乙川優三郎の「蔓の端々」を読んだ感想とあらすじ

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覚書/感想/コメント

題名の『蔓の端々』はこの作品を良く表している題である。

蔓のように複雑に絡み合いながら、なかなか解けないそれぞれの人生を象徴しているように思われるのだ。

それは瓜生禎蔵が瓜生仁左衛門の養子になる経緯であり、はたまた禎蔵と黑﨑礼助との因縁であり、または禎蔵と織部佐賀之丞との関係であったりする。

その複雑な関係は、瓜生仁左衛門が死の間際「忘れろ」と言った非常に印象的な言葉に集約されているように思われる。

瓜生仁左衛門が死の間際「忘れろ」と言ったのは、次のようなことだったのか。

複雑に絡んだ人生の過去を正面から向き合っても不幸になる。それよりも全てを忘れて前に進め。

一種の寂寥とした感じの残る言葉である。

内容/あらすじ/ネタバレ

剣術で身を立てようと武芸に励んでいた瓜生禎蔵は、隣家の八重を妻にと考えていたが、ある日突然に親友の黑﨑礼助と共に姿を消してしまう。

なぜ、姿を消してしまったのか。

しかも、姿を消した礼助には家老暗殺の嫌疑がかけられている。

二人が姿を消して後のこと…

新たに政権を握った織部佐賀之丞の下、禎蔵は剣術師範として藩に仕えるが、政争に巻き込まれていく。

その中で、禎蔵と礼助を巡る複雑な因縁が明らかになっていく。

その因縁とは一体…

本書について

乙川優三郎
蔓の端々
講談社文庫 約四五〇頁
江戸時代

目次

花陰
小谷流川
小波
杉と桐
忘れ霜
朝曇り
炎暑
火鶏
雪の夜
春ふたたび
こう陽
秋の扇
濡れ縁

登場人物

瓜生禎蔵
瓜生仁左衛門
朝比奈小右衛門
八重
黑﨑礼助
三代川勇吾
三代川ひさ
織部佐賀之丞
山科忠藏

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