このアルバム
Deleriumに比べると、はるかにポップな感じで、聞きやすい。
重厚な感じというよりは、軽やかな感じで包まれている。アルバム全体に流れる雰囲気というものは、Deleriumの世界観に通じる部分があるが、ディープなエスノ・テイスト、グレゴリアン・テイストではない。
どちらかといえば、メジャーな路線を継承しているEnigmaに近いところに位置する感じである。イスラエルの歌手Chemdaがボーカルをとっている曲が多いため、アルバムの雰囲気がオリエンタルな感じになっている。
ゲストボーカルも多彩で、シニード・オコナー(Sinead O’Connnor)(3曲目)や、イスラエルの歌手Chemda(1曲目、4曲目、6曲目、7曲目)、Poe(2曲目、8曲目)、Marie Craile D’Baldo(5曲目、10曲目)等ほとんどが女性である。
個人的には、シニード・オコナー(Sinead O’Connnor)(3曲目)が飛び出しすぎて、若干鬱陶しい。他のボーカルは、曲と一体になっているだけに惜しい。
また、プロデューサーやゲストミュージシャン陣に、ビッグビート/プログレッシブ・ハウスのJunkie XL、Alanis Morissetteなどのプロデュースを手がけたCarmen Rizzoや、MadonnaやDidoなどのプロデュースを手がけたRick Nowelsらを迎えている。
2曲目Center of the Sun、8曲目Make a Wishの脱力系というか、力みのないボーカルはかなり好い感じ。そして、2曲目、8曲目の両方とも、曲の美しさとボーカルが妙にマッチしている。
5曲目Manic Star:ミステリアスなオリエンタルなボーカルから、リズムが入るのがよい。このオリエンタルの雰囲気がプンプンのボーカルが気持ちいい。
7曲目Years:これも、オリエンタルな感じ。美しいピアノの調べに、チターのような独特の音と、ボーカルが乗っかる。
11曲目Premonition (Reprise):壮大なイントロから、徐々にエンディングに向かうまでの過程が美しい一曲。
同じ系統のアーティストとしては、もちろんDeleriumが挙げられるが、他にBalligomingoがいる。
Enigma系統が好きな人は、一度聞いてみる価値があると思う。
※この系統の音楽で他のアーティストを探したい場合は「美しき曲たち ワールドでファンタジックな音色」が多少なりとも参考になると思います。
曲目
Conjure One
2002
Album title
“Conjure One”
Label:Nettwerk
1 Damascus
2 Center of the Sun
3 Tears From the Moon
4 Tidal Pool
5 Manic Star
6 Redemption
7 Years
8 Make a Wish
9 Pandora
10 Sleep
11 Premonition (Reprise)
アルバムの評価
★★★★★★★★★★
【評価の内訳】5.0
【構成・バランス】A=2
【飽きのこなさ】A=2
【曲の好み】Av.1.0
Aランク:-
Bランク:1曲目、2曲目、3曲目、4曲目、5曲目、6曲目、7曲目、8曲目、9曲目、10曲目、11曲目
Conjure One(カンジャー・ワン/コンジュール・ワン)プロフィール
Front Line AssemblyやDeleriumのメンバーだったライス・ファルバー(Rhys Fulber)のプロジェクト。
*Conjureには呪文を唱える、魔法(手品)で~をするといういもと、祈願するという二つの意味があり、それぞれによって読み方が異なる。前者がカンジャーで、後者がコンジュールとなる。