佐藤雅美の「半次捕物控 第1巻 影帳」を読んだ感想とあらすじ(面白い!)

この記事は約3分で読めます。

覚書/感想/コメント

題名からして、謎かけである。『影帳』とは一体何なのか?

最後まで読めば分かるのだが、実ははじめの段階から、それとなく伏線がはられている。読み終えた段階で気が付くのだが、本書の最初から、やたらに博奕に関する事柄が多い。これは最大のヒントになるが、この伏線が非常に効果的に生きている。

また、本書では「八州廻り桑山十兵衛」でお馴染みの桑山十兵衛の名が出てくる。半次が、上州に事の裏を取る時に、手下に遠慮無く名前を使えという場面で登場する。半次は桑山十兵衛に少々の貸しがあるらしい。

「八州廻り桑山十兵衛」では半次の名前は出てこない。それらしい岡っ引は登場するのだが、若干設定が異なるようである。もしかしたら、そのうち「八州廻り桑山十兵衛」にも半次が登場するのかも知れない。

内容/あらすじ/ネタバレ

半次が出入りをしている相模屋から雪駄を盗んだ男の引合いを抜くために、同業の助五郎に頼みに行くが、引合いは抜けないという。引合いが抜けないとなると、相模屋は御差紙を受け、御白州に出て、証言をしなければならない。

一方、半次には気がかりがあった。恩を受けた岡っ引の息・幸太郎のことである。どうやら、助五郎の息のかかった賭場で博奕にはまっているらしいとの良くない噂が立っているのである。本人に問いただそうにしても、のらりくらりとかわされる。

半次はかつての手下・常吉に頼んで、様子を見てもらうことにした。常吉は幸太郎と兄弟のように育った仲なのである。その常吉から、幸太郎は問題なく過ごしていると聞き、明後日には半次を訪ねると幸太郎が言っていたと伝えた。しかし、幸太郎はその日来なかった。

相模屋の一件には、半次はかなり引っかかっていた。その雪駄を盗んだ男のことを調べるために、方々をかけずり回るが、今ひとつ要領を得ない。助五郎は一体何を企んでいるのか?

そうしている内に、常吉が死んで発見された。どうも殺されたらしい。幸太郎が半次を訪ねなかったことを知った常吉は、幸太郎の元に度々訪れていたようだが、ある日家を出てからパタリと居なくなってしまったのだ。

これは、幸太郎に絡んで、助五郎が何かをしているのか?

半次は相模屋の一件と、幸太郎、そして常吉の死を結ぶ線上に助五郎の姿が浮かぶの感じるが、確たる証拠がない。さて、半次はどうする?

本書について

佐藤雅美
影帳 半次捕物控
講談社文庫 約三一〇頁
長編
江戸時代

目次

長雨
狐火

御差紙
衣桁
色男
差口
ひも
尾張と紀州
御免博奕場
羽子板

登場人物

常吉
幸太郎…岡っ引
辰…幸太郎の手下
助五郎…岡っ引
岡田伝兵衛…半次の上司
飯尾喜三郎…吟味方同心
高麗屋源蔵…引合茶屋
すみ…源蔵の女房
相模屋太兵衛
勘助…相模屋番頭
稲毛屋倉次郎…半次の幼なじみ
寅蔵…家主

タイトルとURLをコピーしました