このアルバム
東京は青山にあるIDEE企画のコンピ「IDEE Life」の第5弾。このシリーズは、第1弾でバランソ、第2弾でMr.BongoのオーナーDavid Buttleをコンパイラーに迎え、第3弾でOrange Pekoeの藤本氏をコンパイラー迎えている。
前作の第4弾でブラジル最先端サウンドを発信するTramaレーベル音源を収録している。今回、Tramaレーベル音源が多い点は前作と同じであるが、コンパイラーにChari Chariこと井上薫を迎えている。
伝統的ともいえるボッサから、ジャズへと移行していき、四つ打ち、AORっぽい音楽など幅広く選曲されている。
IDEE RECORDSの大島忠智がこう書いている。
「ブラジル音楽は、無数の入り口があって出口のない迷路だとよく言われている。…(中略)…ボサノバ、バランソ、ショーロ、サンバ、ジャズ・ボサ、MPBなどの所謂ブラジルのルーツ的な音楽との出会いは、「IDEE life」のvol1~3までに断片的かもしれないが紹介した。」
本作はこうした延長にある作品である。
そして、今回のコンパイラーである井上薫はこう語る。
「DJ的な視点からこぼれ落ちてしまう現代の美しいブラジル音楽を、IDEEとの接点の上でコンパイルしました。TRAMAというレーベルの音源を中心に編集されています。その昔、レコードショップのバイヤーをやっていた頃を思い出しました。家具と同じように、音楽も、もっと生活に密着してしかるべきですね。」
ちなみに、Chari ChariとしてはIn Timeなどのアルバムがある。
全体として選曲は悪くないと思うし、かけ流して聞く分にはいい雰囲気のアルバムであるし、気持ちのいい音楽である。おそらくカフェなどでかかっていたら、おっ、と思うだろう。
実は個人的な評価に迷っており、心情としては評価保留のディスク。
ただ、現時点では、どうも今ひとつ地味すぎて…。ピンと来る曲というものがない。
評価保留なのは、音の好みが変わった瞬間にとてもよく聞こえる可能性のアルバムであるからだ。
曲目

IDEE life Soundscape of Brazilian Vibes feat. Kaoru Inoue
2004
label:Ksr
Artist / titile
1 Clara Becker / Petalas
2 Equale / Cravo E Canela
3 Lo Borges / Tao Bom
4 Wandi Doratiotto / Cao A Toa
5 Jair Oliveira / Ligua Quente
6 Bruno E / Dado
7 Patricia Marx / Menino
8 Patricia Marx / Nu
9 Ed Motta / My Rules
10 Valeria Sattamini / Tamanoco No Samba
11 Metro / Mensagem De Amor
12 Technozoide / Esfera feat. Rosy Aragao
13 Metro / Leva Meu Samba
14 Rappin’hood / Sou Negrao
15 Wandi Doratiotto / Nenem
16 Clara Becker / Violao Amigo
17 Technozoide / Alone(On Universe)
アルバムの評価
★★★★★★★☆☆☆
【評価の内訳】3.5
【構成・バランス】A=2
【飽きのこなさ】B=1.5
【曲の好み】Av.0.0
Aランク:-
Bランク:-