佐藤雅美の「調所笑左衛門-薩摩藩経済官僚」を読んだ感想とあらすじ

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覚書/感想/コメント

幕末にも近い時代。薩摩藩は会社で言えば事実上倒産していた。会社更生法でもあれば、申請をしていなければならないほどの死に体だったのだ。

それが、幕末では中心的な役割を果たすことになる。もちろん金がなければ、中心的な存在にはなれない。では、どうやって、死に体の藩が甦ったのか?

その甦らせた男が調所笑左衛門なのである。調所笑左衛門は歴史上、抹殺された人物である。というのも、幕末の薩摩藩主・島津斉彬に嫌われたためである。

そして、そのまま島津斉彬に感化されていた西鄕や大久保ら維新の志士たちにも引継がれる。当然新政府において調所笑左衛門が評価されるわけがない。ここで、なぜ島津斉彬に調所笑左衛門が嫌われるようになったのか?これは、本書で確認していただきたい。

調所笑左衛門の成し遂げたことが、やがて幕末の薩摩藩の資金となる。回天の資金を作り上げた男を再評価する好著である。

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内容/あらすじ/ネタバレ

調所笑左衛門(ずしょ・しょうざえもん)はもともと薩摩藩の茶坊主である。

茶坊主として二十五代宗主の島津重豪に仕えていた。その頃の薩摩藩は、他の大名家と違わず借金に苦しんでいた。百万両を超える借金をどうするか重豪は日々悩んでいた。

そして、踏み倒しを決意する。この踏み倒しは当然一時的には効果があるが、大坂の銀主が貸してくれなくなるという弊害がある。もともと歳入面でうまくいかないから借金をしていたのである。当然、時間がたてば踏み倒しの効果はなくなる。

調所笑左衛門には茶坊主から、側用人への配置転換がなされた。これは、今まで重豪に尽くしてきた事に対する重豪からの褒美であった。まだ、このころの調所笑左衛門は藩政に関わることはなかった。そうしている間にも借金は膨らんでいく。

重豪は、行き詰まり調所笑左衛門にダメもとで、仕事をさせてみる。上方へ赴いて十万両を調達してこいと言うのだ。現実問題として、一度踏み倒している藩に金を貸すような間抜けな銀主はいない。

当然調所笑左衛門も調達に難航していた。しかし、拾う神もあるもので、出雲屋孫兵衛という両替商が融通を考えても良いという。

思わぬ調所笑左衛門の成功に重豪は驚く。この調所笑左衛門が連れてきた出雲屋の助けを借りて、薩摩藩の立て直しが始まる。そして、調所笑左衛門の経済官僚としての道も始まる。このときの薩摩藩の借金は五百万両に達していた。

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本書について

佐藤雅美
調所笑左衛門 薩摩藩経済官僚
人物文庫(学陽書房) 約三四〇頁
江戸時代

目次

貧窮
完敗
欠配
十万両
大往生
二百五十年賦
黒船襲来
陰謀
終章

登場人物

調所笑左衛門
島津重豪…二十五代宗主
島津斉宣…二十六代宗主
島津斉興…二十七代宗主
島津斉彬…二十八代宗主
出雲屋孫兵衛…大坂の両替屋
平野屋彦兵衛…大坂の両替屋
土方縫殿助…水野忠成の家老

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