(映画)岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年)の感想とあらすじは?

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NHK総合のテレビドラマ「岸辺露伴は動かない」のキャスト・スタッフで制作されました。

そして、タイトルの通り、ルーブル美術館での撮影も行われました。

原作は、荒木飛呂彦氏による2009年の漫画で、「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンオフ作品です。

主人公となる岸辺露伴は「ジョジョの奇妙な冒険」で東方仗助が主人公となる第四部(ダイヤモンドは砕けない)に登場する架空の漫画家です。

私の中で、「ジョジョの奇妙な冒険」は第一部のジョナサン・ジョースター、第二部のジョセフ・ジョースターと続いて、第三部の空条承太郎の途中で終わっています。

「ジョジョの奇妙な冒険」は途中までしか知りませんので、岸田露伴は知りませんでした。

原作を知らないで本作を観たのですが、楽しめました。

ジョナサン・ハー「消えたカラヴァッジョ」のような美術ミステリーに通じる部分があるように感じたからかもしれません。

また、蓮見重彦氏の次の言葉も思い出しました。岸辺露伴は批評家ではありませんが、同じようなメンタリティを持つ人物のように思います。

映画に関わるなら、あるいは映画批評家たろうとするなら、存在しないプリントを探せ、ということです。わたくしは少なくとも60歳ぐらいまでは世界を探しまわっていました。

(中略)

少なくとも批評家たるものは、見ることのできない映画に嫉妬し、これを探し当てるという気を持たなければいけないと思うのですが、そういう人はごくわずかしかいない。

蓮見重彦 見るレッスン 映画史特別講義 p78
映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』公式サイト
岸辺露伴は動かない, 5.26fri公開 この世で最も黒く、邪悪な絵の謎を追い、美の殿堂へ-
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感想/コメント

故買屋を営んでいることを知りながら取材に訪れた骨董店で、美術品オークションにフランス人画家モリス・ルグランの黒い絵が出ることを知ったところから物語が始まります。

故買(こばい)とは、古物が盗品であることを知りながら、取引をすることを言います。

黒い絵は岸辺露伴の若き頃の記憶を思い出させたのです。

露伴の祖母が運営していた下宿に暮らしていた不思議な女性・奈々瀬が、「この世で最も黒く、邪悪な絵」がルーブル美術館にある、と言ったのです。

このことを思い出した岸辺露伴は、次の取材はルーブル美術館だと決めたのでした。

ルーブル美術館

ルーブル美術館は、パリにあるフランスの国立美術館で、日本人にとって最も知られる海外の美術館の一つです。

映画でも紹介されましたが、もともとは要塞であり、王宮だった時期もあります。

展示されている美術品等が多すぎ、1日では絶対に回り切れない広さの美術館です。

発見される絵画

映画の最後に岸辺露伴がルーブル美術館を評して、人の手に負えない、と言います。

あまりにも巨大で、収蔵品の全容が把握できていないことから、認識されていない歴史的な美術品が眠っている可能性があることを示唆した言葉です。

事実、岸辺露伴が語るように、2016年9月に松方コレクションに含まれながら、長いこと行方不明だった、クロード・モネの油彩画「睡蓮-柳の反映」が収蔵庫で破損状態で見つかりました。

同じように見つかっていない美術品がどこかに眠っているのかもしれません。

実は、日本国内にも同じような場所があります。それは京都や奈良に代表される旧家および古寺・古社です。

スーパーブラックバード

黒がテーマということもあり、序盤で最も黒い鳥が紹介されました。

パプアニューギニアに生息するカタカケフウチョウで、羽根が光の99.95%を吸収して、真っ黒にしか見えません。

この鳥が紹介されたので、映画に出てくる「黒い絵」は、同種の黒であり、かつ、光どころかすべてを吸い込んでしまうような禍々しい黒なのかと思っていました。

ロケ地

この映画の雰囲気を作り出しているのが、舞台となる建物だと思います。現代的な雰囲気の建物が少ないので、どことなくノスタルジックな雰囲気になっています。

岸辺露伴邸がそうです。ドラマシリーズと同様に国指定登録有形文化財の葉山加地邸がロケ地です。ちなみに葉山加地邸は宿泊できます。

国指定登録有形文化財 葉山加地邸 【公式サイト】
フランク・ロイド・ライトの愛弟子・遠藤新が1928年に設計し、帝国ホテルをも彷彿とさせる加地邸が民泊施設【葉山加地邸】として生まれまわりました。

オークション会場は、横浜のホテルニューグランド。

横浜・ホテルニューグランド|【公式】ホテルニューグランド|横浜 山下公園前のホテル
昭和2年(1927年)の開業以来、国際都市横浜の迎賓館として世界のVIPをお迎えし、日々新たな物語を創り続けるホテルニューグランドの公式ホームページです。

岸辺露伴の祖母・猷の下宿は、福島県の会津若松にある旅館の向瀧。奈々瀬の部屋は向瀧の茶室が使われました。

会津東山温泉向瀧

パリでは凱旋門からシャンゼリゼ通りをバスに乗りながらさりげなく紹介されていました。

今回のメインとなるルーブル美術館関係では、ルーヴル美術館のピラミッドと、モナ・リザが出てきました。

ルーヴル美術館文化メディエーション部のオフィスにはヴィクトル・ユゴーの弁護士事務所が使われました。

ルーヴル美術館の架空の倉庫であるZ-13倉庫のシーンでは、地下通路は東京都大田区の大森ベルポートの地下3階と千葉県館山市の能忍寺の廃トンネルが使われました。

そして、Z-13倉庫そのものの撮影は栃木県の大谷石採石場跡で行われました。

映画の後半、仁左右衛門と奈々瀬の過去が描かれますが、江戸時代の場面は、福島県の霧幻峡や大内宿で撮影されました。

霧幻峡|金山町観光物産協会【公式】
「霧幻峡」で300年の伝統と文化と歴史に培われた、作り物でない本物の日本の原風景を体験してみませんか?感動の癒やしのパワースポットがあなたを待っています。
大内宿|奥会津観光スポット
福島県南会津にある【大内宿】は、江戸時代に会津若松市と日光今市を結ぶ重要な道の宿場町として栄えました。 現在も江戸時代の面影そのままに茅葺屋根の民家が街道沿いに建ち並び、この景観を引き継ぐために店舗兼住居としてお土産店、飲食店,民宿を営業し
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映画情報(題名・監督・俳優など)

プロデューサー / 土橋圭介,井手陽子,ハンサングン
原作 / 荒木飛呂彦『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』
脚本 / 小林靖子
撮影 / 山本周平,田島茂
美術 / 磯貝さやか
衣装デザイン / 柘植伊佐夫
編集 / 鈴木翔
キャスティング / 原田浩行
音楽 / 菊地成孔,新音楽制作工房
照明 / 鳥内宏二,藤林繁
録音 / 高木創
装飾 / 折戸美由紀
記録 / 上田悠莉
助監督 / 田中峰弥
人物デザイン監修 / 柘植伊佐夫

出演
高橋一生 / 岸辺露伴、山村仁左右衛門
飯豊まりえ / 泉京香
長尾謙杜 / 岸辺露伴(青年)
安藤政信 / 辰巳隆之介
美波 / エマ・野口
池田良 / ワタベ
前原滉 / カワイ
中村まこと / 骨董屋A
増田朋弥 / 骨董屋B
白石加代子 / 猷
木村文乃 / 奈々瀬
Arnaud Le Gall / モリス・ルグラン
ロバ / ユーゴ・ルナール
Jean-Christophe Loustau / ニコラス・トーマ
バッキー木場 / アナウンサー

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