記事内に広告が含まれています

(映画)インディ・ジョーンズ4-クリスタル・スカルの王国(2008年)の考察と感想とあらすじは?

この記事は約8分で読めます。

日本の配給会社の無神経ぶりと馬鹿っぷりをさらけ出している映画です。これについては後述します。

それはそうとして…。

「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」から19年後の1957年が舞台となっており、撮影も19年ぶりなのでつじつまが合っています。つじつまが合っているのは、俳優の年齢です…。

「レイダース-失われた聖櫃(アーク)」の最後のシーンを覚えているでしょうか?

聖櫃(アーク)がある巨大倉庫に運び込まれていくシーンですが、今回はその巨大倉庫から始まります。

倉庫はネバダ州のエリア51という設定。そこでソ連のKGBに捕まって連れてこられたインディが命ぜられるのが、「聖櫃(アーク)」の捜索…ではなく、「ロズウェル事件」に関係するものです。

ロズウェル事件は1947年にアメリカのニューメキシコ州ロズウェル付近で、ある物体を回収したできごとで、この時回収されたのがUFOと異星人だったと噂される事件です。

このエリア51でKGBに奪われるものというのが、後々ちゃんとクリスタル・スカルに結びつくようになっています。

インディ・ジョーンズ・シリーズには毎度のように細かい遊び心がありますが、この最初のシーンにもあります。

なぜ、この場所が「聖櫃(アーク)」の運び込まれた倉庫とわかったのでしょうか?これが最大のヒントです。ハッキリとわかるように映されているので、見逃すことはないと思うのですが…。

ただ、この後のシーンは正直いただけないですし、ブラック・ユーモアにしても全く笑えません。

このエリアが核実験場という設定らしく、核実験の真っ最中です。原爆の爆発シーンも映し出されます。

インディはこのピンチをどのように逃れるのか?というのがハラハラドキドキさせる所で、その逃げ方が笑いを誘う場面なのかもしれないですが、見ていて正直顔がひきつりました。映画館で私の前後左右の人達も固まったシーンです。

日本の配給会社もこのシーンをカットするなりの配慮をすべきだったのではないかと思いますし、そうした姿勢を示すことでジョージ・ルーカスやスティーヴン・スピルバーグに気づかせるきっかけになったとも思います。

日本の配給会社のスタッフはよほどの馬鹿者揃いらしいです。

このシーン以外は基本的にいつものインディ・ジョーンズ・シリーズです。

懐かしいのは「レイダース/失われた聖櫃(アーク)」のカレン・アレンが27年ぶりにシリーズ再出演したことです。

始まりの場面もそうですし、キャスティングもレイダースを思い出させます。インディ・ジョーンズ・シリーズも初心に戻ることでシリーズの完結を上手くまとめようとしたのでしょうか。

インディの父・ヘンリー役のショーン・コネリーは額に入った写真での出演となりました。つまり遺影です。

基本的にいつものインディ・ジョーンズ・シリーズなのですが、最後の場面はいままでとは印象がだいぶ違います。

いままでのインディ・ジョーンズ・シリーズはあくまでも考古学な面白さにアドベンチャーを加え、これに古代の神秘的で摩訶不思議な力を登場させるというのがパターンでした。

今回の最後のシーンは、こうしたパターンからいうと大分違う趣となっています。

シリーズ紹介

TVシリーズになっているものを含めたインディ・ジョーンズ・シリーズの順番。
第1話「My First Adventure」(舞台:1908年、エジプト)
第2話「Passion for Life」(舞台:1908年&1909年、パリ&ケニア)
第3話「The Perills of Cupid」(舞台:1908年、フィレンツェ&ウィーン)
第4話「Travels with Father」(舞台:1910年、ロシア&ギリシャ)
第5話「Journey of Radiance」(舞台:1910年、インド&中国)
第6話「Spring Break Adventure」(舞台:1916年、メキシコ)
第7話「Love’s Sweet Song」(舞台:1916年、アイルランド&イリス島)
第8話「Trenches of Hall」(舞台:1916年、ソンム&ドイツ)
第9話「[Demons of Deception](舞台:1916年、パリ)
第10話「The Phantom Train of Doom」(舞台:1916年、ドイツ&アフリカ)
第11話「Oganga, The Giver and Taker of Life」(舞台:1916年、アフリカ)
第12話「Attack of the Hawkman」(舞台:1917年、オーストリア)
第13話「Adventures in the Secret Service」(舞台:1917年、オーストリア&プラハ)
第14話「Espionage Escapades」(舞台:1917年、スペイン&プラハ)
第15話「daredevils of the Desert」(舞台:1917年、パレスチナ)
第16話「Tales of Innocence」(舞台:1917年、イタリア&モロッコ)
第17話「Masks of Evil」(舞台:1918年、イスタンブール&トランシルバニア)
第18話「Treasure of the Peacock’s Eye」(舞台:1919年、エジプト&ジャワ島&南太平洋)
第19話「The Winds of Change」(舞台:1919年、パリ&プリンストン)
第20話「Mystery of the Blues」(舞台:1920年、シカゴ)
第21話「Scandal of the 1920」(舞台:1920年、ニューヨーク)
第22話「Hollywood Follies」(舞台:1920年、ハリウッド)
第23話「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説 / Temple of Doom」(舞台:1935年、中国&インド)
第24話「レイダース/失われたアーク(聖櫃) / Raiders of the Lost Ark」(舞台:1936年、ペルー&ネパール&カイロ)
第25話「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 / Last Crusade」(舞台:1938年、イタリア&ザルツブルグ&ベルリン)
第26話「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 / Kingdom of the Crystal Skull」(舞台:1957年、エリア51&ペルー)(本作)

あらすじ/ストーリー/ネタバレ

1957年。ネバダ州のエリア51。アメリカ軍施設内の機密品貯蔵庫。

イリーナ・スパルコ大佐(ケイト・ブランシェット)率いるアメリカ軍人に変装したKGB 部隊がマーシャル大学考古学教授インディアナ・ジョーンズ博士(ハリソン・フォード)と旧友ジョージ・マクヘイル(レイ・ウィンストン)を連行してきた。

探し物は一つ。「ロズウェル事件」にかかわるもの。10年前にこれを見たはずのインディに探させることにした。それは、金属を引付ける力がある。

探し物は見つかった。それを持って引き上げようとするスパルコらを邪魔しようとするインディ。だが、相棒マックに裏切られてしまう。

辛くも逃げたインディ。逃げたのはよかったが、エリア51周辺ではある実験が行われようとしていた…。

命からがらで逃げてきたインディだったが、FBIはインディがKGBに協力したと疑う。世間には赤狩りの風が吹いていた。

親友で大学の学部長(ジム・ブロードベント)によれば、インディの活動のせいでFBIからの圧力がかかり、インディはマーシャル大学を休職となってしまう。

ヨーロッパへ旅立とうとするインディを、母を誘拐されたという青年マット(シャイア・ラブーフ)がインディ宛へ謎の手紙をもって現われた。マットはハロルド・オックスリー教授(ジョン・ハート)を育ての父とする落ちこぼれ学生だった。

手紙の一つはオックスリー教授が書いたもの。古代文字で書かれた手紙は謎だらけだ。そこからわかる内容を求め、インディはマットとともにナスカの地上絵のあるペルーへ向かい、オックスリー教授と彼を追って姿を消したマットの母マリオン・レイヴンウッド(カレン・アレン)を追うことにする。

インディはオックスリー教授がクリスタル・スカルを手に入れ、スペインのコンキスタドールたちが探し求めていたアカター=黄金郷エル・ドラードへ向かったことを知ったが、そのクリスタル・スカルが元の場所に戻されていたことに疑問を感じる。

クリスタル・スカルは手に入れたが、インディとマットはスパルコの手に落ちる。スパルコはクリスタル・スカルに秘められた力を欲していたのだ。そして、秘密を解き明かすためにインディに協力を強制した。マットの母マリオンとオックスリー教授も捕まっていたのだ。

ついにたどり着いたアカター。遺跡にあったのは古代の各文明の遺物ばかり。その一番奥にはクリスタルの骸骨が12体と頭のない骸骨が1体あった…。

この年に公開された映画やドラマを下に方に載せておりますので、ご参考になさってください。

映画情報(題名・監督・俳優など)

インディ・ジョーンズ4-クリスタル・スカルの王国
(2008年)

監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作:フランク・マーシャル
製作総指揮:ジョージ・ルーカス、キャスリーン・ケネディ
原案:ジョージ・ルーカス、ジェフ・ナサンソン
脚本:デヴィッド・コープ
音楽:ジョン・ウィリアムズ

出演:
インディアナ・ジョーンズ/ハリソン・フォード
イリーナ・スパルコ/ケイト・ブランシェット
マリオン・レイヴンウッド/カレン・アレン
マット”ヘンリー”ウィリアムズ/シャイア・ラブーフ
ジョージ”マック”マクヘイル/レイ・ウィンストン
オックスリー教授/ジョン・ハート
ディーン・チャールズ・スタンフォース学部長/ジム・ブロードベント
アントニン・ドフチェンコ:イゴール・ジジキン

2008年前後の興行収入ランキング

歴代の興行収入ランキング

  1. 日本歴代興行収入ランキング(Top100)
  2. 世界歴代興行収入ランキング(Top200)

2008年公開の映画

(映画)ナルニア国物語/第2章カスピアン王子の角笛(2008年)の考察と感想とあらすじは?

前作「ライオンと魔女」から1,300年の歳月が流れたナルニア。角笛(前作でスーザンがサンタクロースから贈られた魔法の角笛)に呼ばれて四人兄弟が再びナルニアへ呼ばれる。

(大河ドラマ)篤姫(全話)の考察と感想とあらすじは?(主人公:天璋院篤姫)
2008年のNHK大河ドラマ「篤姫」の紹介です。激動の幕末期を江戸城の無血開城を迎えるまで大奥を束ねた篤姫(天璋院)の生涯を描きます。薩摩藩の分家から本家の養女となり、ついには将軍の御台所となり、幕末の動乱を乗り越え、徳川の家名を守り抜いた数奇な運命を辿りました。
(映画)ドラゴン・キングダム(2008年)の考察と感想とあらすじは?

原題は「THE FORBIDDEN KINGDOM」。中国語題は「功夫之王』。ジャッキー・チェンとジェット・リーが初共演したアドベンチャー武侠カンフー映画。

(映画)僕の彼女はサイボーグ(2008年)の考察と感想とあらすじは?

きっと彼女は、もう一つの「ターミネーター」なのでしょう。その登場の仕方といい、未来から主人公を守りに来たという設定といい、近い将来に街が壊滅的な打撃を受ける点といい、よく似ています。

(映画)ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝(2008年)の考察と感想とあらすじは?

全くといっていいほど、ジェット・リーのアクションが見られない。わざわざジェット・リーを使う必要があったのか?と正直考え込んでしまった。

(映画)マンマ・ミーア!(2008年)の考察と感想とあらすじは?

一組のアーティストの曲だけで構成するという構成は、ミュージカル映画としては、アリだと思った。ABBAの曲で映画を作るというのは、挑戦的だが、曲の雰囲気や流れという点での違和感が少ないというメリットがある。ただ、惜しむらくは、流す曲の順番を考えてほしかった。

(映画)ハッピーフライト(2008年)の考察と感想とあらすじは?

飛行機の中だけを舞台にしているわけではない。裏で支えるグランドスタッフ、整備士、管制官、ディスパッチャー、バードパトロールを描いているのが見どころの一つだろう。

(映画)山桜(2008年)の考察と感想とあらすじは?
原作のイメージぴったりというわけではないですが、かなり忠実に映画化されています。原作はかなり短い短編なので、一読してから見てもいいと思います。この短編を読めばわかりますが、ラストシーンがとても重要です。というより、このラストシーンのために全てがある作品です。
(映画)トワイライト・サーガ1 トワイライト-初恋-(2008年)の考察と感想とあらすじは?

シリーズ1作目。ステファニー・メイヤーの世界的ベストセラー小説を映画化。10代の女の子を中心に人気があるシリーズで、人間とヴァンパイアが恋に落ちるファンタジー・ロマンス。

(映画)オーストラリア(2008年)の考察と感想とあらすじは?

題名から18世紀後半のいわゆる植民地として入植がはじまったころ、もしくは、その後の19世紀初頭を描いている映画かと思ってしまったorz。

(映画)スラムドッグ$ミリオネア(2008年)の考察と感想とあらすじは?

社会性を前面に押し出した、いわゆる重い映画というのは数多くある。この映画が、こうした重い映画と異なるのは、一筋の希望を観客に与えている点だろう。そこが、各国で映画賞を総なめした最大の理由なのだろうか、と見終わって感じた。

(映画)おくりびと(2008年)の考察と感想とあらすじは?

静謐(せいひつ)という言葉がある。一般的には、おだやかで、しずかで、物音がしない様子をいうが、心の静けさ、気持ちの安定、落ち着き、穏やかさ、心地よさといった心の平安を意味する言葉

(映画)容疑者Xの献身(2008年)の考察と感想とあらすじは?

真の主人公と言ってもよい石神役の堤真一のうらぶれた高校教師姿はよかった。極めて影が薄いように演じているところも良い。

(映画)ICHI(2008年)の考察と感想とあらすじは?

子母澤寛(しもざわ かん)の「座頭市物語」が原作。今回は「市」の設定を女性にして、孤高を貫き生きる女、初めて出会った運命の男との切ない恋の行方を描く。

(映画)レッドクリフ PartI(2008年)の考察と感想とあらすじは?

三国志演義をベースにした「赤壁の戦い」を中心に描いた映画。歴史スペクタクル映画と言いたい所だが...。残念だが、映画史上に残る名作ではない。過去の名作と比べてしまうと、どうもねぇ。

(映画)007 慰めの報酬(2008年)の考察と感想とあらすじは?
007シリーズ22作目。ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドの2作目。「007 カジノ・ロワイヤル」から1時間後の設定。映画本編はシリーズ初の続編だそうです。本作では陸・海・空のチェイスが一つの見どころです。しょっぱなからカーチェイスで、...
(映画)20世紀少年1 終わりの始まり(2008年)の考察と感想とあらすじは?

浦沢直樹氏の「20世紀少年」を映画化。自身が初期段階から脚本に参加している。映画は原作とは異なるストーリー展開となっているそうだ。

(映画)陰日向に咲く(2008年)の考察と感想とあらすじは?

劇団ひとりの大ヒット小説「陰日向に咲く」の映画化。5編のオムニバス形式の原作を、組み合わせて実写化している。シンヤと鳴子を中心に映画は進んでいき、様々な人間の人生が交錯していくが、映画の中で全く他の人間たちと交錯しない登場人物がいる。

(映画)ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年)の考察と感想とあらすじは?

映画の中で「永遠てないんだな」という趣旨のセリフがたびたび登場する。この映画を端的に表しているわけではないが、映画の一部分を表現した印象的なセリフである。

(映画)ライラの冒険/黄金の羅針盤(2008年)の考察と感想とあらすじは?

パラレルワールドということになっているが、どうやら、あちらの世界の方が何かとすすんでいるようである。動力源不明の「馬車」や、快適に飛行しているように見える飛行船...などなど。映像は綺麗だし、期待させる出だしである。

(映画)20世紀少年2 最後の希望(2008年)の考察と感想とあらすじは?

物語は新たな展開を迎える。「よげんの書」につづいて「しんよげんの書」が出てくるのだ。それはケンヂたちが考えたストーリーの続きだった。

(映画)隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS(2008年)の考察と感想とあらすじは?

「Star Wars」から影響を受けた「隠し砦の三悪人」に淡い恋物語をブレンドしたといった感じ?ダースベーダーもどきの鷹山刑部の登場には白けた。後半に登場する山名の砦はさしずめデススターだろう。

(映画)ザ・マジックアワー(2008年)の考察と感想とあらすじは?

写真・映画用語で「マジックアワー」とは、日没後の「太陽は沈み切っていながら、まだ辺りが残光に照らされているほんのわずかな、しかし最も美しい時間帯」を指す。

タイトルとURLをコピーしました