(2012年)
監督:アン・リー
原作:ヤン・マーテル『パイの物語』(竹書房刊)
音楽:マイケル・ダナ

出演:
パイ・パテル(少年)/スラージ・シャルマ
パイ・パテル(成人)/イルファン・カーン
サントッシュ・パテル/アディル・フセイン
ジータ・パテル/タブー
カナダ人ライター/レイフ・スポール
コック/ジェラール・ドパルデュー

2012年前後の興行収入ランキング

歴代の興行収入ランキング

  1. 日本歴代興行収入ランキング(Top100)
  2. 世界歴代興行収入ランキング(Top200)

2012年公開の映画

(映画)のぼうの城(2012年)の考察と感想とあらすじは?

まず、原作の方が面白い。とはいえ、ほぼ原作通り。次に、原作は映像化を意識して書かれていたはずなのに、その面白さが映画に反映されていない。不思議である。

(映画)トワイライト・サーガ4ブレイキング・ドーンPart2(2012年)の考察と感想とあらすじは?

シリーズ5作目。完結編。一種の反則技だと思う。推理小説でいえば、主人公が実は犯人だったというオチのようなものだ。

(映画)テルマエ・ロマエ(2012年)の考察と感想とあらすじは?

五賢帝のハドリアヌス帝の時代が舞台。ハドリアヌス帝とは、プブリウス・アエリウス・トラヤヌス・ハドリアヌスで、第14代ローマ皇帝、ネルウァ=アントニヌス朝の第3代目皇帝である

(映画)レ・ミゼラブル(2012年)の考察と感想とあらすじは?

まさにミュージカル映画!音楽というものの力強さを堪能できる映画である。多くのミュージカル映画は、セリフが入って、歌が入る、というのを交互に繰り返すが、本作品は全編が音楽で彩られて物語が進んでいく。

(映画)テッド(2012年)の考察と感想とあらすじは?

ちょいワルおやじのというよりは、単なるワルおやじになってしまった可愛らしいテディベアを主人公としている。 言葉をしゃべるテディベアなので、本来はファンタジー要素が強いはずだが

(ドラマ)SHERLOCK/シャーロック第5話 バスカヴィルの犬(ハウンド) (シリーズ2第2話)の考察と感想とあらすじは?

バスカヴィル家の犬 "The Hound of the Baskervilles"を下敷きとしている。第4話では恋するシャーロックが描かれているが、第5話では恐怖するシャーロックが描かれる。

(映画)タイタンの逆襲(2012年)の考察と感想とあらすじは?

「タイタンの戦い」の続編。前作から10年後の世界を舞台に、再び神々の戦いに巻き込まれた勇者ペルセウスの活躍を描く。主演は前作同様にサム・ワーシントン。

(映画)あなたへ(2012年)の考察と感想とあらすじは?

鑑賞後の余韻は「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」に通ずるものがある。きっと、もう一回見たくなると思う。ゆるやかに流れる映画であるが、大河のような懐の大きさを感じさせる映画である。

(ドラマ)SHERLOCK/シャーロック第6話 ライヘンバッハ・ヒーロー (シリーズ2第3話)の考察と感想とあらすじは?

最後の事件 "The Final Problem"を下敷きとしている。「最後の事件」はシャーロック・ホームズの最後の物語となっている。宿敵ジェームズ・モリアーティ教授との最後の戦いの場でもある。

(映画)おおかみこどもの雨と雪(2012年)の考察と感想とあらすじは?

絶滅した日本オオカミ。そのオオカミと人間のハーフ。人間として生きていくのか、オオカミとして生きていくのか。テーマは「親子」ということであるが、自然との共生もテーマの一つなのだろう。

(映画)スノー・ホワイト(2012年)の考察と感想とあらすじは?

いわゆる「白雪姫」。ただし、ディズニーの白雪姫を想像していると、全くの別物である。また、原作のグリム童話とも異なっている。ファンタジー系の、つまりは「ロード・オブ・ザ・リング」系の色合いのファンタジー映画になっている。

(映画)天地明察(2012年)の考察と感想とあらすじは?

原作は冲方丁の2010年本屋大賞受賞の同名小説。主人公は安井算哲、のちに改名して渋川春海となる人物で、初代幕府天文方となる。安井算哲が改暦に挑む姿を描いている。

(映画)ホビット1思いがけない冒険(2012年)の考察と感想とあらすじは?

「ロード・オブ・ザ・リング」の主人公・フロドの養父・ビルボ・バギンズが主人公。ビルボの111歳の誕生日。物語を書いていた。60年前、若かりしビルボの体験した冒険談である。

(映画)クラウド アトラス(2012年)の考察と感想とあらすじは?

六道の世界に生と死を何度も繰り返して、さまよい続けるのが、六道輪廻。最後はそこからの解脱。六つの世界つまりは、六道である地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上を生きること。この六道を転生しているのがトム・ハンクス演じる役たちではないだろうか。

(映画)007 スカイフォール(2012年)の考察と感想とあらすじは?

007シリーズ23作目。本作品の舞台となるいくつかの場所。デッドシティだが、長崎県の端島、通称「軍艦島」がモデルとなっている。そして、スコットランド。なんとも陰鬱で寒々しい光景は、スコットランドへのイメージそのものである。

(映画)大統領の料理人(2012年)の考察と感想とあらすじは?

2012年のフランスの伝記映画。「エリゼ宮殿」(フランス大統領官邸)に史上初の女性料理人として1980年代に2年間働いていたダニエル・デルプシュをモデルとしている。当時の大統領はフランソワ・ミッテラン仏大統領だった。

(ドラマ)SHERLOCK/シャーロック第4話 ベルグレービアの醜聞 (シリーズ2第1話)の考察と感想とあらすじは?

ボヘミアの醜聞 "A Scandal in Bohemia"を下敷きとしている。ボヘミアの醜聞 では結婚して開業医にもどっているワトソンが久しぶりにホームズを訪ねるところから始まる。

(ドラマ)ゲーム・オブ・スローンズ シーズン2全10話の考察と感想とあらすじは?

七王国中に王が乱立し始め、鉄の玉座を巡る争いが本格化し始める。ジョフリー・バラシオンが鉄の玉座に座り、残酷な本性を見せ始める。ジョフリーのモデルになったのは、ローマ時代の悪名高き皇帝カリギュラだという。

タイトルとURLをコピーしました