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(映画)シェーン(1953年)の感想とあらすじは?

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公開時のうたい文句が早撃ちのスピード。「0.5秒」でした。フィルムの分析では0.3秒と判明したので、さらに早かったようです。

そして、映画の最後「シェーン!! カムバック!!」というセリフはあまりにも有名です。

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コメント

時代背景

南北戦争後、アメリカ政府は西部開拓を積極的に進める推進策を打ち出しました。ホームステッド法と言われるものです。

ホームステッド法では、入植した農民が5年間耕作すると無償で一定の土地が得られます。そのおかげで、各地で争いが生じたようです。

映画は「ジョンソン郡戦争」を背景としています。

ホームステッド法はワイオミング州に先に住んでいた牧畜業を営んでいた人々にとっては迷惑な話でした。

合法的とはいえ、牛たちが利用できていた土地が、次々に農地となり、土地を奪われていったからです。

貧しい農民の中には牧場から牛を盗む者もいたようです。そこで大手の牧畜業者は、自警団を組織します。ならず者たちを中心に組織して、移住者たちの抹殺を計画したというのです。

このままでは、ジョンソン郡を舞台にした戦争が始まるところでしたが、政府が軍隊を派遣して戦闘には至りませんでした。

この映画におけるシェーンの立ち位置の解釈はいろいろあるでしょうが、「ジョンソン郡戦争」を背景にしているとすると、介入をして戦闘を回避させた政府の立ち位置と同じくすることになります。

ですから、クールで第三者的な、一歩引いた立ち位置でいたのでしょう。

悪役

ウォルター・ジャック・パランス演じるウィルソンの存在感がすごいです。椿三十郎の仲代達矢並の悪役の存在感です。

ウォルター・ジャック・パランスは本作でアカデミー助演男優賞にノミネートされ、世界中から注目されるようになりました。

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あらすじ/ストーリー

流れ者

ワイオミング州の西部に広がる高原。グランドティートン山が前にそびえ立っているジョンソン郡の開拓地。初夏。

少年ジョーイは鹿に狙いを定めて銃の練習をしていた。ジョーイの視界に馬に乗った男の姿が入ってきた。すぐに家に戻り、人がやってきたことを告げた。

ジョー・スターレットはライカ―一家かと思ったが、流れ者のガンマンのようだ。だが、油断はできない。流れ者はシェーンと言った。シェーンは飲み水をわけてもらうと去るつもりだった。

ワイオミング州

ここでは牧畜業者と開拓農民とがいがみ合っていた。この土地では従来からの権利を主張する牧畜業者のライカー一家と開拓農民たちが対立していた。開拓者が来る前に、先住民族と戦い、この土地を今の様にしたのは自分達だとライカーは主張している。

すると、ライカー一家がやってきて、土地の権利について文句をつけた。ジョーが法律の事を持ち出しても、ライカーは聞く耳を持たなかった。シェーンはその様子を静かに見ていた。

シェーンが彼らを追い払うことに、一役買うと、ジョー・スターレットは夕食へ招待し、泊っていかないかと誘った。何かあったときの助勢になるという思いもあったからだ。最近、ライカ―一家からの嫌がらせがひどくなってきている。夕飯はジョーの妻マリアンが用意をしていた。

ジョーはライカー一家に悩まされているので、一緒に働いてくれないかとシェーンに頼んだ。ライカーの嫌がらせは日に日にエスカレートしており、護衛役も欲しかった。シェーンは引き受け、しばらくこの家に留まるつもりになった。

シェーンはジョー・スターレットの息子ジョーイと仲良くなった。ジョーイはシェーンに憧れを抱くようになった。

グラフトンの店

翌日、シェーンがグラフトンの店でのお使いを頼まれて町へ向かった。店は小さな町にある唯一の商店で、日用品を売る雑貨屋の隣で酒場も営んでいた。シェーンは針金を受取るついでに自分の作業服も買った。

ジョーイに頼まれたソーダ水を買うため隣接する酒場に入ると、そこはライカ―一家の溜まり場だった。ライカーの手下のクリスは、よそ者のシェーンが気に入らない。シェーンをさんざん侮辱したが、シェーンはそれを意に介さず、去った。ライカ―の手下達はその様子から、シェーンは臆病風に吹かれたと思った。

その晩、スターレットの家に、開拓農民仲間の7人が集会を開いた。ライカーの嫌がらせに耐えられなくなったアーニーが、この土地から出て行こうとしていたからだ。

南北戦争での武勇伝が自慢のトーリーが、町でのシェーンの噂を聞いてきた。クリスがシェーンを臆病な腰抜けだと言いふらしるのだった。スターレットやマリアンは、シェーンが抵抗しなかったのには理由があると考えていたが、誰もシェーンの腕を見たことがなかった。

乱闘

開拓農民たちはひどくなるライカ―一家の嫌がらせのため、町になかなか行けなかった。週末、入植者たちは家族もつれて、皆で買出しに行こうということになった。

ソーダ水を買うため酒場へ行こうとしたジョーイを見て、シェーンは自分が代わりに行くと言って酒場へ入った。前のことで図に乗ったクリスは再びシェーンを罵倒し、酒場から追い出そうとする。だが、今度はシェーンがライカ―一家に喧嘩を売った。数で負けるシェーンは徐々に押されるようになった。そこにジョーが加勢し、ライカー一家を叩きのめし、最後は店主のグラフトンが仲裁に入り、シェーンたちに君らの勝ちだと告げた。

不気味な男

不気味な男が酒場に入ってきた。ウィルスンという男で、ライカ―がシャイアンから呼び寄せた。殺し屋だ。ライカ―は力ずくで農民たちを追い出すつもりだった。

独立記念日。ライカーの嫌がらせはエスタレートしていたが、開拓農民たちは独立記念日を祝っていた。町へ酒を買いに行ったトーリーは、酒場に二丁拳銃の新顔がいるのを目にした。

独立記念日は、ジョーとマリアンの結婚記念日でもあった。結婚10周年を迎えた夫婦は、仲間に祝福され、幸せそうにキスをする。

夜遅くに帰宅したスターレットの一家を、ライカーの一味が待ち構えていた。ライカーは手ごわいスターレットを、仲間に引き入れようとする。しかしスターレットはそれを断った。

仲間の死

仲間に付き合って町へ出たトーリーは、ウィルスンの挑発に乗り、撃ち殺された。決闘に持ち込み、トーリーに銃を抜かせるのが目的だった。トーリーが先に銃を抜いたので、ウィルソンは罪に問われない。ウィルスンは早撃ちに自身があった。そして、その目論見が当たった。

これを知った開拓農民仲間の中には、土地を捨てて立ち去ろうとする者が出てきた。ジョー・スターレットは立ち向かうことを主張した。そして、すくなくともトーリーの葬式だけは済ませていけと告げた。

トーリーの葬儀の場で、土地を捨てて去ろうというルイスの家が焼き払された。ライカ―にしてみればいなくなるのだから、焼いても一緒だということだった。

対決

ライカーがジョーに話し合おうと呼びかけてきた。ジョーは千載一遇のチャンスだと思った。これで片を付けられる。ジョーは仲間のために命を捨てる覚悟を決めた。

ライカーやウィルソンのやり方に嫌気がさしていたクリスは、密かにシェーンを訪ね、ライカーの企みを密告する。

銃を持って酒場に行こうとするジョーをマリアンは必死でいかせまいとした。罠に決まっている。そこにシェーンが流れ者の姿に戻って現れた。ジョーを殴って気絶さ、一人でライカーのところへ向かった。あとをジョーイが愛犬とともに追いかけた。

シェーンは酒場でライカーやウィルスンを早撃ちで倒した。ライカーの弟が2階からシェーンを狙っている。それに気がついたジョーイはとっさにシェーンに声をかけた。シェーンがライカーの弟を仕留めたが、シェーンもまた脇腹を撃たれていた。

ジョーイは怪我をしたシェーンを心配して一緒に家に帰ろうと呼びかけるが、シェーンはできないと断った。人を殺してしまえば、もう元には戻れない。ジョーイにまっすぐで強い男になれとだけ言って、シェーンは馬に跨りワイオミングの山へと去っていった。

ジョーイはシェーンに向かって「シェーン!! カムバック!!」と叫んだ…。

映画情報(題名・監督・俳優など)

シェーン
(1953年)

監督 / ジョージ・スティーヴンス
製作 / ジョージ・スティーヴンス
原作 / ジャック・シェーファー
脚本 / A・B・ガスリー・Jr
撮影 / ロイヤル・グリッグス
特殊効果 / ゴードン・ジェニングス
編集 / ウィリアム・ホーンベック
音楽 / ヴィクター・ヤング

出演
シェーン / アラン・ラッド
ジョー・スターレット / ヴァン・ヘフリン
マリアン・スターレット / ジーン・アーサー
ジョーイ・スターレット / ブランドン・デ・ワイルド
ウィルソン / ウォルター・ジャック・パランス
ライカー / エミール・メイヤー

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