鳥羽亮の「はぐれ長屋の用心棒 第14巻 おとら婆」を読んだ感想とあらすじ

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覚書/感想/コメント

シリーズ第十四弾。今回は、六年前にはぐれ長屋の用心棒たちが関わった赤熊一味の捕物で、生き延びた赤熊の弟分と実弟が華町源九郎らに復讐を企てようとする。

久しぶりに用心棒らしい感じかなぁと思うのだが、考えてみれば、狙われているのは源九郎、菅井らのわけで…。

ちなみに、この六年前の事件はシリーズが始まる以前のことである。なので、シリーズの最初の方をめくっても見つかりません。

第一巻をめくれば分かるが、華町源九郎は五十五歳で登場している。そして菅井は四十八歳だった。この巻では菅井が五十一歳となっているので、三年しかたっていないことになる。

さて、今回から長屋に新しい仲間が増えそうである。題名にもなっている「おとら」婆さんである。

だが、そもそもおとらが長屋に越してきたのにはある目的があった。そこには悲しい過去が隠されていた。そして、その過去のために、おとらはある行動をとる。

内容/あらすじ/ネタバレ

菅井紋太夫と孫六が一杯やっているところにお熊が息を弾ませて現われた。婆さんが、ならず者たちに取り囲まれてたたかれているのだという。

婆さんの名はおとらといった。

このおとらが孫六の家のはす向かいに越してきた。暮らしは商店に嫁に行った娘が仕送りをしてくれているらしい。

茂次がやってきて声を低くしていった。今川町の江島屋に押し込みが入ったのだ。材木問屋である。

押し入ったのが赤熊と聞き、華町源九郎の声が大きくなった。源九郎も菅井も赤熊一味のことをよく知っている。

六年前。深川にある材木問屋の木村屋に絡んだ事件ではぐれ長屋の者達と赤熊一味は深く関わっていた。この時に頭目の赤熊は自害している。

だが、取り逃がした者がいた。それは赤熊一味の塒となっていただるま屋の親父の権六と赤熊の実弟の常次郎だ。だから、賊は二人かと思っていたが、なんと七人もいたという。

早速、源九郎と菅井らは現場を見に行った。その後ろ姿をおとらが見つめていた。

殺され方から、相手は相当の手練れであることが分かる。これは復讐なのだ。赤熊を名乗った所からもそうであろう。油断は出来ない。

五日たった。孫六は栄造にその後の調べを聞きに行った。その孫六の後ろからついてくる男がいる。茂次も遊び人風の男につけられたという。

そして再び押し込みが起きた。

源九郎と菅井は木村屋に向かった。番頭の元蔵が来てくれないかというのだ。主の泉右衛門は二人に五十両を渡し用心棒を頼んだ。

五十両はいつものように等分にすることになった。

牢人・瀬川弥十郎は懐の暖かそうな男が通るのを待って辻斬りを働いた。それを見ていた男が瀬川に声をかけ、仲間にならないかと誘った。男は権六と名乗った。権六の側には侍が一人いる。島崎半兵衛という。

権六は瀬川に侍を斬ってもらいたいと頼んだ。

瀬川は菅井の居合を見に両国広小路に向かった。菅井の居合は瀬川の目をしても迅いと思わせた。瀬川の秘剣・谷颪と互角か、とみた。

孫六が襲われ軽く斬られた。相手は木村屋から手を引けと言った。

赤熊が入船町の材木問屋・室田屋に押し入った。賊は八人になっている。一人増えたのだ。

栄造がだるま屋の栄造の情婦のことを口にした。おかねという。そのおかねが江戸にいるらしい。海辺大工町で見かけたという者が現れた。側には権六と思われる男が一緒だった。

この後、今度は茂次が襲われた。

やがて、おかねを探していると、権六のことを耳にするようになり、権六が島崎という侍と一緒であることが分かった。

菅井が軽く飲んだあとに襲われた。襲ったのは瀬川である。

瀬川の剣は尋常な剣ではなかった。九死に一生を得た菅井はそれでも傷を負っていた。

小名木川、万年橋の近くに三浦屋という古い船宿がある。そこに八人の男が集まっていた。赤熊一味だ。

一味は源九郎らの探索が身近に及び始めていることに焦りを覚えていた。そして木村屋を襲うことに決めた。

そして菅井が孫六と二人で木村屋の見張りにつく日を選んで襲うことになった。

本書について

鳥羽亮
はぐれ長屋の用心棒14
おとら婆
双葉文庫 約二九五頁
江戸時代

目次

第一章 赤熊
第二章 谷颪
第三章 尾行者
第四章 一閃の勝負
第五章 激闘
第六章 居合と秘剣

登場人物

華町源九郎
菅井紋太夫
茂次…研師
孫六…元岡っ引き
三太郎…砂絵描き
お熊…長屋の住人、助造の女房
助造
元造…飲み屋「亀楽」の主
おみよ…孫六の娘
庄太…長屋の子供
栄造…岡っ引き
お勝…栄造の女房
村上彦四郎…南町奉行所定廻り同心
泉右衛門…木村屋主
元蔵…木村屋番頭
おとら
常次郎…赤熊の実弟
権六
おかね…権六の情婦
瀬川弥十郎
島崎半兵衛
寅次
伊那吉
益吉

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