チルアウトとラウンジとは

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チルアウトとラウンジを聞いたことのない人へ

チルアウト=Chill out musicとラウンジ=Lounge musicを最初に聞くのなら、有名なコンピレーションシリーズがおすすめです。

◎チルアウトなら「Café del Mar」

Café del Marとシリーズのリスト・一覧
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◎ラウンジなら「Buddha Bar」「Hotel Costes」

Buddha Bar シリーズのリスト・一覧
パリに始まったBuddha Bar(ブッダ・バー)。いまや、世界中に広がっている。シリーズが複雑でわかりにくいためリスト化しました。

チルアウトやラウンジという音楽は、その多くはボーカルのないインストものです。

ボーカルがないと「音楽」ではない、若しくは歌えなければ「音楽」ではない、と考えている人もいるようです。そういう人にとっては、チルアウトやラウンジは聞いてもつまらない音楽でしょう。何せインストが多いのですから。

かといって、インストものばかりではありません。ボーカルのある曲も多数存在しています。要はインストとボーカルがミックスされているのです。

ボーカルものは耳に残りますが、その分飽きるのも早いものです。一方、インストものは意外に耳に残らないので、長く聞けるのですが、インパクトが薄いのが欠点とも言えます。その間を取る形のチルアウトやラウンジは、両方のいいところを兼ね備えているのだとも言えます。

ボーカルものだけが「音楽」だと思っている人には、このインストとボーカルの中間的なチルアウトやラウンジを一度聞いてもらいたいものです。

「音楽」のもつ広がりを体感出来るのではないかと思います。そして、より広い音楽の世界を楽しめるようになって頂けたらと思うのです。

音楽の季節感

私は音楽を季節によって聞き分けています。

Chill Outはサンセットに合う印象がありますので、初夏から夏にかけて聞くのが好きです。

Loungeは夜の音楽という印象ですので、季節を問わず聞きますが、春と秋に聞くのが好きです。

Worldbeatはセピアな印象なので、秋から冬にかけて聞くのが好きです。

美しき曲たち ワールドでファンタジックな音色

ここで取り上げるアーティストたちのジャンルは何かというと、適切なのがないというのが実情ではないかと思う。 大雑把にはニューエイジ、ワールド、イージーリスニングで括られる。しかし、なんか違うような気がする。

チルアウトの有名曲

チルアウトの有名曲を何曲か紹介したいと思います。

Afterlife : Speck of gold

AfterlifeはSteve Miller(スティーブ・ミラー)のプロジェクトの一つ。Steve Millerはイギリスでもっとも有名なチルアウト・プロデューサーでDJの一人。

Jose Padilla : Adios Ayer

José Padilla(ホセ・パディーヤ)はCafe del Mar(カフェ・デル・マー)を有名にした最大の立役者であり、初期Cafe del Marのコンパイラーであった。

Bliss : Kissing

Bliss(ブリス)はデンマーク出身のバンドで、バンドのメンバーはデンマーク、スウェーデン、ギニア・ビサウ出身の多国籍バンド。

※曲のリストをうまくご活用ください。きっとお目当ての曲が見つかると思います。良い音楽との出会いを楽しんでください。
※この年にリリースされたアルバムを下に方に載せておりますので、ご参考になさってください。

おススメのアルバム

チルアウトは基本的にコンピレーションを聞くのをお勧めします。おススメはCafe del Marシリーズです。ただ、あまりにもタイトル数が多いので、この中からいくつかピックアップしたいと思います。

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Cafe del Mar Ibiza Classicsシリーズ

文字通り昔の音源を集めたシリーズです。カフェ・デル・マーでかかっていた曲というよりは、イビサで昔かかっていた曲が収録されいます。チルアウトの変遷を知るのにうってつけです。

Cafe del Mar Ibiza Classics 1

Café del Mar Ibiza Classics 1の鑑賞録(曲目と感想と紹介を添えて)(おススメアルバム)

カフェ・デル・マーのIbiza Classicsシリーズ第1弾。10年以上前のものがほとんど入手できない状況になっているので、このコンセプトはいい。2005年前後の曲が多いが、2002年頃のものも収録されている。

Cafe del Mar Ibiza Classics 3

Cafe del Mar Ibiza Classics 3の鑑賞録(曲目と感想と紹介を添えて)(おススメアルバム)
Cafe del Mar Ibiza Classics 3はタイトルの通り、イビサで流れていたチルアウトを選曲している。クラシックと呼ぶのにふさわしい曲が多い。懐かしい曲が多い。

Blank & Jones : Relax – The Best of a Decade (2003-2013)

アーティストのアルバムとしては、このアルバムがチルアウトアルバムとしては出色だと思います。

Blank & Jones / Relax - The Best of a Decade (2003-2013)の鑑賞録(曲目と感想と紹介を添えて)(超々おススメアルバム)
チルアウト、ラウンジ系のマストアルバムの一つ。Blank & JonesのRelaxシリーズの1~7を中心につくられたベストアルバム。なお、Relaxシリーズはこの後も引き続きリリースされている。

名盤だけど入手困難アルバム

配信サービスでもお目にかかったことがない入手が困難なアルバムですが、チルアウトの名盤を紹介します。

Jose Padilla : Souvenir

Jose Padilla(ホセ・パディージャ)のファースト・アルバムです。

Jose Padilla / Souvenir(1998年)の紹介と感想
収録されている曲は、Cafe del Mar等には収録されていない曲ばかり。友人にChill Outを聞き始めるのなら、どれがいいかと聞かれたら、薦めるアルバムの一枚。

代表的なアーティスト

チルアウト系アーティストとラウンジ系アーティストというのは明確な線引きが難しいので、コンピレーションに多く収録されているアーティストを(一部ですが)紹介します。

コラム:Chill Out と Lounge

このサイトで扱っているチルアウトやラウンジとは

このサイトで取り扱っている音楽はジャンルをかなり限定しています。というより、マニアックと言って良い程だと思います(笑)。

ここで扱っている「チルアウト」なんて言葉を聞いた事のある人は、ほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。

でも、「ヒーリング」「癒し」系の音楽なら、ほとんどの皆さんは知っているのではないでしょうか?

「チルアウト」も「ヒーリング」「癒し」も、ある意味、根本の所では大差がないと私は思っています。

では、チルアウトとは一体何でしょうか?

“Chill Outはクラブミュージックの一形態ですが、踊ることに主眼を置いているわけではないようです。くつろいだ場の雰囲気を共有する音楽とでもいうべきものあり、この点がLoungeと共通するところでしょう。

英英辞典によれば、Chill Out は俗語で calm down and relax となっています。要するに、気持ちを落ち着かせてリラックスすることを指す俗語でのようです。

リラックスするために、場の雰囲気(サンセットを見る等)を整え、それに適した音楽を提供して作り上げられてきたのがChill Outです。

音楽のChill Out(チル・アウト)は、そういう場の雰囲気を作り上げるために成立してきた音楽といえます。”

つまり、根本の所では、双方ともリラックスすることを主眼に置いているのです。

さて、では何が違うのでしょうか?

個人的に思うのは、「ヒーリング」「癒し」とうたわれているCDは、テキトウに有名な人の曲を寄せ集めている感じがします。

これに対して、「チルアウト」と銘を打っているCDは、始まりから終りまでストーリー性があるものが多い気がします(そうではないのもあります)。

そのストーリー性のために、有名無名のアーティストが散りばめられているのが特徴的でしょう。

「チルアウト」のCDでは、始まりはゆっくり、中盤で少し盛り上げ、終盤でクールダウンする、といったような明確なコンセプトが感じられますが、「ヒーリング」「癒し」では、それが感じられません。

ストーリー性やコンセプト性に関しては、あくまでも好みの問題なので、どちらがどうとは言い切れませんが、”アルバム主義”の人にとっては「チルアウト」の方が合うと思います。

チルアウトについては、いつ頃から始まったのかは定かではありません。人によっては特定アーティストのアルバム名から来ているという人もいます。

例えばKLFの”Chill Out”(1990年)から来ているという人もいます。

しかし、チルアウトで最も有名なCafe del Mar(カフェ・デル・マル)が1980年代初頭からこのジャンルを店で流していたことを考えると、おそらく違うでしょう。

チルアウトとラウンジの類似点と相違点

最初にチルアウトとヒーリング/癒し系の違いを述べてみました。チルアウトのイメージを掴んでもらうために、敢てそうしました。

しかし、チルアウトにはヒーリング/癒し系以上に密接なカテゴリーがあります。

通常、ラウンジと呼ばれているカテゴリーです。

ラウンジは1960年代~70年代頃のムードミュージックを指す事が多かったのですが、最近ではクラブ系の音源を主体とした音楽を指すようになってきました。昔のラウンジと区別するために、ネオ・ラウンジと言ったりもします。

さて、このラウンジとチルアウトがどのように密接な繋がりがあるのかというと、アーティストが重なっているという点で密接なのです。

例えば、ラウンジのコンピレーションとチルアウトのコンピレーションを数枚買ってきたら、その中で何人かのアーティストが重なっている事に気が付くでしょう。

つまり、音楽的な傾向は非常に似ているのです。この観点から考えると、チルアウト/ラウンジとヒーリング/癒し系は全く別のカテゴリーといって良い位です。これらの間では、アーティストが重なる事はまずありません。

それでは、チルアウトとラウンジの違いとは一体なんでしょうか。

もちろん、双方に音楽的な傾向を見いだす事は可能です。しかし、アーティストが双方入り乱れている事を考えると、この点に違いを見つけるよりも、別のアプローチを取る方がよい感じがします。

私は、アウトドアとインドアの違いに双方の違いを見いだす方がいいのではないかと考えます。

チルアウトは夕陽を見るためにもともとかけられていた音楽だと述べましたように、アウトドアの音楽若しくは昼と夜の境(夜と昼の境)の音楽である感じがします。

それに対して、ラウンジはフーディングやレストランやホテルのロビー等でかけられているインドアの音楽若しくは夜の音楽である感じがするのです。

つまり、私はシチュエーションの違いが双方の違いであると考えるのです。

チルアウトの特徴

チルアウトの特徴としてダウンテンポの曲が多いのですが、必ずしもダウンテンポだけではありません。

サンセットを見ながら楽しむスタイルが中心のため、陽の高いうちはハウスが多く流され、そのため、ハウスがかなりの曲数にのぼります。

ハウスもボッサ・ハウスを主体とするブラジリアン・ハウスやクラブ・ジャズなどが多いようです。

ハウス以外にはアンビエントやブレークビーツ、DUB、ポップス、サントラ、クラシック等の曲も使われることが多いです。

様々なジャンルにクロスオーバーしており、一概に”これがチルアウト”といえるようなものはありません。

また、様々なジャンルが混じり合っているため、幅広い音楽の知識がないとChill Outは成立しません。

踊ることを主眼としている通常のクラブでかける音楽は特定のジャンルに偏っていることが多く、DJもそのジャンルのスペシャリストであることが多いのですが、チルアウトのDJはスペシャリストであるというよりジェネラリスト的傾向があります。

そのため、チルアウトの有名なDJは様々なジャンルを経てきたベテラン(言い換えるとおじさん)が多いです。

ベテラン揃いゆえに音のクオリティも高いのがチルアウトの持ち味でしょう。

チルアウトの代表格

チルアウトの中で最も有名なのがスペインのIBIZA島(イビサ島)のCafe del Mar(カフェ・デル・マー)です。

このCafe del Mar(カフェ・デル・マー)がなければチルアウトはなかったといえます。

ポップス界の様々な大物アーティストがCafe del Marにインスパイアされたと言っているように、音楽界に大きな影響を与えているカフェです。

このCafe del Mar(カフェ・デル・マー)が出しているコンピレーションはチルアウトのバイブルといって良いでしょう。

Cafe del Mar(カフェ・デル・マー)は1980年からDJ をレジデントDJとして営業を開始し、1994年からCafe del Mar(カフェ・デル・マー)のイメージアルバムをリリースしています。

Jose Padilla(ホセ・パディージャ:ホセ・パディーヤの表記の方が一般的にようです。インタビュー音声で聴くとホセ・パディージャと言っているように聞こえます。恐らくは標準スペイン語とは異なるのではないかと思います。カタルーニャ語の発音のような気がするのですが…どうなんでしょう?)

残念なことにJose Padilla(ホセ・パディージャ)は1996年の6枚目のアルバムを最後にCafe del Mar(カフェ・デル・マー)を去ってしまいました。

理由は「あまりに有名になりすぎた…」からだったそうです。その後、フランス人のBRUNOをレジデントDJとして迎え、現在ではさらに変遷を経ています。

このCafe del Mar(カフェ・デル・マー)を筆頭に近年様々なチルアウトコンピレーションがリリースされていますが、コンセプトやクオリティの面から首をひねりたくなるなるようなものが数多いのが実情です。

コンパイルされているアーティストのクレジットを見れば、音のおよその傾向が分かるのですが、アルバムによっては”おいおい”とつっこみたくなるようなコンパイルの仕方をしているものもあります。

そのほとんどはDJがコンパイルしたのではないので、アルバムを買うときはDJがコンパイルしているものを選ぶのがよいでしょう。

今までは個別のアーティストでチルアウトアーティストといえる人はあまりいませんでした。

そのため、初期の頃は、アルバムが様々なジャンルのアーティストの作品で構成されていました。しかし、最近ではチルアウトを聴いて育った世代が増えてきて、チルアウトアーティストと呼べる人たちも出てきています。

そういうアーティストが増えてくるとそのうち、チルアウトも一つのジャンルになるのかも知れません。

参考情報

ダウンテンポという点ではバラードとの類似点があります。バラード曲の中にはチルアウトにもラウンジにも合うものがあるからです。

年代別バラード曲の一覧
※年代が間違っている曲があると思います。ご容赦願います。また、再ヒットした年に再掲している曲もあります。 2010年代 2011年のバラード曲2010年のバラード曲 2000年代 2009年のバラード曲2008年のバラード曲2007年のバラ...

チルアウトの聖地イビサ島

チルアウトの聖地イビサ島

チルアウトの聖地と言えばスペイン領イビサ島。

そのイビサ島の中でも、サンアントニオにあるカフェ・デル・マーが聖地と言っても過言ではないでしょう。

この有名なカフェを模して、その後似たようなサンセット・カフェが出来ていますが、本家を超えるものは登場していません。DJは一度でもカフェ・デル・マーでプレイをしたことがあれば、そのことを謳い文句にするほどのカフェなのです。

イビサにはカフェ・デル・マー以外にも有名な音楽スポットがあります。

それは、クラブです。ごく小さな島に、世界規模で見ても大きなクラブが幾つか存在しています。そのため、イビサは別名「パーティ・アイランド」とも呼ばれています。

一方、イビサは世界遺産にも登録されている島でもあります。

現在のサブカルチャーを代表するようなクラブ・ミュージックと、世界遺産が同居するという不思議な島なのです。

さて、このカフェ・デル・マーがある場所、イビサとは一体どういう場所なのでしょうか?これから徐々に書き連ねたいと思います。

イビサ島の歴史

イビサ島のある西地中海に浮かぶバレアレス諸島には、約6,000年前の「タラヨツ」と呼ばれる巨石遺跡群が残されています。

その後、イビサ島は地中海貿易の拠点として、紀元前7世紀頃からフェニキア人、カルタゴ人によって開拓され、ローマ帝国の支配下に置かれました。当時を知る史料としては、プッチュ・デ・モリンスではフェニキア人の地下墓地が残されています。

そして、イビサ島は902年から1,234年までイスラム教徒に支配され、この時期に繁栄を極めました。そのため、多様性に富んだ独自の文化と遺跡を持つことになるのです。ダル・ビラと呼ばれる旧市街は国の指定文化財になっています。

複合遺産:イビサの生物多様性と文化

1,999年、地中海に浮かぶバレアレス諸島の島がユネスコの世界遺産に登録されました。これは、イビサ島の歴史性と、イビサ島周辺の海底に生息する生物・自然学的にも貴重な海洋性植物の固有種ポシドニアに覆われているためです。

地理的なもの

地中海の島々の中でもヨーロッパにおいて知名度の高いところの一つが、スペインのバレアレス諸島です。

主な島はマヨルカ島、メノルカ島、イビサ島、フォーメンテラ島、カブレラ島です。厳密には、マヨルカ島とメノルカ島がバレアレス諸島になり、イビサ島、フォーメンテラ島はピチウセス諸島となります。

一番大きな島がマジョルカ、その南に位置するのがイビサ、その北にあるのがメノルカです。

そのイビサ島はイベリア半島東岸沖に位置し、人口約10万人の島です。バレアレス諸島第三の島として、マヨルカ島、メノルカ島に次ぐ大きさの島です。この島の中心地はイビサであり、エイビサとも呼ばれています。

バレアレス諸島のそれぞれの島には独特の文化があり、マジョルカ島は陶器のマジョルカ焼、メノルカ島はマヨネーズの発祥地としても知られています。

イビサへはスペイン本土やヨーロッパの主要都市からの直行便がシーズンになると毎日出ています。イビサ島の玄関口エス・コドラル空港はイビサ市の郊外にあります。航路でもイビサ島とイベリア半島を結んでいます。

市街地を離れると、オリーブの木、サボテンなどの田園風景が広がっています。島内ではバスも走っていますが、本数が少ないため、観光のためにはレンタカーやレンタバイクを利用することが多いようです。

観光の島として

イビサは、ヨーロッパでは人気のリゾートアイランドとして有名な島です。観光シーズンは6月から9月で、この頃にはヨーロッパ各地からチャーター便が飛んでいます。島の人口もピークの夏シーズンには数倍に膨れ上がり、スペイン人よりもイギリス、ドイツ、フランス、北欧からの旅行者が多いようです。

観光の見所

イビサはサ・ペニャ、サ・マリナと呼ばれる、漁港として栄えた港と、高台にあるダルト・ビラと呼ばれる旧市街区の二つに分けられます。

16世紀の城塞に囲まれています。このダルト・ビラの玄関はフェリペ2世時代に造られたラス・タブラス門です。古城やカテドラル、古代カルタゴ関連の展示がある考古学博物館があります。現在の市庁舎は旧サント・ドミンゴ修道院です。この市庁舎前の広場からはイビサ港と街を一望出来ます。一方、イビサ港にはブティックやレストラン、バル、テラスが建ち並んでいます。

イビサ島第二の都市サン・アントニは空港から約25分、島の北側にある都市です。人気のリゾート地で数多くのバルやクラブが集中しています。殆どのクラブは6月中旬から9月中旬までのみの営業となりますが、この期間中は他に類を見ない程の夜の盛り上がりを楽しめます。

また、イビサの最大の魅力は美しい海岸です。特にイビサ島第2の都市サン・アントニオ・アバドという北の町の港から観光船が出ていて、海からしか行けない美しい海岸などがたくさんあります。有名なCafe del Marもこのサン・アントニオにあります。

料理・民芸品

イビサ島の料理は、ほとんどの料理に小麦・オリーブオイル・ワインがふんだんに使われた地中海料理です。

民芸品としては、陶器、皮革製品、楽器などがあります4月から10月の週水曜日、サンタ・エウラリアの北にあるエス・カナルではヒッピーマーケットが開かれます。多種の土産物、衣料品、皮革製品、銀製品などが並びます。

パーティアイランド

イビサは1960年代に「ヒッピーの島」として世界的に有名になりました。ヨーロッパ中から若者が集まり独特のヒッピー文化を作りあげた自由の島としての歴史があります。この頃のイビサをに描いた映画としてピンク・プロイドがBGMを担当した「MORE」が有名です。

現在でも開かれているヒッピーマーケットは、当時の名残りをとどめるものです。当時の影響はブティックやバーなどの小さなお店にも見受けられ、ボーダレスな雰囲気と古いローマ時代の町並みが調和して、独特の文化をつくりあげています。これが、いわゆる現在のイビサ・ファッションやイビサ・ミュージックといわれるものの一翼を担っています。

パーティアイランドの歴史

イビサがヨーロッパで注目を浴び始めたのは1980年代後半のことです。Paul OakenfoldらDJが休暇でイビサ島を訪れてからになります。

それまで、ヒッピーの多く集まる場所として名を馳せていたイビサでしたが、イビサにはヒッピーの快楽的な考え方が根付いており、それに触れる事で大いに感化され、イギリスにその考えを持ち帰り、セカンドサマー・オブ・ラブという一大ムーブメントを巻き起こす事に成功します。

この中で、突如としてシーンの中で注目される事となったイビサ島は、その後も、ダンスミュージックの聖地として変貌を遂げていくのです。

多くのメディアによって取り上げられ、毎年多くの観光客を迎え入れるようになったイビサは、Cream、Ministry of Sound、Gatecrasherと言ったイギリスに拠点を置くレーベルやオーガナイザーたちが独自のパーティーを展開する場所としてもクローズアップされていく事になります。結果イビサは、エレクトロニック・ミュージックを代弁していく場所へと成熟するのです。

今では、Cafe del Marの夕陽をバックにプレイされるチルアウト・ミュージックから、テクノに至るまで、様々なタイプの音楽が、日夜を問わず訪れたお客を魅了し続けています。

ナイトスポット

クラブミュージックの地として有名なイビサには数多くのナイトスポットがあります、他には類を見ない程のナイトライフを楽しみに世界各国から観光客が集まります。有名なクラブはPacha(パチャ)、El Divino(エル・ディビノ)、Privilege(プリビレッジ)、Amnesia(アムネシア)、Es Paradis(エス・パラディス)、Eden(エデン)、Space(スペース)です

チルアウトとラウンジのおすすめレーベル

Cafe del Mar (カフェ・デル・マール):Chill Out(チル・アウト)のバイブル

Cafe del Mar(カフェ・デル・マー)はスペインのイビサ島サンアントニにあるサンセット・カフェである。

Chill Outの最も有名なカフェであり、Cafe del Mar(カフェ・デル・マー)なしにはChill Outはなかったと言うくらいChill Outにおいて重要なカフェである。

様々なDJの選曲した曲を聴きながら、世界一美しいと言われる夕日を見る人は絶えない。

この音楽と夕日を見るためにヨーロッパ中から人が集まる。

ヨーロッパで一番有名なカフェとも言われるゆえんである。

また、ここでかけられる音楽は数々のアーティストに影響を与えていることもでも有名である。

そんなCafe del Mar(カフェ・デル・マー)のコンセプト・イメージアルバムが、シリーズ化されて毎年のリリースとなっている。

シリーズを手がけるのはCafe del Mar(カフェ・デル・マー)のレジデントDJである。

初代が今となっては伝説のDJとなっているJose Padilla(ホセ・パディージャ)である。

第1作目から6作目までを担当し、6作目後「有名になりすぎた」ためCafe del Marを去った。

その後BRUNOがレジデントDJとなり7作目から11作目まで担当した。

BURUNOはかなり精力的にコンピレーションを作成しており、彼になってからスタートしたシリーズも多い。

現在はCafe del Marの創始者の一人Ramon Guiralを中心としてチームでコンパイルしている。

また、Cafe del Mar(カフェ・デル・マー)のレジデントDJ以外のDJ陣がコンパイルした別のシリーズにREAL IBIZAがある。

これと併せて聴かないと、Cafe del Mar(カフェ・デル・マー)の音楽は分からない。是非、REAL IBIZAも聴くべきである。(※現在、REAL IBIZAは絶版であり、ネット配信でも入手ができない。)

Cafe del Marの冠をつけたシリーズは他に、Aria、Classic、Dreams、Chillhouseのシリーズがある。

※当サイトでは”カフェ・デル・マー””カフェ・デル・マル””カフェデルマー””CdM”などの呼び名を、その時の気分で使っています。特に日本語の表記に関しては、いろいろな表記がされているので、どれが正解なのか分かりません。ご容赦下さいませ。

Cafe del Mar シリーズのリスト・一覧

※曲のリストをうまくご活用ください。きっとお目当ての曲が見つかると思います。良い音楽との出会いを楽しんでください。
※この年にリリースされたアルバムを下に方に載せておりますので、ご参考になさってください。

REAL IBIZA (リアル・イビサ):Cafe del Marに並ぶもうひとつのバイブル

Cafe del Mar(カフェ・デル・マー)と並ぶChill Outの代表的コンピレーション。

シリーズはREAL IBIZAをリリースしていたREACTが倒産し、それを継いだResistも2007年末に倒産したことにより中断していた。だが、REACTが復活し、2015年からREAL IBIZAシリーズも復活した。

コンピレーションの編集が、Cafe del MarのDJ陣が行っているので、実質Cafe del の姉妹版と考えてよい。

この二組でCafe del Marとして捉えないとまずい。各年の夏のCafe del Marを知りたければ、片方だけ買うのは片手落ちである。

そもそも、Cafe del Mar(カフェ・デル・マー)が最初アルバムを出していたのが、このREAL IBIZAを出しているREACTであった。

当時のCafe del MarのレジデントDJ Jose Padilla(ホセ・パディージャ)の個人アルバムをREACTがリリースすることを渋ったので、Cafe del MarはMANIFESTOにレーベルを移籍してしまった。

Jose Padilla(ホセ・パディージャ)はMANIFESTOから個人アルバムをリリースすることができ、Cafe del Marも引き続き、8作目までMANIFESTOからリリースされる。

さて、話を戻すと、Cafe del Marがレーベルを移籍したが、REACTはChill Outのコンピレーションを作りたかったらしい。Cafe del Marで回している別のDJ陣を迎えてリリースを始めたのが、このシリーズである。

毎年、Cafe del Marのリリースを前後してREAL IBIZAはリリースされていた。

以前はDJミックスとコンピレーションの2種類をリリースしていたが、2004年からはコンピレーションのみに絞ったようである。

また、このシリーズはアナログがあるので、見つけたなら、ターンテーブルをもっている人はCDよりアナログの方を買うべし。

当サイトで紹介しているReal Ibizaの一覧

HED KANDI のChill Out

Cafe del Mar同様IBIZA系といってよいHED KANDIのChill Outシリーズは2系統ある。

一つがServe Chillで、もう一つがWinter Chillである。

HED KANDIの場合、他のシリーズもそうだが、同じアーティストによるジャケットも評判になっている。ジャケットだけでもかなりおしゃれなレーベルである。

収録されている曲は、若干ミーハーな要素(その年のクラブでヒットした曲や、そのオリジナルをサクッといれてみたり…)があるが、オッと思わせる選曲もあり、レベルは決して低くない。

ジャンルをこだわらず、幅広くテクノ、ハウスからポップスまで様々にコンパイルしているので、Chill Outの持つ本来の広がりを楽しむことができる。ただし、Cafe del Marのようなストーリー性はない。

総合的には買いだと思っているシリーズである。なぜならば、Cafe del MarやREAL IBIZAに収録されていない、掘り出し物の曲が紛れ込んでいることがあるシリーズだからである。

当サイトで紹介しているHed Kandiの一覧

IRMA (イルマ):イタリアンChill Outの代表格

Cafe del Marを中心としたIBIZA Chill Outに対して、IRMA Chill Out cafeはITALIAN Chill Outを発信している数少ないレーベルである。

イタリアにはLounge(ラウンジ)の人気レーベルがいくつかあり、そちらの方に目がいきがちであるが、ちゃんとChill Outを出しているレーベルもあるのである。

さて、IBIZA系に比べると若干重い感じがするのと、ハウスの比重が大きいように感じられるのが特徴かも知れない。

そういう意味ではChill Outの広がりを感じさせてくれるレーベルでもある。

また、シリーズではIRMAに所属しているアーティストの作品をコンパイルしているので、レーベルとしての色が強くでているのも特徴である。

さらには、未発表曲が必ず入り込んでいるので、このシリーズを買わないと聞けない曲も含まれている。

リリース年を見れば分かるが、定期的にリリースしているわけではない。(6)以後1年空いたので、もうこのシリーズは打ち切ったのかと思ったくらいである。

最後に、IBIZA系とは音が若干異なると書いたが、双方のDJは交流があり(ま、狭い世界ですから)、IRMAからはChris CocoのDJミックスをリリースしているし、IRMAのアーティストの曲がIBIZA系でも使用されている。

当サイトで紹介しているIRMAの一覧

IBIZA系Lounge

IBIZAにおいてChill Outの方が有名であるが、そこはそこ、それなりにLoungeもあるのである。

Bambuddha Grove

IBIZAの真ん中(山の中といった方が的確か)あたりにあるレストラン&バー。

IBIZAの中では隠れたスポットの一つである。海辺にあるわけではないのだが、Bambuddha Groveで流れる音楽には、やはりIBIZAらしさが漂っている。

一概にLoungeにくくってしまうのはどうかと思うような構成をしている。しかし、Chill Outとは言い難い。どちらかといえばLoungeに近い感じがするので、ここにまとめているが、もしかしたら新しいスタイルに発展する可能性がある。

Macao Cafe

IBIZAの古い港にあるレストラン&バーである。洗練された食事やIBIZAらしい雰囲気は、IBIZAの夜を彩るのに最適である。(中国のマカオにあるCafeではありません。)

本シリーズは、Etnicaのイタリア人DJ Maxで、サイケデリック・アンビエント・チルアウトとは一線を画したラウンジ色の強い選曲となっている。

Hotel Costes(ホテル コスト)

ジルベール&ジャン=ルイ・コスト兄弟が仕掛けたホテル。パリのヴァンドーム広場にあり、ホテルにはコスト兄弟の名を冠した。

アーティスト、モデル、映画業界人などのセレブリティが集うホテルとして有名。

ホテル内にあるラウンジ&レストランをイメージしたDJミックスのコンピレーションが1999年の第1弾を皮切りに毎年リリース。

世界中で高い評価を受けた。 ホテルのコンセプトが”for the hotel’s first class guests”。これを体現しているDJミックスのコンピレーションでもある。

スタイリッシュをもとめる人には必需品ともいえるコンピレーションだろう。

このシリーズを手がけるのが、Stephane Pompougnac(ステファン・ポンポニャック)である。ホテルのレジデントDJでもある。

また、さまざまなセレブリティのパーティでもプレイする。ラウンジ界の大物DJである。彼の影響もあり、ホテルやフーディング・レストランからオリジナルのコンピレーションが多発されるという現象が生まれた。

当サイトで紹介しているHotel Costesの一覧

Buddha Bar(ブッダ・バー)とSiddharta(シッダールタ)

ブッダ・バーはパリで1996年にオープン。

エントランスを入り、階段を降りると、吹き抜けの大空間が開けている。

地下1階がウエイティングバー、地下2階がレストラン。

ここに6~7メートルはありそうな巨大仏像が鎮座している。その様子はCD内の写真で確認が出来る。

レストランのメニューは無国籍料理。こうしたレストラン系コンピレーションの先駆的作品が本シリーズである。

仕掛人は空間プロデューサー、レイモン・ヴィザン。彼は「George V Records」も立ち上げ、ここからシリーズはリリースされている。

本シリーズはDJミックスのコンピレーションである。担当しているのは、以下のDJ達。

・Claude Challe(クロード・シャル/クロード・ シャーユ)。1945年チュニジアに生まれ、その後フランスへ家族とともに移り住む。若いころはヒッピーにような生活を送っていたらしい。いったんフランスに戻り、DJとしてスタートを切る。1990年代にはイビサで活動をしていた。1996年にBuddha Barのオープンとともにレジデントに就任。

・David Visan(デビッド・ヴィザン)。ルーマニア人の父とヴェトナム人の母との間に、フランスに生まれる。DJ活動を始め、彼のルーツとなる音楽を表現し始める。

・Ravin(ラヴィン)。1966年、インド洋に浮かぶモーリシャス島に生まれる。フランスに移り住み、DJとして活動をする。Claude Challeと出会い、エレクトリックフュージョンとワールド・ミュージックに目覚める。Ravinの仕事に「Siddharta」シリーズがある。Buddha Barの姉妹版である。

・Sam Popat(サム・ポパット)。インド人の両親を持ち、マダガスカル生まれ。パリにも住んだことがあるようだ。NYのブッダバーのレジデントDJ。

Siddharta(シッダールタ)シリーズはBuddha Barの姉妹版であり、Buddha Bar同様のDJミックスのコンピレーションである。

このシリーズの担当は、Ravin(ラヴィン)。おそらく、このシリーズでのRavinが本来の彼のスタイルなのだろう。Buddha Barシリーズでの仕事よりも、このシリーズの方がいい仕事をしているのは皮肉である。

題名のSiddharta(シッダールタ)は仏教の開祖である釈迦の本名(俗名)、ゴータマ・シッダッタ((パ)Gotama Siddhattha)(ガウタマ・シッダールタ((梵)Gautama siddhaartha)からとったのだと思われる。Buddha Barの姉妹版だから間違いないとは思うが、若干表記が異なるのはフランス語とのかねあいかもしれない。

当サイトで紹介しているBuddha Barの一覧

Six Degrees (シックス・ディグリーズ)

1996年に独立系のレーベルとしてアメリカ西海岸に誕生したレーベル。

アメリカにあるレーベルとしては非常に珍しく、無国籍な、クロスオーバーな音楽を発信している。

シックス・ディグリーズは、自身のレーベルをワールド・ミュージック・レーベルとは言っていない。

だが、そのリリースしている音楽性を見てみると、このレーベルこそ”真”にワールド・ミュージック・レーベルと呼べる希有な存在である。

また、レーベル内のアーティストも多士済々であり、ワールドミュージックに限らず、チルアウトやラウンジの分野でも活躍しているアーティストが多い。

そう考えると、このレーベルは、チルアウト/ラウンジとワールドミュージックを繋ぐ位置にあるといっても良いかもしれない。

当サイトで紹介しているSix Degreesの一覧

チルアウトとラウンジを楽しむ

耳で楽しむ

Chill Out/Loungeに限らず音楽を聴く場合、まずはオーディオ機器などで聞く方が多いのではないかと思います。

私自身も普段はオーディオ機器で聞いていることが多いです。

ですが、オーディオ機器で聞く場合、ある意味BGM的に受け身の消極的な聞き方をしているのではないでしょうか。別にそのことが悪いのではないのです。音楽の楽しみ方の一つとしてはありだと思います。

では、積極的な音楽の聞き方はあるのでしょうか?

「積極的に音楽を聞く」と書くと、楽器を自分で演奏するかのような印象を受けてしまいがちですが、そうではないのです。ある意味演奏するのに近いのかもしれませんが、必ずしもそうではありません。

擬似的に演奏する気分を味わうことができるものがあります。いわゆるDJが使う、ターンテーブルがそれに該当します。

ここで何故、ターンテーブルを持ち出したかといいますと、このターンテーブルを使うと、積極的に音楽を聴くことができるからなのです。

アナログをかけるので、演奏するわけではありませんが、ある意味プロデューサーや指揮者のような立場で音楽を自分でセレクトしてかける行為は積極的な行為だと言えると思います。

ターンテーブルと聞くと、条件反射的にスクラッチを思う人(苦笑)やテクノ系のDJを思い浮かべる人がいます。そういう人たちは、ターンテーブルを使うと何かテクニックを見せなければならないと思っているようです。

しかし、別にスクラッチをする必要はありませんし、テクノ系DJのようにキックに合わせて曲をつなぐ必要もありません。普通にアナログを流せばいいのです。そして、次の曲へのつなぎは前の曲が終わってからつないでもいいのです。別にフェードイン・フェードアウトでもいいのです。

ターンテーブルを使って曲をかける行為自体が積極的に音楽を楽しんでいる行為だといえると思います。

だけど、アナログなんて持ってないよという人、心配はありません。

ターンテーブルと同じ様なものでCDをかけるためのCDJという機械があります。これで、ターンテーブルと同じように楽しめます。最近ではスクラッチができるCDJも発売されていますので、ターンテーブルとほとんど同じ楽しみ方ができると思います。

こういう道具を使って積極的に音楽を楽しむと、さらに音楽が面白くなると思います。

目で楽しむ

Chill Out/Loungeは場を共有する音楽です。場を共有する、または、雰囲気を共有する場合、視覚的な効果も見逃せません。

音楽以外に視覚的なものが加わると、相乗的に場を共有している感じを味わえます。

私がここでお薦めするのは、風景等の自然をただ単に写した映像です。場を共有するといっても、人がイッパイいる状況を再現する必要はな
いと思うのです。わざわざ家にいて人混みを再現するのもどうかと思います。

ここでは、思いっきり人混みから離れたところを再現してみましょう。そうすることで、Chill Out/Loungeのもつ音楽性が理解できると思います。

実は、上記で書いているのに考え方がよく似ている番組があります。東京MXテレビの「ヒーリングタイム&ヘッドラインニュース」です。ご覧になれる方は、一度ご覧になるとよいと思います。風景の映像に音楽が流れているだけです。コンセプト的には同じです。

さて、次には映像をどう見るのかを考えてみましょう。

普通はテレビで見ると思います。できれば大きいテレビで見たいと思うでしょう。

しかし、さらに大画面で見るために、私はプロジェクターをお薦めします。

画面はテレビに比べると不鮮明です。ですが、ハッキリと見える必要はないのです。なぜなら、雰囲気をたのしむために映像を流すので、映像を見るために流しているのではないからです。要するに音楽のBGMのように、映像もただ単に流しているだけでよいのです。

とすれば、より大きい画面が再現できるプロジェクターが便利だと思います。

プロジェクターにはもう一つメリットがあります。

テレビに比べると、動かしやすいのです。また、スクリーン代わりになるような白い壁であれば、意外に綺麗に写ります。この点でも、テレビより便利でしょう。

昨日はここで見たから、今日は気分を変えてこの壁に映して見てみようなんてことができます。

音楽をただ単に流すBGMのように、映像もただ単に流してみる。そういう映像のたのしみ方もあるのです。

優しい光で楽しむ

視覚的なものには、映像を見る方法以外にもう一種類あります。光の明るさです。

つまり照明です。

映像を見るのに、映画館のように真っ暗にするというのも手ですが、それでは映像に集中してしまいます。

あくまでも、Chill Out/Loungeという音楽と視覚的なものをうまくミックスするのが、ここでの主題ですから、真っ暗にするというのは頂けません。

そこで、ここで取り上げたいのが間接照明です。

間接照明のように、部屋を若干薄暗い状態にするとリラックス効果が高いそうです。

薄暗いので映像を流しても、意外にちゃんと綺麗に画像が映えます。

その中でChill Out/Loungeを聞くととても気分がよいです。

また、この間接照明で照らされた薄暗い状態の中で、香りを加えるとさらによいでしょう。

香りでは比較的馴染みのある、アロマオイルやお香を使うのがよいと思います。

ここで使う香りは、自分の好きな香りにすることです。

香りによって効果が異なりますが、あえてリラックス効果があるからといって特定の香りを選ぶより、自分好みの香りを選んだ方がよいと思います。

その方がChill Out/Loungeを聞いていて楽しめると思います。

飲み物で楽しむ

音楽を聞く時、何かを食べながら、飲みながら聞きませんか?

もしくは見方を変えて、オシャレなカフェや、バーでは音楽がかかっていませんか?

音楽と飲み物や食べ物はとても相性のいいものなのだと思います。

いい音楽を聞きながらの飲食は、食べ物や飲み物をより美味しいものに変えてくれます。

しかし、逆に食べ物や飲み物が美味しくなければ、音楽も味気ないものになります。

それでは、Chill Out/Loungeに合うのは一体なんでしょうか。

Chill Out/Loungeは食事の時に聞くよりも、その後のゆっくり過ごす時間や、友達と話すような場で聞く方が合う音楽です。そういう意味において、食べ物よりも飲み物を選ぶ方がよいのだと思います。

個人的には飲み物だけでよい感じがします。おつまみは無い方が音楽が楽しめます。

また、Chill Out/Loungeは快適な空間で聞くのがよいです。この場合の快適な空間というのは、エアコン等で湿度や温度を管理した空間を言います。

夏であれば、湿度を低くしてサラリとした空間、冬であれば、暑すぎない程度の空間を目指して調整をした方がよいと思います。この空間の湿度や温度の感覚は、地中海の夏や冬を経験したことがある人ならば、地中海のような感じを目指して下さい。

その上で、飲み物を選びましょう。

個人的には、ミネラルウォーターか酒で十分なのではないかと思います。酒もワインやビールよりも、スミノフアイスのような多少アルコール度が高めで、ギンギンに冷やして飲めるようなものがいいと思います。

ミネラルウォーターも、炭酸が入っているものが苦手でなければ、ペリエのようなのがよいのではないでしょうか。

くつろいで楽しむ

何かに寄りかかる、もたれかかる、腰掛ける、寝ころぶ。…

そうすることでリラックスできますが、できることなら、もたれ心地のよいもの、座り心地のよいもの、さわり心地のよいものでリラックスしたいものです。

私は、ベッドの上に大きめのクッションをおいて、それにもたれかかりながらChill Out/Loungeを聞くのが好きで、いつもそうするのですが、そうこうしているうちに気持ちよくなって寝てしまいます。

Chill Out/Loungeは、いい感じで眠りに導いても一つの理由として好んで聞いています。

ソファ等にもたれかかりながら、間接照明の仄かな明りの中、好みの香りが漂い、そしてその中で飲み物を飲む。Chill Out/Loungeを聞くことの贅沢さを味わえるような空間だと思います。

一度試してみてはいかがでしょうか?

外で楽しむ

天気のよい季節には、アウトドアでのんびりと過ごすのもいいものです。

その時に音楽を聞きながら外出してみてはいかがでしょうか?

Chill Outなどは、本来屋外で聞くのが最も気持ちのいい音楽です。

浜辺などで潮風に当りながら本当の意味でのChill Outな気分に浸るのもとてもよいと思います。

アウトドアで聞くには、どうしてもポータブルなものを携帯しなければなりません。

現在様々なポータブル・プレイヤーが発売されており、それぞれに特徴があり、選ぶのに迷ってしまいます。

また、聞くためには当然、イヤホンやヘッドホンが必要になります。これも、また多くの種類があって迷ってしまいます。

Chill Outをアウトドアで聞くのなら、できるだけ大量の曲数を収録できるもので、テキトウに曲目が替わるものがよいと思います。それも、可能な限り音質が下がらないもので聞きたいところです。

現在のポータブル・プレイヤーは、いずれもデータの圧縮をしますので、どうしても音質が下がります。普通のポップスなどのようにリズム・セクションの音程が高目のものはあまり問題がないのですが、Chill Outのように低音域が強くかつその低音域にこそ特徴があるような音楽については、厳しいのが現実です。

その中で、比較的音質が下がらずにすませるためには、もとのデータとほぼ同じ容量でレコーディングをしてくれるポータブル・プレイヤーがよいと思います。

筆頭にあげられるのは、やはりiPodだと思います。ほかにgigabeatなどもありますので、こちらでもよいと思います。また、若干の音質低下はしょうがないものの、シャッフル機能にすぐれたiPod shuffleなどもいいと思います。

一方、イヤホンやヘッドホンですが、できればヘッドホンの方がよいと思います。というのも、イヤホンに比べてヘッドホンの方が音を鳴らす部分が大きいため、低音域に強いからです。

いずれにしても、ポータブル・プレイヤーを持って天気のよい空の下、Chill Outなアウトドアを満喫してみては如何でしょうか?

チルアウト的リラックスとは

チルアウトとはリラックスすることを主眼に置いていると書きました。

リラックスすると言っても、人それぞれで、千差万別なものです。

では、チルアウトは、どうリラックスするのでしょうか?

これは、チルアウトの本場・イビサ(IBIZA)のカフェ・デル・マル(Cafe del Mar)での様子を見てみましょう。

イビサ(IBIZA)とは、島の一部が世界遺産にも登録されている、地中海に浮かぶスペイン領の島です。

このイビサ(IBIZA)のサン・アントニオ海岸にあるのがカフェ・デル・マル(Cafe del Mar)です。

サン・アントニオ海岸は、世界一美しいサンセットビーチとして有名な場所でもあります。

カフェ・デル・マル(Cafe del Mar)は、このビーチでサンセットを見ながら、音楽を流しています。

その時に使われているのが、いわゆるチルアウト・ミュージックになります。

つまり、もともとは、サンセットを見るために流している音楽な訳です。

カフェ・デル・マル(Cafe del Mar)はカフェではありますが、日本で言うところのカフェとはイメージが若干異なるかもしれません。

どちらかといえば、バーに近いものを想像して頂いた方がいいのかもしれません。

ですので、カフェ・デル・マル(Cafe del Mar)では、客がお酒を飲みながら、サンセットを眺めているのです。

お酒とサンセットと音楽。

ボーっと沈む夕陽を眺めながら、DJが選曲した曲が流れ、お酒を飲む。

これだけで至極の時間を過ごすのです。とても優雅だと思いませんか?

こういうリラックスの仕方もあるのです。

チルアウトとラウンジのシチュエーションの違い

シチュエーションの違いが両者の大きな違いであると述べました。

私は、もう一つ大きな違いがあると思っています。それは、季節です。

チルアウトは夏の音楽。ラウンジは冬(もしくは残りの秋から春)の音楽であると思うのです。

チルアウトの本場・イビサ(IBIZA)のシーズンは7月から10月までです。要するに、バカンスシーズンがチルアウトのシーズンなのです。

カフェ・デル・マル(Cafe del Mar)もこのシーズンに合わせて営業をしています。残りの季節はどうしているのかといいますと、クローズしています。夏だけの営業なのです。

一方、ラウンジは食事時に合わせて音楽をかけるシチュエーションが多いので、室内で気持ちよく食事出来る冬(もしくは秋から春)が似合っているといえます。

ただ、ラウンジはあまり季節感がないのが実際の所でしょう。敢ていえば、冬(もしくは秋から春)という程度のことなのです。それでも、私が敢て冬(もしくは秋から春)の音楽と言っているのは、この系統の音楽を聴き続けている経験上、気持ちよくラウンジを聞ける季節が冬(もしくは秋から春)なのです。夏にラウンジを聞くと、若干鬱陶しいです。

夏の音楽と冬の音楽。この区分けで考えると、音楽の傾向が違うように感じられるのではないでしょうか?

私は、チルアウトとラウンジの両者には音楽的な違いはほとんどないと書きました。事実そうだと思っています。

しかし、音楽的な傾向を探し出す事は可能である事も事実です。

チルアウトとラウンジの音的傾向の違い

チルアウトとラウンジの両者には音楽的な違いはほとんどないと書きました。しかし、音楽的な傾向を探し出す事は可能である事も事実です。

では、両者にどのような傾向があるのでしょうか

チルアウトとラウンジで共通するのは、ダウンテンポな曲が多い点と、以外かも知れませんがハウスが多い点だと思います。この共通する中に、違う点が潜んでいるのです。

それは、特にハウスの方でよく見られる傾向です。

チルアウトはボッサ・ハウスやブラジリアンハウスがアルバムに多く収録される傾向があります。一方、ラウンジではジャズ・ハウスもしくはクラブ・ジャズがアルバムに多く収録される傾向があります。

チルアウトは夏の音楽、ラウンジは冬の音楽と書きましたように、この季節から考えれば、当然の結果とも言えます。夏らしいブラジル系の音楽がチルアウトに好まれ、落ち着いたジャズ系の音楽がラウンジに収録されるのは自然の成り行きだと思います。

ただ、あくまでも傾向としてこういう傾向があるというだけで、もちろんチルアウトにもジャズ・ハウスもしくはクラブ・ジャズが収録されていますし、ラウンジにもボッサ・ハウスやブラジリアンハウスが収録されています。

これより大きいカテゴリーのハウスになると、いわゆるハード・ハウスがチルアウトとラウンジに収録されるハウスの系統になります。(ハウスに馴染みのない方にとっては、何を書いているのかさっぱりだと思いますが、ご了承下さい。ハウスの解説は、ハウスの説明自体が難しいので省かせて頂きます。すみません。)

これら、ハウス以外にどのような音楽が収録されているのでしょうか。以下に列挙してみたいと思います。

アンビエント、エレクトロニカ、トリップ・ホップ、ブレイクビーツ、ドラムン、ニュー・エイジ、ポップス、クラシック、サントラ 等。
さらに、他のジャンルにもまたがっていますが、これらが代表的なところでしょう。個別のジャンルに関する解説は加えませんが、ジャンルが多岐にまたがっているのが分かって頂けると思います。

ここで疑問に思われる方もいらっしゃるかも知れません。これらのジャンル全てがチルアウトやラウンジなのか?と。

もちろん、違います。これらのジャンルの大部分の曲はチルアウトやラウンジに向いてません。これらのジャンルに含まれる音楽の中から、合致するような音楽を集めてきているのが、チルアウトやラウンジなのです。

私がここで何を書きたいのかといいますと、これだけジャンルが多岐にまたがっているので、個別のアーティストを追いかけるのが大変であるという事なのです。

チルアウトやラウンジのコンピレーションで、気に入ったアーティストがいるとした場合、そのアーティストのアルバムを買う場合、上記のジャンルのどれに該当するのかを考えなくてはなりません。ネットで検索する場合は、こういう事を考えないで済みますが、一般の店で買う場合は目的のジャンルを考えないと買えない事になってしまいます。

ですから、そのアーティストの情報がほとんど無い場合は、全てのジャンルを探し回る事になってしまうのです。大規模店であれば、全てのフロアを探す羽目になります。

裏を返せば、全てのジャンルにチルアウトやラウンジ向きの音楽が存在している事にもなります。

ジャンルが多岐にまたがっているという点が、チルアウトやラウンジの面白さでもあり、難しさでもあります。

チルアウトとラウンジの季節感

少し話しを戻してみたいと思います。

前に、チルアウトは夏の音楽、ラウンジは冬の音楽と書きました。

では、逆はあり得ないのでしょうか?

結論から言いますと、あり得ます。

別にチルアウトが冬に流れても、ラウンジが夏に流れても問題ないのです。

ラウンジについて言えば、以前にインドアの音楽若しくは夜の音楽と書きましたように、必ずしも冬と直結するわけではないのです。

相対的に冬の方が夏よりもマッチすると言うだけの話しなのです。例えば、IBIZAにある代表的なラウンジ・レストランであるMacao CafeやBambuddha Grooveは、夏のラウンジです。IBIZAが夏場がシーズンであるため、必然的にそうなったのだろうと思います。

夏のラウンジはチルアウトに雰囲気が近くなっています。恐らく、区別がつかないほど似通ったものになっているはずです。結果として、ラウンジらしさが無くなってしまっている面があるのです。

逆に冬のチルアウトはどうでしょうか?

実は冬のチルアウトのアルバムはほとんど無いのです。Hed KandiのWinterChillシリーズを紹介していますが、これ以外には主立ったものがないのが現状だと思います。もし、他にも冬のチルアウト・アルバムがあれば、恐らくラウンジに近いものになってしまっているのではないでしょうか。

季節を違えたチルアウトとラウンジはそれぞれに似てしまうような所があるように思えます。

しかし、この点にこそこれからのチルアウトとラウンジの可能性があるのではないかと思っています。

チルアウトとラウンジの可能性

チルアウトは夏、ラウンジは冬が似合う音楽です。逆にした場合どうかという事も書きました。

この逆にした場合というのが、これからのチルアウトやラウンジの可能性を秘めている部分だと思います。

ラウンジに関しては、IBIZAにMacao CafeやBambuddha Grooveを代表とする夏のラウンジがある事を書きました。ラウンジは夏のものもこれから徐々に増えてゆくでしょう。

それでは、冬のチルアウトです。

夏のチルアウトは浜辺で夕陽を見ながらというシチュエーションのもとで育ってきた音楽です。そういうシチュエーションに近いものが冬にあるのでしょうか。

可能性があるとしたら、スキー場ではないかと考えています。スキー場に行った事のある方ならご存じだと思いますが、スピーカーから音楽が流れています。この流れている音楽にチルアウトを乗っけてもいいのではないかと思うのです。

晴れた日のスキー場で、日が沈み始める頃はとても綺麗なものです。ある意味、夏の海に日が沈むのに匹敵する美しさかも知れません。シチュエーションとしてはチルアウトにピッタリなのです。

チルアウトとラウンジは何から買うか

チルアウトとラウンジは何から買うか。

アーティストか。

それとも、コンピレーションか。

結論から言えば、まずは、コンピレーションだと思います。

というのも、チルアウトやラウンジはDJがシチュエーションによってかける音楽であるので、様々なアーティストの音楽から成り立っているのが普通だからです。

代表的なコンピレーションを聞いた上で、気に入ったアーティストがいれば、そのアーティストのアルバムを買う方がよいと思います。

ただし、アーティストのアルバムを買った場合、チルアウトやラウンジのコンピレーションに収録されていた曲のみが良かったということがままあります。それは、DJがそのアルバムからその1曲のみをピックアップしているためです。DJから見た場合、他の曲はチルアウトやラウンジには合わないと判断して、切捨てているのです。

ですから、最初の内は、コンピレーションを中心に聞くのをお薦めします。

音楽をどう楽しむか

音楽をどう楽しむか。どこで楽しむか。だれと楽しむか。

車の中で聞くことが多い人、通勤・通学の時に聞くことが多い人、家で聞くことをもっぱらとする人。一人の方が楽しめる人もいらっしゃるでしょうし、逆にバーやカフェなどで友達としゃべりながら聞くのが好きな人、はたまたクラブやコンサートに行って、場を共有するのが好きな人 もいらっしゃると思います。様々だと思います。

様々なシチュエーションで音楽を聴くのが当たり前ですが、できれば気分のいい雰囲気、場所、環境で聞きたいのも当然だと思います。

このサイトではChill Out/Loungeを主体にしたディスクレビューをしています。

Chill Out/Loungeはクラブミュージックの一形態でありますので、そういう意味においては場を共有する楽しみ方をする音楽であるといえます。一方でリラックスすることも考えられている音楽でもありますので、そういう意味では一人や少人数でも浸ることのできる類の音楽であるともいえます。

ただ、この一人もしくは少人数で聞く場合にも、場の共有もしくは雰囲気の共有というものを目指した方が、より一層リラックスでき、なおかつ満喫できる音楽であると思っています。

となると、ただ単に音楽をスピーカーから流しているだけでは、Chill Out/Loungeの持つ魅力を十分に満喫しているとは言えないと思うのです。

最後に…。五感を使ってチルアウトとラウンジを楽しもう

Chill Out/Loungeの持つ魅力を十分に満喫するためには、ただ単に音楽をスピーカーから流しているだけでは物足りないと書きました。

Chill Out/Loungeは場を共有する音楽であるとも書きました。ですから、できるだけその場を再現するようにするのも一つの手です。しかし、そうするためには毎日人を呼んでパーティを開かなくてはいけませんので、非現実的です。

では、具体的にどうやって、Chill Out/Loungeを楽しむのか。

人を毎日呼ばなくても済むように、五感を刺激するようにすれば、比較的場を共有する雰囲気というものを感じ取ることができます。

五感とはもちろん、聴覚、視覚、味覚、嗅覚、触覚です。

音楽を聴くことによって聴覚は刺激されていますので、残りの視覚、味覚、嗅覚、触覚をどう刺激するかというのが課題になります。

参考情報

ダウンテンポという点ではバラードとの類似点があります。バラード曲の中にはチルアウトにもラウンジにも合うものがあるからです。

年代別バラード曲の一覧
※年代が間違っている曲があると思います。ご容赦願います。また、再ヒットした年に再掲している曲もあります。 2010年代 2011年のバラード曲2010年のバラード曲 2000年代 2009年のバラード曲2008年のバラード曲2007年のバラ...
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