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(映画)天空の城ラピュタ(1986年)の感想とあらすじは?

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「ラピュタ」はスウィフトの「ガリバー旅行記」に登場する架空の空に浮かぶ島です。

「ガリバー旅行記」にはいくつもの逸話が収録されていますが、そのすべてが風刺でです。有名なのは小人の国の部分でしょう。

「ガリバー旅行記」は、不朽の風刺文学の一つとして有名であり、かつ、最高の政治学入門書の一つとしても知られています。

風刺文学は、書かれた時代の背景をわかっていないと、何を風刺しているのかがわかりませんが、「ガリバー旅行記」は風刺小説であるにもかかわらず、ファンタジー色の強い小説のため、時代背景を知らないでも面白く読めます。

そのため、風刺小説というよりはファンタジー小説として読んでいる人の方が多い小説だと思います。

「ガリバー旅行記」では、法における判例上の対立、数理哲学、不死の追求、男性性、動物を含めた弱者の権利など、今日において数多く議論されている問題点が書かれています。

それでは、「ガリバー旅行記」でのラピュタは何を風刺しているのでしょうか。

ラピュタに住む全市民は科学者です。住民は常に科学について沈思黙考しており、空に浮かぶラピュタ同様に、いつも上の空です。

そのため、正気に戻る為に「叩き役」を連れて頭を叩かせています。

ラピュタで批判しているのは、科学における啓蒙主義運動です。スウィフトはラピュタ人の科学は学問のための学問に過ぎずないと批判しました。

科学は人類に貢献すべきであり、直接に人類に貢献しない仮説的な科学知識は無用の学問であるということなのです。

この批判を前提に、当時の時代背景を読み解くと、ラピュタで書かれているのは、王立協会への痛烈な風刺と、ニュートンへの皮肉であるとされます。

象牙の塔という言葉があります。実学に供しない無用の存在にもかかわらず、象牙のように高価でお高くとまっている学者の世界を皮肉った言葉です。

スウィフトの時代から、メンタリティは変わっていないということでしょうか。

さて、映画でのラピュタはというと、その科学で世界を支配しましたが、その科学ゆえに滅びました。

絶対的な兵器を持ちながらも、空を捨て、地に降りたのです。

行き過ぎた科学や兵器に対してのアンチテーゼは宮崎駿監督の生涯のテーマの一つであるようです。

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コメント

モールス信号

映画の中でモールス信号が4回発信されました。

1回目は、ムスカがシータに殴られて気絶してしまったので、モールス信号で意味のある信号は発信されませんでした。

2〜4回目は、パズーの家を襲撃してきたドーラ一家に捕まった場面です。

  1. ドーラがゴリアテから傍受した信号:Fidelity(忠実な)
  2. ゴリアテに映像が変わった際に発信されていた信号:Manufacture(制作)
  3. ゴリアテの動きに警戒を持ったときに受信していた信号:Studio(スタジオ)

3つをつなげると、忠実な制作スタジオとなり、スタジオジブリを表しています。

ラピュタのモデル「ベンメリア遺跡」

本作のラピュタのモデルと言われるカンボジア「ベンメリア遺跡」は、写真で見る限り、たしかにそっくりです。

ベンメリア遺跡とは、東南アジアの国「カンボジア」にある遺跡のこと。
カンボジアといえばアンコールワットですが、実は旅好きに密かに人気なのはこちらのベンメリア遺跡。
ジブリの名作「天空の城ラピュタ」のモデルとなっていることでも有名であの巨神兵が歩いていた町並みを思い出します。

https://retrip.jp/articles/4453/

宮崎駿関係アニメ(一部)

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あらすじ/ストーリー/ネタバレ

飛行船の中

黒メガネをかけた男たちに捕われている少女がいた。

そこに、女海賊のドーラを首領とするドーラ一味が乗り込んで来た。

狙いは一つ。少女の持つネックレス。

飛行船での戦いの中で、少女は窓から船外に逃げだす。

だが、足を踏み外して、飛行船から落ちてしまった。

スラッグ渓谷にある鉱山町

空から降ってきた青白い光を放つ少女を見た見習い機械工のパズーが、後を追いかけた。

ゆっくりと降りてくる少女を抱えると、胸のペンダントの青白い光は消えた。

パズーは少女を自分の家で寝かしつけた。

翌朝、パズーの家で目を覚ました少女はシータと名乗った。

シータはパズーの家にある写真に魅入っていた。

パズーはシータに話した。自分の死んだ父親が見たという伝説の島ラピュタのことを。写真はラピュタを写したものだ。

パズーはラピュタを信じてもらえず死んだ父の汚名をはらすため、いつの日かラピュタを見つけたいと思っていた。

ドーラ一味と黒メガネの男たち

鉱山町にドーラ一味が乗り込んで来た。

パズーはシータを連れ、坑内機関車で逃げだす。

すると、今度は黒メガネの男たちが国防軍の装甲列車で現われた。

逃げるパズーとシータは線路を支えていた橋が崩れて炭鉱の谷底へ落ちていく。

だが、シータのペンダントが再び青白い光を放ちはじめた。

二人の身体は空中に浮きながら、ゆっくりと地底に降りた。

廃坑の底

二人は深い廃坑の底で鉱山師のポムじいさんに出会った。

ポムじいさんはペンダントの石が飛行石だという。

最近鉱山の石が騒いでいた理由がわかったとじいさんが語った。

ムスカ大佐

地上に出た二人は、黒メガネの男たちに捕われてしまった。

パズーは地下牢に閉じ込められた。

一方のシータは軍のムスカ大佐に連れられ、空から降って来たラピュタの紋章の刻まれたロボットを見せられた。

その紋章はシータが持っているペンダントに刻まれていたものと一緒だった。

ムスカ大佐はシータの別の名前を知っていた。

それは、シータがペンダントを譲られた時に授けられた名前のことだった。

シータの本当の名はリュシータ・トエル・ウル・ラピュタ。ラピュタ王国の正統な王女の系譜だった。

ラピュタ王国の王位継承者

パズーは釈放された。

だが、納得がいかないまま、鉱山町に戻ってきた。

ムスカ大佐はシータにラピュタの位置を示す呪文を教えるよう迫った。

だが、シータはそんな呪文は知らない。そもそも自分がラピュタ王国の王女なんていう話が信じられない。

ラピュタへの道しるべ

夜。シータは昔のことを思い出していた。

それは幼い頃に祖母に教わったおまじないだった。

困った時に唱えなさいといわれたものだった。

そのおまじないをつぶやくと、胸のペンダントが強い青白い光を放ち、まっすぐ天の一点を指した。

それはラピュタのある方角だった。

同時に壊れたと思われていたロボットが動き出した。

ロボットは軍の施設を破壊し始め、シータに迫る。ロボットはシータを守ろうとしていた。

ラピュタを目指す

一方で、釈放されたパズーはドーラ一味と共にシータ奪還に動き始めた。

そして、シータを救け出した。

そのまま一味は政府軍を追いかけた。ラピュタを目指したのだ。

パズーとシータが見張り台に立った。

見張り台は切り離して凧のようになる。

ドーラは母船から見張り台を切り離した。

巨大な雲の中は嵐だった。嵐に巻き込まれたパズーとシータ。

ラピュタに着く

目を覚ますと、そこには美しい花畑が広がっていた。ラピュタだった。

一台のロボットがやってきた。

パズーとシータの乗っていた凧をどかした。下に小鳥の巣があったのだ。

ロボットが戻っていく。

二人がついていくと、そこには無数のロボットたちが。

そして、墓には花が手向けられていた。

ラピュタの真の力

政府軍たちが上陸してきた。そして、ドーラ一味も上陸していたが、皆捕らわれていた。

助けに行こうとするパズーとシータ。

その途中でシータは再びムスカ大佐に捕えられてしまう。

パズーは縄に縛りつけられたドーラたちを助け、シータ救出に向かった。

シータを連れたムスカ大佐はラピュタの中枢部にいた。

彼はシータに、自分もラピュタの王家の一族のひとりだと告げる。

ラピュタは超科学兵器をもっており、かつて全世界を支配していた。

ムスカはそれを復活させ、王として君臨しようともくろんでいた。

シータを助けにパズーが現れた。

ムスカは二人に少しの時間の猶予を与えた。

時間切れだ。

二人は、呪文を唱えた。

バルス!!!

それはラピュタの滅びの呪文だった…。

映画情報(題名・監督・俳優など)

天空の城ラピュタ
(1986年)

監督:宮崎駿
プロデューサー:高畑勲
原作:宮崎駿
脚本:宮崎駿
音楽:久石譲
歌:井上杏美

声の出演:
パズー/田中真弓
シータ/横沢啓子
ドーラ/初井言榮
ムスカ/寺田農
ポムじい/常田富士男
将軍/永井一郎
親方/糸博
おかみ/鷲尾真知子
シャルル/神山卓三
ルイ/安原義人
アンリ/亀山助清
老技師/槐柳二
マッジ/TARAKO

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