(映画)駆込み女と駆出し男(2015年)の考察と感想とあらすじは?

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久々に面白い時代劇を見ました。原作は短編小説ですが、それを組み合わせて上手に構成しています。

なによりも俳優陣がよかったです。演出・脚本の中途半端感があるなか、俳優陣に助けられた映画です。

感想/コメント

べったべった、だんだん

涙なしに見られないシーン

秀逸は、満島ひかり演じるお吟が労咳(結核)療養のため、東慶寺の山門をくぐるシーンでした。

戸田恵梨香演じるじょごが、痩せ衰えたお吟を背負い、門まで行きます。

門で待っていた大泉洋演じる中村信次郎に背負われて去っていきます。

お吟は、弱々しく振り返り、手も弱々しく上げるのがやっと。

ですが、渾身の力を振り絞って別れを言います。

「わたしの妹!!・・・べったべった、だんだん!」

お吟は最後までじょごを見つめることができず、嗚咽して別れの言葉を述べます。

このシーンほど、胸に突き刺さるシーンは最近見たことがありませんでした。

お吟とじょごは実の姉妹ではありません。

ですが、東慶寺での生活の中で、二人の気持ちは通じあい、姉妹のようになったのです。

山門での別れは、二人にとって永遠の分かれです。

二人にはそれが分かっています。

ですから、このセリフは、姉から妹へ、強く生きよという、強い想いを込めた言葉でもあるのです。

力を込めた科白には、まさに、万感の思いがこもっていました。

この映画における満島ひかりの演技は飛び抜けていますが、このワンシーンは、その中でも最高の一瞬です。

べったべっただんだんの意味

「べったべっただんだん」というのは、出雲弁で「いつもいつもありがとう」という意味です。

じょごは鎌倉の七里ヶ浜に住む鉄練の職人ですが、祖父の 風の金兵衛が出雲出身という設定のため方言が強いという設定のようです。

俳優陣がよかった

主演の大泉洋、戸田恵梨香も良かったですが、御用宿・柏屋の面々も素晴らしかったです。

なによりも御用宿の柏屋のシーンと、東慶寺のシーンとで、異なるタイプの俳優が配置されていたのがよかったです。

キャスティングのミスマッチがまったくと言っていいほどない映画でした。

東慶寺でいえば法秀尼演じた陽月華がよかったです。

何というか、映画「武士の一分」で壇れいを見たときのインパクトと同じ感じを受けました。

へぇ、こういう女優さんがいるんだぁ、と久しぶりに思いました。

法秀尼のキャラクター設定にもマッチしています。

頑固で、規律に厳しいので、堅物かと思いきや、諧謔に富んだ一面もあります。

凛としているようでいて、いたずら心がある演技を上手くこなしていました。

「院代」

法秀尼は「院代」と呼ばれています。

本来は住持が置かれるはずなのですが、格式等によって住持が置かれなくなり、その代わり、事実上のトップとして院代が置かれたようです。

法秀尼は水戸藩の姫ですが、御三家の姫ですら院代にしかなれないというのが、東慶寺の特殊な格式ということです。

院代になったのが1808年(文化5年)です。

(映画)武士の一分(2006年)の考察と感想とあらすじは?
山田洋次監督による藤沢周平の作品を原作とする、「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」に続く第3弾です。前2作に比べると、小ぶりな印象を否めませんし、泣けませんが、原作にはかなり忠実に描かれているように思います。

中途半端感あるものの面白い!

俳優陣に関しては何の文句もありません。間違いない配役でした。

ですが、脚本、というよりは監督の演出上の場面カットの仕方と、設定紹介の端折り方が残念です。

シーンの結末がきっちりとは描かれずに、取り散らかしたように場面がつながっていくからです。

本当は長い映画だったのでしょうが、だいぶ場面をカットしたように思えます。

そうなのだとしたら、ディレクターズカットを見てみたいと思います。

舞台となっている時代

劇中で市川團十郎が江戸処払いとなったという説明がありました。

その折に市川團十郎は成田でひっそりと暮らしていました。

それが「延命院旧跡」です。

この年に公開された映画やドラマを下に方に載せておりますので、ご参考になさってください。

ロケ地

鎌倉の東慶寺が舞台ですが撮影は別の場所です。そもそも鎌倉で撮られていません。

東慶寺のロケ地

東慶寺は兵庫の「書寫山圓教寺」など、滋賀県や京都府などの関西で撮影されました。

駆込みが成就するシーンの東慶寺の御門は「園城寺(三井寺)」が使われました。

この寺は映画「柘榴坂の仇討」でも使われました。

「柘榴坂の仇討」では井伊直弼の墓があるという設定でした。

東慶寺の中門は「百済寺」、東慶寺の中や回廊は「西教寺」が使われています。

実際の「東慶寺」の風景

佐助稲荷のロケ地

信次郎と重蔵が話している佐助稲荷は京都の伏見稲荷大社の奥の院参道が使われています。

佐助稲荷も鳥居が多いのですが、奥の院参道とは並び方が違います。

その他のロケ地

その他のロケ地は次のとおりです。

  • 曲亭馬琴の家には「教林坊」
  • 堀切屋の地下蔵には「芙蓉園 本館」
  • 田の中勘助の奉納稽古には「油日神社」
  • お吟の荷下ろしシーンには「八幡堀」
  • 堀切屋には「鴻池新田会所」

あらすじ/ストーリー

お吟

江戸時代。天保十二年(1841)。天保の改革。

江戸の日本橋唐物問屋では荷卸しが行われていた。

女将のお吟は荷卸しの差配をしながらも、新作戯作本を楽しみにしている。

特に曲亭馬琴の南総里見八犬伝を楽しみにしていた。

だが、質素倹約令の発令により、戯作本の表紙も地味なものになっていた。

主の堀切屋三郎衛門が宴会を開いていた。

お吟はそこへ顔を出しに行った。

そして、荷卸しの様子を見に帰るために店を出た。

だが、お吟は唐物問屋には戻るそぶりがない。

駕籠かきを呼び寄せて、江戸を離れようとしていた。

向かう先は鎌倉の東慶寺。縁切り寺として知られる寺である。

じょご

七里ヶ浜。浜鉄屋の鉄練り職人・じょごはたたら場で働いているせいで顔に火ぶくれができている。だが、夫の重蔵は仕事もせずに愛人宅に入り浸っている。

じょごは重蔵に戻ってきて仕事をしてくれと頼みに行くが、断られた。

意を決したじょごは、離縁してくれと切り出したが、浜鉄屋はじょごで持っていることを身に染みてわかっている重蔵はそれを絶対に認めない。

そして、暴力までふるわれ、人三化七と罵られた。

帰り道、じょごはお地蔵さんの前で、己の進む道を占った。そして、東慶寺へ行く決意をした。

じょごとお吟

東慶寺に向かう途中、足をくじいたお吟と出会った。

駕籠かきに襲われ、大立ち回りを演じて、駕籠かきを追い払ったものの、足をくじいたのだという。

お吟はじょごに東慶寺で連れて行ってくれと頼んだ。

行先は一緒だ。じょごはお吟を荷車に乗せて引いていった。

東慶寺の門前。

御用宿の柏屋の番頭・利平がじょごとお吟の姿を確認した。

駆け込みだ。だが、二人は追われているようだ。

実際、二人の後ろから網笠をかぶった男が追いかけてきた。

荷車が壊れた。

お吟は必死で東慶寺を目指した。だが、追いつかれそうだ。

じょごがお吟の巾着を門の中に放り込んだ。駆け込み成就。

追いかけてきた男はじょごが殴り倒して伸びていた。

駆け込み成就

駆け込みが成就すると、御用宿で聞き取り調査が行われる。お吟とじょごは御用宿・柏屋で聞き取りが行われた。

じょごに殴り倒された男は、柏屋の主人・源兵衛の甥・信次郎だった。

信次郎は見習い医者でありながら、駆出し戯作者でもある、

いつかは曲亭馬琴のような戯作を書きたいと思っている信次郎にとって、御用宿は資料の宝庫だった。

人と人の複雑な人間関係が記録されているからだ。

お吟の聞き取りは源兵衛が行った。

お吟は堀切屋の囲われ者だ。堀切屋がどうやって身上を築いたのかが分からない。

もしかしたら数多くの人を殺めたのではないかと思い、一緒にいるのが怖くなったのだという。

じょごの聞き取りはすぐには始まらなかった。じょごの口が重いからだ。

それに信次郎はじょごの顔の火ぶくれが気になって仕方がない。治療を勝手に申し出るが、じょごはきつく抵抗した。

やがて、少しづつじょごも口を開くようになった。

聞き取りが終わり、源兵衛は東慶寺に入山するまでの流れを説明した。

駆込み人の親元もしくは名主、夫方にそれぞれ飛脚をたてて呼出しをし、離縁が成立すれば示談となる。

だが、成立しなければ東慶寺に行くことになる。東慶寺にいる期間は二年間。

二年間の修行が済めば夫方は必ず離婚状を書かなければならない。

入山には格付け料が必要で、最高位は上臈衆格、第二位に御茶間格、一番下は御半下格。

格は金次第。お吟は金を持ってきていたので上臈衆格、じょごは雑用を担当する御半下格に入ることになった。

信次郎とじょご

信次郎はじょごの右半分の顔のやけどの傷を治療したくてうずうずしている。

信次郎はじょごを説得した。顔の傷を治すこと。でないと、顔のことを言い募る亭主へ対抗ができない。

じょごは信次郎を信じてみることにした。

柏屋からの呼出状を受け取った堀切屋三郎衛門は怒り心頭だった。

自分の裏稼業を知ったお吟が、身の安全と金目当てに駆込んだに違いない。

自分にぞっこんだった筈なのに、とんだ女狐に引っかかったものだ。

だが、東慶寺は徳川家康にも縁のある寺。駆込まれた以上、どうすることもできない。

堀切屋三郎衛門は呼出しに応じず、お吟は寺役人の石井与八の引率で入山した。

門で出迎えたのは院代の法秀尼だ。規律にはめっぽう厳しいが、美しく文武に秀でている。

ゆう

信次郎は境内で剣術披露を見ていた。素晴らしい腕を持っている。女剣士もいる。

この女剣士が柏屋に駆込んで来た。戸賀崎ゆうという。

剣術家の父が開いた道場をごろつきに乗っ取られ、夫は斬殺、父もしばらくして死亡した。

自分も凌辱されたうえ無理やり祝言を挙げさせられたという。

それが剣術披露をしていた田の中勘助だ。

ゆうは東慶寺のお務めが明けた暁には、仇討をしたいと訴えた。

源兵衛は、東慶寺は武士の妻女の入山は認めないし、仇討の助太刀はしないと告げる。

ゆうは引かなかった。東慶寺で武芸の腕を磨くのだ。

じょごの入山

じょごとゆうの東慶寺への入山が翌日となった。

呼び出しを受けた田の中勘助と重蔵とは示談とならず、二人は東慶寺に入山することになった。

出迎えたのは法秀尼と先に入山していたお吟だった。

じょごは信次郎の治療のかいもあり、顔の火ぶくれはだいぶ良くなっていた。

じょごとおゆう、お吟の東慶寺での生活が始まった。

それぞれ生活を続けながら徐々に心の傷をいやしていく三人。

お吟吐血

ある日お吟が吐血した。

信次郎が代理でお吟の様子を見に行くことになった。

男性禁制の東慶寺である、法秀尼が常に付き添った。

日ごろ触れていない男を見て、寺に逃げ込んでいる女性たちが騒いだ。

お吟を診た信次郎は、お吟が労咳であることに気が付いた。不治の病だ。良くなることはない。

信次郎は薬草を煎じて飲ませることにした。だが、往診は月に2回程度。日々の様子が分からない。

その様子をじょごが克明に書き留めていた。そのおかけで信次郎はお吟の様子が分かるようになった。

じょごは信次郎から薬草のことを教わるようになり、日々の生活ではじょごがお吟を支えた。

信次郎とじょごの二人は徐々に心の距離が近づいていった。

柏屋の様々な出来事

柏屋にヤクザの近江屋三八親分が乗り込んできた。

遊郭から逃げ出してきたおみつを返せという。だが、信次郎は口からのでまかせで追い払った。

吉原にさらわれたおみつを助けるために姉夫婦が東慶寺の駆け込みを利用する。
源兵衛は姉夫婦の案に消極的だ。

おみつを東慶寺に入れ、姉はその間、夫と離れて暮らさなければならない。二年間は長い。人の気持ちも変わる。

だが、三人の意志は固かった。

信次郎の拉致

信次郎が堀切屋三郎衛門の仲間に拉致された。

堀切屋三郎衛門はお吟が信次郎を外とのつなぎに使っていると睨んだのだった。

何を伝言されたのかを吐かせようとする。

信次郎がお吟から頼まれたのはただ一つ、里見八犬伝の朗読だった。

そして、信次郎は堀切屋三郎衛門に話し始めた。お吟が東慶寺に駆け込んだ本当の理由を。

それは死にゆくさまを惚れぬいた男に見られたくなかったからだったのだ。

堀切屋三郎衛門はお吟の心を知り、信次郎を解き放った。

妊娠騒ぎ

東慶寺ではおゆきが妊娠したと騒ぎになっていた。

男性禁制の寺であってはならない事態だ。外に漏れたら、一大事。

同じころ、天保の改革のために老中・水野忠邦は南町奉行の鳥居耀蔵に東慶寺の取り潰しを命じていた。

取り潰すためには何か理由が必要だ。そのため、東慶寺に密偵の玉虫を入れた。

源兵衛は玉虫が密偵であることを見抜いていた。

じょごとゆうにしっかり見張るように頼んだ。

大審問

法秀尼は東慶寺の存続をかけて、おゆきを問いただす大審問を開いた。

信次郎がおゆきに問いただす。信次郎はおゆきが想像妊娠していると睨んでいた。

この場には、体力の衰えが目立ってきたお吟と、付き添っているじょご、おゆうらも姿を見せた。

大審問の中、玉虫が席を離れた。

おゆうが後を追ったが、建物の中で見失ってしまう。

大審問が終わった日の夜、東慶寺では玉虫がいなくなったので、大騒ぎになっていた。

どこを見てもいない。だが、じょごは一か所だけ見ていないところがあると法秀尼に言った。

それは時折、法秀尼が人目を盗んで入り込む部屋だった。

玉虫

玉虫が部屋の中で見つかった。玉虫はここにずっといさせてほしいと法秀尼に懇願した。

玉虫は隠れキリシタンの家に生まれ、これまで苦しい生活を強いられてきた。

玉虫が部屋で見つけたのは、マリアの像だった。

二年が過ぎた

二年が過ぎようとしている。

お吟は療養のため、東慶寺を出て御用宿の柏屋へ行くことになった。

そして、柏屋では信次郎に里見八犬伝を読んでもらい、静かに息を引き取った。

外では托鉢僧が経を唱えていた…。

東慶寺からじょごとおゆうが出ようとしている。

二人の夫が呼ばれて離縁状を書かせることになった。

田の中勘助がおゆうを出せと暴れだした。田の中勘助はおゆうと別れる気はない。

男性禁制の東慶寺に入り込み暴れた。それをじょごらが取り押さえた。

じょごの夫・重蔵は回心して今では仕事をしている。そして、戻ってほしいと懇願した。

だが、じょごが動じることはなかった。

新たな駆け出し

信次郎はじょごに一緒に長崎に行ってほしいと頼んだが、じょごは断った。

その代わり江戸へ行くのなら一緒についていくと言った。

じょごは信次郎に戯作を書く時期が来たのではないかと背中を押したのだ。

信次郎とじょごとゆうの三人が柏屋を去ろうとしていた。

ゆうは諸国を回るつもりだ。

三人の出発を源兵衛ら柏屋の面々が見送った。

じょごに連れられて信次郎が竹藪の中を歩いていった。

竹藪の先にある家にたどり着いた。じょごはここを知っているようだった。

そして、じょごが家の主を呼んだ。この家の主は曲亭馬琴だった。

映画情報(題名・監督・俳優など)

駆込み女と駆出し男
(2015年)

監督・脚本 / 原田眞人
製作総指揮 / 大角正
原案 / 井上ひさし『東慶寺花だより』
プロデューサー / 榎望、升本由喜子、住田節子
撮影 / 柴主高秀
照明 / 牛場賢二
美術 / 原田哲男
音楽 / 富貴晴美
編集 / 原田遊人

出演:
中村信次郎 / 大泉洋
じょご / 戸田恵梨香
お吟 / 満島ひかり
三代目柏屋源兵衛 / 樹木希林
堀切屋三郎衛門 / 堤真一
法秀尼 / 陽月華
法光尼 / 大鳥れい
法鈴尼 / 赤間麻里子
戸賀崎ゆう / 内山理名
田の中勘助 / 松岡哲永
お勝 / キムラ緑子
利平 / 木場勝己
おゆき / 神野三鈴
重蔵 / 武田真治
星月夜 / 藤沢かりん
近江屋三八 / 橋本じゅん
石井与八 / 山崎一
清拙 / 麿赤兒
女貸本屋 / 高畑淳子
風の金兵衛 / 中村嘉葎雄
曲亭馬琴 / 山崎努
おみつ / 丸地晶子
おせん / 玄里
為永春水 / でんでん
鼻山人 / 井之上隆志
玉虫 / 宮本裕子
お種 / 松本若菜
浮世絵の芸妓 / 澤村レイコ
寺役人 / 堀部圭亮
闇九 / 蛍雪次郎
山三 / 武石守正
小助丸 / 池原猛
今朝治 / 仲谷智邦
鳥居耀蔵 / 北村有起哉
老中・水野忠邦 / 中村育二

映画賞など

TAMA映画賞

  1. 最優秀女優賞(樹木希林、『あん』『海街diary』と合わせて)

日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞

  1. 監督賞(原田眞人、『日本のいちばん長い日』と合わせて)

日本アカデミー賞

  1. 優秀主演男優賞(大泉洋)
  2. 優秀助演女優賞(満島ひかり)

毎日映画コンクール

  1. 脚本賞(原田眞人)

ブルーリボン賞

  1. 主演男優賞(大泉洋)

日本映画批評家大賞

  1. 助演女優賞(満島ひかり)

サントラ

音楽は富貴晴美です。

メインテーマの「駆込み女と駆出し男 -メインテーマ-」では胡弓を使っており、印象的な音色になっています。胡弓は和楽器ですが、音色は中国の二胡に似ています。そのため、東洋的な音色です。

メインテーマは映画の中で季節の移ろいや人との別れなどで使われています。とても重厚な曲です。

このメインテーマをベースとしていくつものアレンジがあります。
2曲目の「禁から生まれる華もある」
8曲目の「薬草夫婦旅」
11曲目の「べったべった、だんだん」
15曲目の「滑稽本と戯作者」
17曲目の「成就への道」
18曲目の「強味と渋味はちょんぼしだけど、素敵な男です」

上記の曲の中で、胡弓が使われてない15曲目の「滑稽本と戯作者」が好みです。低音だけになるので、なんというか、腹に染み入るのです。映画の、いわゆる「いいシーン」で流れるので、なおさらです。

17曲目の「成就への道」は前半部分に独特の唄が入っています。とても民族的な感じですが、日本の節回しなのでしょう。海外DJが見つければ、ちょっと使ってみたいと思うような曲だと思いました。

さて、タイトルを見れば、どのシーンで使われたのかが分かるようになっています。こうした細かい工夫で映画を思い出すことができて良いです。

音楽を担当した富貴晴美は国立音楽大学の作曲科を首席で卒業しました。

多くのドラマの曲を担当しており、映画音楽も担当しています。

映画がとても好きで、学生時代は映画をとてもよく見ていたようです。

多くの映画音楽を聴いているわけで、どういう音楽が映画にふさわしいのかを研究したに違いありません。

「駆込み女と駆出し男」の監督・原田眞人作品で曲を担当することが多いようです。感性が近いのでしょう。

富貴晴美は大河ドラマ「西郷どん」の担当もしています。

※曲のリストをうまくご活用ください。きっとお目当ての曲が見つかると思います。良い音楽との出会いを楽しんでください。
※この年にリリースされたアルバムを下に方に載せておりますので、ご参考になさってください。

曲目

  1. 駆込み女と駆出し男 -メインテーマ-
  2. 禁から生まれる華もある
  3. 今生の別れと提灯
  4. 東慶寺入山
  5. 花魁の足抜け
  6. 野犬のごろつき侍
  7. 仇討ちの決意
  8. 薬草夫婦旅
  9. 命のやり取り
  10. 新しい季節へ
  11. べったべった、だんだん
  12. 院代様と見習い医師
  13. 御用宿の離縁調停人
  14. 24ヶ月の総決算
  15. 滑稽本と戯作者
  16. 鉄練りとの別れ
  17. 成就への道
  18. 強味と渋味はちょんぼしだけど、素敵な男です

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この女優陣の年齢・タイミングが合ってこそ成立しえたものだと感じた。本作のようにタイミングがマッチして成立する映画というはめったにないだろうと思う。稀有な作品である。

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