
鎌倉宮(かまくらぐう)
今回の散策の主目的の場所です。北方謙三氏の南北朝ものを読み終えて、訪ねたくなった場所で、建武中興十五社の一社です。旧官幣中社。
護良親王(もりながしんのう)を祭神としています。別名 大塔宮(おおとうのみや)。護良親王は、11歳で比叡山延暦寺の大塔に入室したことから「大塔宮」(おおとうのみや)と呼ばれていました。

護良親王は後醍醐天皇の皇子。鎌倉幕府を倒し建武中興(建武の新政)を実現しましたが、その後、足利尊氏と対立しました。
足利方に捕えられ、東光寺に幽閉され、建武2年(1335年)の中先代の乱の混乱の中で足利直義(尊氏の弟)によって殺されました。
この時期については「テーマ:鎌倉時代~南北朝時代(鎌倉幕府の滅亡)」でまとめています。
鎌倉宮には、南方社と村上社の境内社が2つあります。村上社には元弘の変で護良親王の身代わりとなって自刃した村上義光(むらかみよしてる)が祀られています。

本殿の後方にある土手の穴。親王がおよそ9か月間幽閉されていた土牢とされます。

また、宝物殿には馬上の護良親王像がありました。

主祭神:護良親王


この日のルートは、鎌倉駅から見て北東。イメージとしては鶴岡八幡宮の右上方面を散策しました。
鶴岡八幡宮 ⇒ 源頼朝墓と白旗神社 ⇒ 大江広元墓・毛利季光墓・島津忠久墓 ⇒ 荏柄天神社 ⇒ 鎌倉宮(大塔宮) ⇒ 永福寺跡 ⇒ 瑞泉寺 ⇒ 護良親王墓所
建武中興十五社
- (福島県)霊山神社(伊達市) 北畠親房公・北畠顕家公・北畠顕信公・北畠守親公
- (千葉県)小御門神社(成田市) 藤原師賢公
- (神奈川県)鎌倉宮(鎌倉市) 護良親王 本社
- (福井県)金崎宮(敦賀市) 尊良親王・恒良親王
- (福井県)藤島神社(福井市) 新田義貞公
- (静岡県)井伊谷宮(浜松市) 宗良親王
- (三重県)結城神社(津市) 結城宗広公
- (三重県)北畠神社(津市) 北畠顕能公・北畠親房公・北畠顯家公
- (大阪府)四條畷神社(四條畷市) 楠木正行公
- (大阪府)阿部野神社(大阪市) 北畠親房公・北畠顕家公
- (兵庫県)湊川神社(神戸市) 楠木正成公
- (奈良県)吉野神宮(吉野郡吉野町) 後醍醐天皇
- (鳥取県)名和神社(西伯郡大山町) 名和長年公
- (熊本県)八代宮(八代市) 懐良親王
- (熊本県)菊池神社(菊池市) 菊池武時公・菊池武重公・菊池武光公
大塔宮(護良親王)が登場する小説
北方健三の南北朝ものがおススメ。

北方太平記(北方南北朝)の一絵巻。楠木正成を描いている。一連の北方太平記の中で、関連性の強いのは赤松円心を描いた「悪党の裔」である。合わせて読むのがよいだろう。というよりも、この一連の作品群をまとめて読むといいだろうと思う。
大塔宮(護良親王)縁の地

住所と地図
所在地: 〒248-0002 神奈川県鎌倉市二階堂154
電話: 0467-22-0318