このアルバム
タイトル通り、エスニックテイストのアルバム。これにダンス・ミュージックの要素も取り入れている。
ダンス・ミュージックを積極的に取り入れる点はマドンナに通じるものがある。多くのクラブ系統のアーティストと仕事している点も似ている。
音楽ジャンルの垣根を越えて新たな試みをする姿勢は評価に値する。こうしたアーティストが増えると、商業音楽にも新しい風が吹き込まれるので、喜ばしいかぎりだ。
取り入れているダンス・ミュージックはトランス、ブレイクビーツ、トリップ・ホップ等のつもりのようだが、まぁ、別物だ。だが、ダンス・ミュージックではあろうかと思う。こういうのもあっても良いとは思う。
ダンスミュージックを普段聴かない人には、少し驚きがあるだろう。
なぜクラシックナンバーがダンスナンバーになるのだと。でも、クラブ系のアーティストはごくごく当たり前のようにクラシックナンバーをリミックスする。意外かもしれないが、クラシックとダンスミュージックは相性がいいのだ。
そういうことを知ってもらいたいというのもこのアルバムの意図なのかもしれない。
アルバムの始まりは曲の名の通りオリエントな雰囲気。これがダンスナンバーへと変っていく。この後も、クラシカルなボーカルにダンスナンバーを融合したものとなっている。
クラシカルな曲でからは、アレグリのミサ曲、プッチーニ「蝶々夫人」から”ある晴れた日に”、ボロディン「イーゴリ公」より”だったん人の踊り”が使われている。
最後のボーナストラックはプレスした国にによって曲が違うようだ。
様々なアーティストもアルバム制作に参加しているのもこのアルバムの魅力だろう。
2000年に病死した1980年代に一世を風靡したイエメンのオフラ・ハザ。ヴァイオリニストのナイジェル・ケネディ、プラハ交響楽団やロンドン交響楽団が参加。5曲目のA.R.Rahmanのようにチルアウトに近いアーティストも曲を提供している。
10曲目:MandalayのBeautifulのカヴァー。さらにはCafe del Mar 6に収録されているリミックスがある。この曲に関しては、Sarah Brightmanには悪いが、比べものにならないくらいオリジナルやCafe del Marに収録されている曲の方がイイ。

Sarah Brightman
2003
Album title
“Harem”
Label : Angel Records
曲目
1 Harem
2 What a Wonderful World
3 It’s a Beautiful Day
4 What You Never Know
5 The Journey Home
6 Free
7 Mysterious Days
8 The War Is Over
9 Misere Mei
10 Beautiful
11 Arabian Nights
12 Stranger in Paradise
13 Until the End of Time
14 Gueri De Toi
アルバムの評価
★★★★★★★☆☆☆
【評価の内訳】3.7
【構成・バランス】A=2
【飽きのこなさ】B=1.5
【曲の好み】Av.0.2
Aランク:-
Bランク:4曲目、5曲目、7曲目、14曲目
Sarah Brightman(サラ・ブライトマン)プロフィール:
13歳:ピカデリーシアターの「I and Albert」で劇場デビュー。
16歳:ダンスグループの「バンズ・ピープル」の一員となる。
18歳:「サラ・ブライトマン・アンド・ザ・ホット・ゴシップ」で全英チャート最高6位。
21歳:ロンドンのミュージカル「キャッツ」のオリジナルキャストとしてジェミマ役で出演。
23歳:アンドリュー・ロイド・ウェバーと結婚(1990年離婚)。
その後クラシック歌唱の練習を始め、1986年開幕のロイド・ウェバーのミュージカル「オペラ座の怪人」のオリジナルキャストとしてクリスティーヌ役で出演。
1992年に行われたバルセロナオリンピックで、スペインのオペラ歌手ホセ・カレーラスとのデュエットで五輪のテーマソング「AMIGOS PARA SIEMPRE」を閉会式で歌った。
アルバム”DIVE”(1993年)からソロ活動に専心。アンドレア・ボチェッリとのデュエット「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」は驚異的なセールスを記録。