久しぶりに見ました。もともと後味の良い映画ではありませんが、2020年からのコロナ禍を経て、現在進行中の2022年に見ると、さらに気持ちがげんなりします。
映画では、1996年から1997年にかけ、全人類の99パーセントが未知のウイルスによって死滅し、生き残った人類は地下に住むことを余儀なくされています。
映画はジェームズ・コール役のブルース・ウィリス、キャスリン・ライリー役のマデリーン・ストウ、ジェフリー・ゴインズ役のブラッド・ピットの3名を中心に進みます。
映画公開当時は「北斗の拳」の世界観に似ていると話題になったように思います。
当時は、未知のウィルスが全人類に多大な影響を及ぼす可能性があることを、リアリティを持って感じることができていなかったと思います。それだけ平和な時期だったのだと思います。
映画が公開されてから四半世紀の間に、界的は大きく変わりました。グローバル化の促進と、大国の入れ替えです。あらゆるパワーバランスが映画公開当時とは異なっています。
急速なグローバル化と大国の入れ替えによって、世界の情勢が大きく変わりました。その中で、起きたのがコロナ禍でした。
2022年時点では世界的な収束を見せていませんが、コロナとの共存へ舵を切り始める国が増えています。
これがどのような影響をもたらすことになるのかは、時間がたたないとわかりません。
2022年時点では「12モンキーズ」のような壊滅的な状況にはなっていませんが、将来、未知のウィルスによってこの映画のようなことが起きてしまうかもしれません。
映画の世界観は、コロナ禍によって妙な現実味を与えます。
感想/コメント
映画では全世界へウイルスが拡散して人類が滅亡寸前になった原因を探るため、主人公が時間旅行を繰り返します。
時間旅行を繰り返す中で、主人公は現実と非現実の境が分からなくなっていきます。
そもそも前半で描かれる場面が、「カッコーの巣の上で」のようであり、出だしから後味の悪さを感じる映画です。絶対にハッピーエンドにはならないと思えるからです。
12モンキーズをイメージ作るテーマ曲は独特の雰囲気で印象に残ります。
聞いたことのある人も多いと思います。原曲はアルゼンチンタンゴの巨匠Astor Piazzolla(アストル・ピアソラ)の「Suite Punta del Este(プンタ・デル・エステ組曲)」です。
最後に流れるルイ・アームストロングの「この素晴らしい世界」とのギャップが凄いです。
映画が公開された1995年から四半世紀が経ったときに起きたコロナ禍によって、世界的な経済が停滞しスローダウンしました。直前まではグローバル化と加速化が言われ続けていました。
これからの不確定な時代がどのように進むのか、識者によっても意見が割れています。
一方はさらに加速すると考える人々です。この四半世紀の流れの延長での考え方で、多くの人の直観に従ったものだと思われます。
ピーター・ディアマンディス氏、スティーブン・コトラー氏の「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」で説かれている世界です。
もう一方は減速すると考える人々です。これまでの直観に反する考え方です。
ダニー・ドーリング氏の「Slowdown 減速する素晴らしき世界」で説かれている世界です。
未来に待ち構えているのはどちらの世界なのでしょう。
映画情報(題名・監督・俳優など)
12モンキーズ
(1995年)
監督/テリー・ギリアム
製作/チャールズ・ローヴェン
製作総指揮/ロバート・コスバーグ、ロバート・カヴァロ、ゲイリー・レヴィンソン
脚本/デヴィッド・ピープルズ、ジャネット・ピープルズ
撮影/ロジャー・プラット
編集/ミック・オーズリー
音楽/ポール・バックマスター
出演
ジェームズ・コール/ブルース・ウィリス
キャスリン・ライリー/マデリーン・ストウ
ジェフリー・ゴインズ/ブラッド・ピット
ゴインズ博士/クリストファー・プラマー
ホセ/ジョン・セダ
植物学者/H・マイケル・ウォールズ
地質学者/ボブ・アドリアン
動物学者/サイモン・ジョーンズ
コール(少年時代)/ジョセフ・メリト
ドクター・ピーターズ/デヴィッド・モース
宇宙物理学者/キャロル・フローレンス
ドクター・フレッチャー/フランク・ゴーシン
テディ/リサ・ゲイ・ハミルトン