(映画)里見八犬伝(1983年)の感想とあらすじは?

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感想/コメント

演技と音楽

南総里見八犬伝を下敷きにした「新・里見八犬伝」(鎌田敏夫)の映画化です。

ロックをテーマ曲としているのは、ある意味斬新ですが、まぁ、雰囲気に合いません・・・。

ROCK YOU! [ロック・ユー]のように、計算された音楽の使われ方でないので、違和感しかありません。

それと、間合いを無視した舞台を見ているかのような演出はどうにかならなかったのでしょうか。特に、志穂美悦子演じる犬坂毛野の最期の場面ですが、あの死に方はないのではないでしょうか。

こうした点がなければ、もう少しよかったのですが、リメイクをした方がいいのではないかと思います。

曲亭馬琴(滝沢馬琴)

南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)は、江戸時代後期の曲亭馬琴(滝沢馬琴)の作品です。里見八犬伝、八犬伝とも呼ばれます。

曲亭馬琴は初めて原稿料だけで生計を立てた作家と言われています。

その曲亭馬琴が生涯をかけて書き上げたのが、南総里見八犬伝です。

文化11年(1814年)から始まり、天保13年(1842年)に完結しました。28年かかった大作です。全98巻、106冊。

途中、失明により、執筆は息子・宗伯の妻・お路の口述筆記によって書き上げられました。

上田秋成の「雨月物語」などと並んだ江戸時代の戯作文芸の代表作で、日本の長編伝奇小説の古典の一つです。

この八犬伝を徹底的に批判したのが、坪内逍遥でした。明治期に入って、近代文学が乗り越えるべき旧時代の戯作文学の代表としてやり玉に挙げたのでした。そのため、八犬伝の評価は下がったのですが、それだけ影響のあった作品ということです。

犬士たち

室町時代後期の安房(現在の千葉県の南部)を舞台としています。

里見家の姫・伏姫と神犬・八房によって結ばれた八人の若者が主人公です。共通して「犬」の字を含む名字を持ちます。

そして、「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」の文字のある数珠の玉(仁義八行の玉)を持ち、牡丹の形の痣が身体のどこかにあるという設定です。

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あらすじ/ストーリー

炭小屋

炭小屋に逃げ込んできた者がいた。
その者は小屋に誰もいないのを確かめ、食べ物をあさり始めた。
そこへ戻ってきたのが親兵衛だった。

新兵衛は炭焼き小屋で食べ物を恵んだ。
その者が逃げるように去っていく姿を見て、女だと気が付いた。
すぐに追いかけるが、女を姫と呼ぶ二人組の男たちに邪魔された。

犬山道節、犬村大角

二人の巡礼姿の男たちは犬山道節、犬村大角と名乗った。
そして、姫と呼んだ静姫に絵巻物を見せた。
かつて里見家が蟇田家を滅ぼした経緯や伏姫のことが書かれていた。

玉梓と息子・素藤

昔・・・。
蟇田領主、蟇田定包に嫁いだ玉梓と息子・素藤は勝手気儘に暴虐の限りを尽くしていた。
苦しむ領民をみて、里見義実は、玉梓を討ちとった。
玉梓は最期に呪いの言葉を遺す。

里見家は隣国の軍勢に囲まれ、危機に瀕す。
義実は飼い犬の八房に、敵将の首を討ちとれば娘の伏姫を嫁につかわす、と戯言を言った。
すると、八房が敵将を討ちとって首を持ってきた。

義実は伏姫を嫁につかわすというのは戯言だったというが、伏姫は君主たるもの約束を違えてはならないと、八房と共に山奥へと去った。
伏姫を取り戻すために、義実は兵を送った。
鉄砲より八房をかばった伏姫が死んでしまう。

伏姫の体から仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の各字を刻んだ八つの霊玉が飛び散った。
「百年の後、この光の玉は八人の剣士となって蘇り、里見の姫を奉じて玉梓の呪いに打ち勝つでしょう」
と言い残す。

犬士達

百年後。
玉梓は妖怪として蘇り、息子の素藤(もとふじ)とともに里見家を攻め滅ぼした。
落ち延びた里見家の静姫は玉梓の追手から逃れていた。

道節は「忠」、大角は「義」の玉を静姫に見せた。
そして、残りの六人の犬士を見つけて玉梓と素藤と戦うことを説明した。
そして、三人が旅を続けるうち、徐々に犬士が集まり、静姫は玉梓らと戦う決心をしたた。

静姫さらわれる

ある日、静姫がけもの罠にかかった。
そしてさらわれた。

静姫をさらったのは新兵衛だ。
静姫を城に連れてくれば侍にする、という素藤のお触れを見て、つられたのだ。

その途中、素藤の支配下の安房国の荒廃を目の当たりにする。
そして、侍たちの残虐さを見た親兵衛は疑問を抱く。

鐘乳洞

素藤の配下の黒騎馬侍たちに見つかった。
二人は鐘乳洞に逃げ込んだ。

そこには新たに仲間を加えた道節らがいた。静姫と道節らは再会を喜んだ。

静姫と別れた親兵衛は黒騎馬の侍に捕獲され、城に連れていかれた。
新兵衛は腕の赤いアザから玉梓の子の転生だということが分かった。
そして、司祭・幻人によって悪の化身にされた。

親兵衛

素藤配下の侍大将・現八が親兵衛を連れて城を脱出した。
現八の懐には霊玉が光り、静姫のいる洞で七人目の犬士として迎えられる。

目をさました親兵衛がいきなり静姫に襲いかかった。
静姫が新兵衛に、会いたいと思っていた、と話すと、白い閃光が光った。

親兵衛が目をさますと腕の赤いアザが消えていた。
そして、光り輝く霊玉が現れた。
親兵衛が最後の犬士だった。

その時目の前に大蛇が現れて静姫を巻いて去った。
霊玉を八個集めた時、伏姫の声がした。
この矢を玉梓に向って射よ。

館山城

八犬士たちは館山城に向った。
だが、戦いの中で大広間にたどりつけたのは親兵衛と道節だけだった。
道節は自ら盾となり、親兵衛が静姫のもとへ行った。

そして、ついに静姫は玉梓に矢を放った。
すると、玉梓、素藤は崩れ、城も崩れ落ちた。

親兵衛は静姫を叔父の城へと届けた。
別れた親兵衛が七犬士の墓を祀っていると静姫が駆けつけてきた。
静姫は城へ戻らないといい、二人は七犬士の励ましの声を後ろに去っていった。

映画情報(題名・監督・俳優など)

里見八犬伝
(1983年)

監督:深作欣二
製作:角川春樹
原作:鎌田敏夫
脚本:鎌田敏夫,深作欣二
撮影:仙元誠三
特撮監督:矢島信男
音楽:NOBODY

出演:
静姫/薬師丸ひろ子
犬江新兵衛/真田広之
犬山道節/千葉真一
犬村大角/寺田農
犬坂毛野/志穂美悦子
犬塚信乃/京本政樹
犬飼現八/大葉健二
犬川荘助/福原拓也
犬田小文吾/苅谷俊介
蟇田素藤/目黒祐樹
玉梓/夏木マリ
妖之介/萩原流行
悪四郎/浜田明
船虫/ヨネヤマママコ
幻人/汐路章
浜路/岡田奈々
伏姫の声/松坂慶子

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