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(映画)忠臣蔵外伝 四谷怪談(1994年)の感想とあらすじは?

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感想/コメント

松竹誕生100周年記念作品

この年の日本アカデミー賞を総なめの作品ですが、そこまでのモノでしょうか?

松竹誕生100周年記念作品ということもあるので、松竹への敬意を含めた受賞のようにしか思えませんでした。忖度があったのかもしれません。

題材

四谷怪談と忠臣蔵がミックスされたので、うーん、大丈夫かいな、と思っていたのですが、歌舞伎の「東海道四谷怪談」では伊右衛門が赤穂浪士という設定なのだそうです。

また、演目も、「仮名手本忠臣蔵」が昼の部、「東海道四谷怪談」で、繋がりのある設定になっています。

この設定を生かしたのがこの映画ということになります。

不気味な3人

この映画をホラー映画として捉えていいのか判断が難しいですが、ホラー映画特有の怖さよりも、俳優の演技が怖いという別の側面がある映画です。

お梅を演じた荻野目慶子と伊藤喜兵衛を演じた石橋蓮司、お付き女中のお槇演じたを渡辺えり子の3人が不気味なことこの上ありません。

この3人がそれこそアダムス・ファミリーのような感じです。

石橋蓮司は存在が不気味。

渡辺えり子は、存在が不気味なうえに、ニターって笑うシーンなどは、ゾゾっとするほど気色悪い。

この二人をはるかに凌駕したのが、荻野目慶子。

キレた演技という生易しい言葉では済まされない。目つきのヤバさ、表情の気色悪さ、行動の不可解さ。すべてが常軌を逸しており、そのことが怖かったです。

忠臣蔵ゆかりの地

松の廊下跡 江戸城の皇居東御苑

忠臣蔵を題材にした映画

  1. 最後の忠臣蔵
  2. 四十七人の刺客
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あらすじ/ストーリー

元禄14年

江戸時代。泉岳寺。

取り潰しとなった赤穂藩の元藩士たちが、浅野内匠頭の墓前に集まっていた。
後ろには見物客が集まっていた。やがて、その中から元赤穂藩士たちを野次る声が起きた。
赤穂藩藩主・浅野内匠頭は、江戸城・松の廊下で吉良上野介に斬りつけ、これが原因で切腹を命じられ、赤穂藩は取り潰しとなった。

この元赤穂藩士の中に民谷伊右衛門がいた。冷めた目で、このちょっとした騒ぎを見ていた。
民谷伊右衛門は2カ月前に召し抱えられたばかりだった。再び浪人の身となった。

少年時代の伊右衛門

少年時代。
伊右衛門は父と二人暮らしだった。
浪人の身で、琵琶を聞かせて生計を立てていたが、貧しく、質素な暮らしだった。
その父が病に伏せた。家に金はない。
伊右衛門は人前で琵琶を聞かせられるほどの腕前ではなかった。

窮した伊右衛門は、父の刀を借り、辻斬りをして金を奪い取った。
そのことを知った父は、自殺した…。

琵琶弾き

赤穂藩が取り潰しとなり、再び浪人となった伊右衛門は、琵琶を弾きながら暮らしていた。
一緒に琵琶を弾くのは、同じく元赤穂藩士。

ある日、伊右衛門たちが琵琶を弾いていると、金を置いていった女がいた。
伊右衛門は女が気になり、湯女宿の湯女であることを突き止めた。
女はお岩という。やがて、同居生活を始めることになった。

お梅

ある日、いつものように琵琶を弾いていると、どこぞのお姫様と思しき一行がやってきた。
その一行に質の悪い男たちが絡みついた。
いざこざが始まる中で、伊右衛門の琵琶が折られ、怒った伊右衛門は男たちを刀で斬り捨てた。
この様子を見ていたお姫様は伊右衛門に一目ぼれしてしまう。

二十両

赤穂浪士の仲間が亡くなった。仲間が頭を抱えたのが、これによって二十両必要だということだ。すぐに工面などできない。
その矢先、吉良上野介家臣・伊藤喜兵衛がやってきた。
先日のお姫様の家だという。お姫様は吉良上野介家臣・伊藤喜兵衛の孫娘お梅だった。

伊藤喜兵衛は事情を察し、二十両を置いていったが、皆吉良家所縁の者からの金銭は受け取れないと拒否をした。
だが、依然として二十両の問題は片付いていない。
伊右衛門は、任せろと席を立った。

伊右衛門は十両を工面した。辻斬りだ。
家に堀部安兵衛がやってきた。同じく辻斬りで十両工面したという。
合わせて二十両。これで何とかなる。
だが、堀部安兵衛はこんなことはしたくないとつぶやいた。

婿入り話

伊右衛門とお岩は仲睦まじく暮らしていた。
だが、お岩に子供ができたと聞いたころから、伊右衛門の心の中が変わっていった。

なかなか進まない、主君の仇討ち。
長い時間は人の心を変えていく。
主君の仇討ちに一番乗り気だった同僚の高田郡兵衛が脱盟した。
伊右衛門は赤穂浪士としての主君仇討ちの気持ちも薄れいった。

そうした中、伊藤喜兵衛から婿養子話を持ち掛けられた。
次第に、伊右衛門は身重のお岩の存在を疎ましく思うようになった。

お岩毒殺

伊藤喜兵衛はお岩がいると、伊右衛門が婿として来てくれないと考え、お岩に執心の湯女宿の宅悦に薬を渡した。
宅悦は伊右衛門からだと言って、お岩に薬を飲ませた。
薬は毒薬で、お岩は血を流し、顔が著しく損なわれた。
苦しみもだえる中で、お岩と宅悦は死んだ。

邪魔者がいなくなったところで、伊右衛門はお梅と祝言挙げた。
その晩、お岩は亡霊となってお梅に乗り移り伊右衛門の前に現れた。
驚いた伊右衛門はお岩を斬りつけたが、それはお梅だった。
騒ぎに駆け付けた伊藤喜兵衛は事情が分からず、伊右衛門に問いただしたが、伊右衛門は伊藤喜兵衛を斬りつけて逃亡した。

吉良家家臣の清水一学は事件を盗賊の仕業にした。
そして一学は伊右衛門を見つけ出し、吉良家へ取り立てる代わりに、川崎に入った大石内蔵助を探れと命じた。

大石内蔵助

伊右衛門は大石内蔵助の潜伏先に向かった。
大石内蔵助は伊右衛門が自分を斬りに来たことに気が付いていたが、酒の相手をさせた。

伊右衛門は心の中で大石内蔵助への負けを感じ、屋敷にいる者たちにわかるように、声を上げた。
それを聞いた堀部安兵衛ら伊右衛門を斬った。だが突然、吹雪が起こり伊右衛門の体が消えてしまった。

吉良家討ち入り

伊右衛門は雪の中で起きた。
吉良上野介の屋敷前だった。
目の前に討ち入る四十七士が現れた。まさにこれからが討ち入りだ。
伊右衛門は皆に声をかけるが、誰も気が付かないようだ。お岩が現れ、半分死んでいるから、誰にも見えないのだと教えた。
お岩は赤穂浪士の討ち入りの手だ受けをした。そして、自分を毒殺した吉良家臣を殺した。

吉良上野介を探し出した一行は仇討ちを果たし、吉良家を出た。
亡霊となっている伊右衛門とお岩は皆を見送った。伊右衛門は琵琶を弾いて見送ったが、この音色が聞こえたのか、何人かが振り返った…。

映画情報(題名・監督・俳優など)

忠臣蔵外伝 四谷怪談(1994年)

製作 / 櫻井洋三
プロデューサー / 佐生哲雄、斎藤立太
原作 / 鶴屋南北
脚本 / 古田求、深作欣二
撮影 / 石原興
美術 / 西岡善信、丸井一利
編集 / 園井弘一
音楽 / 和田薫
音楽プロデューサー / 小野寺重之、青山勇
助監督 / 津島勝、酒井信行

出演
佐藤浩市 / 民谷伊右衛門
高岡早紀 / お岩
蟹江敬三 / 清水一学
津川雅彦 / 大石内蔵助
荻野目慶子 / お梅
石橋蓮司 / 伊藤喜兵衛
渡辺えり子 / お槇
近藤正臣 / 民谷伊織
真田広之 / 浅野内匠頭
田村高廣 / 吉良上野介
名取裕子 / 浮橋太夫
火野正平 / 横川勘平
渡瀬恒彦 / 堀部安兵衛
菊池麻衣子 / お可留
六平直政 / 宅悦

映画賞など

日本アカデミー賞

  1. 最優秀作品賞
  2. 最優秀監督賞
  3. 最優秀脚本賞
  4. 最優秀主演男優賞
  5. 最優秀主演女優賞
  6. 優秀助演女優賞
  7. 優秀音楽賞
  8. 最優秀撮影賞
  9. 最優秀照明賞
  10. 優秀録音賞
  11. 優秀編集賞
  12. 新人俳優賞

キネマ旬報賞

  1. 主演女優賞

報知映画賞

  1. 主演女優賞

日刊スポーツ映画大賞

  1. 主演女優賞

ブルーリボン賞

  1. 主演女優賞

ヨコハマ映画祭

  1. 主演女優賞

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